相手を思いのまま動かすには?
売り悩む百貨店の企画課で働く入社5年目女子の前に突然現れたキツネ。
キツネのずるがしこさに翻弄されていくうちに、ラテラルシンキングが身につき、仕事も人生も家族もうまく回りだす。7万部突破「ずるい考え方」のマンガ化!
2021年1月10日発売『まんがで身につく ずるい考え方』( 木村 尚義 著 /星井 博文 シナリオ /たかうま創 イラスト)の著者の木村 尚義 氏によるコラムを連載!
今回は、海外の女子校のお話。
なにぶん思春期の女子です。口紅を塗ったら、トイレの鏡にキスマークを付けてイタズラします。
教頭先生が何度もイタズラを禁止しても止みません。
そこで、校長が生徒にあることをして以来、キスマークを付けなくなりました。その方法とは?答えは最後に。
ずるい考え方ならではのコツがあります。
本書では、相手になりきる方法で鬼越部長は信頼を勝ち取ります。
信頼を勝ち取る上で、相手が思いもしない方法があります。
とりわけ上司に対して信頼を勝ち得た方法なのです。
戦国時代の末期、豊臣秀吉に仕えた部下の話をしましょう。
天下人となった秀吉には、曽呂利新左衛門(そろりしんざえもん)という家来がいました。
この新左衛門、あるとき手柄を立てます。
秀吉は褒美に何でも好きなものを取らせようと。
すると、新左衛門は、ほんとうに何でもよろしいのでございますか?と念を入れる。
秀吉はすこしビビりますが、そこは天下人。
顔色一つ変えず、申せ。
新左衛門の要望は「いつでも殿の耳のにおいを嗅ぎとうございます」という謎の褒美でした。
それからというもの新左衛門は秀吉の耳のにおいを嗅ぎます。
実はこの褒美、とんでもない要求だったのです。
配下の武将が秀吉の機嫌を取りに来城するたび、新左衛門は武将を前にして、殿の耳を嗅ぐのです。
武将の目には、告げ口をしているように見える。
それからというもの武将から新左衛門に贈り物が絶えなかったとか。
これで終わりではありません。
新左衛門は誰が何を贈ってきたか逐一記録して秀吉に献上しました。
秀吉も耳のにおいの謎が解けて大いに喜びます。
これ一件により、新左衛門は武将達から一目置かれます。
さらに、ワイロを私物化しなかったことで秀吉にもっとも信頼される立場になったのです。
こうなれば、武将はもちろんのこと天下人秀吉すら思いのまま動かすのには雑作はありません。
新左衛門の欲しがった褒美とは、実はこれだったのです。
ね、ずるいでしょう?
世の中には催眠術のように相手を動かす術を教える人もありますが、催眠が醒めたときには大いに顰蹙を買うでしょう。
もっとスケールの大きな褒美を手に入れたほうが、人生、楽しいじゃありませんか。
これが「ずるい考え方」なのです。
校長は鏡を清掃する苦労を訴えたのです。
まず、生徒をトイレに集めます。またか、という無言の圧力のもと、便器清掃のモップをバケツの水に付けて鏡をゴシゴシこすり付けたのです。
ほら、口紅はこんなにこすっても、なかなかキレイならないと訴えました。
うえっ汚ねぇ。と言ったかどうかはわかりませんが、それ以来、鏡に口をつける生徒はいなくなりました。
実際には清潔に配慮してデモンストレーション用に買ったばかりの清浄なモップとバケツを使いました。
やりすぎると失敗する例。
何かを禁止しようとしたときに、こんなひどい人がいますと見本を示すことがあります。でも、やりすぎると「あーこういうことをやってもいいんだ」って思う人が出てきます。
『まんがで身につく ずるい考え方』
刊行日:2021年1月10日(日) 価格:1,430円(税込)
著者名:木村 尚義 (著), 星井 博文(シナリオ),たかうま創(作画)
ページ数:184ページ ISBN:978-4-86667-257-1
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