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破壊神マグちゃんZ(第一話)


あらすじ
瑠璃に拾われたところから物語は始まる。
(原作で何年後とは明記されていない)

浜辺でキラキラと光る宝石を拾った少女”瑠璃”。
宝石が割れ、眠りから覚めたマグ=メヌエクは少女と邂逅する。
どこか流々の面影がある少女・・縁を感じるマグちゃんは少女に抱えられる。周りは以前の愛倉市とは似つかぬ雰囲気・・永く微睡んでいたのだろうか。まずは失った体力を回復せねばなるまい。
「じーちゃん、ただいま~海でタコひろってきたよ~」
フムン、この大衆食堂がコヤツの住居か。『錬の実家とよく似てるね』と流々。「ヤツの姉には世話になったな」食堂は姉が継いだことを思い出す。
「なにひとりでブツブツ言ってるの?お腹減ったよ~」
すると店の奥から声がする。
「昼飯はタコ焼きとするかのう・・どれ、大物なら夜のメニューに加えると・・マグ=メヌエク?」
「久しいな、ナプタークよ。」

「・・こんなもの食えぬわい、捨ててこいルリよ」
「契約を反故にする気か?供物をささげよ」使徒の書を取り出す。
「うわ~!カワイイ!ルリちゃんも書く書く!!」『ページ余ってたっけ?』
「ウゲッ、まだ持ってたのかそんなもの・・わかった、メシぐらい喰わしてやる・・まったく今月は赤字じゃな」
「時にナプタークよ、今は西暦何年だ?随分良い暮らしをしておるようだが」店主らしいとは感じ取れるが、瑠璃の両親が混沌の住人とも思えない。
「西暦?ああ、そういう時代もあったな。最後にその西暦とやらを聞いたのは100・・200年ぐらい前になるかのう?」
ヒゲを取って調理を始める。フライパンを振るには邪魔のようだ。
『ナプタくんの感じだともっと時間が経ってるみたいね』
「まあよい、また我の威光を示すまでのこと・・して、ルリよ。手始めに貴様の肉親を使徒にしてやろうぞ。」
「ルリちゃんのパパとママ?いないよ?じーちゃんだけ。モグモグ」出された炒飯を美味そうに頬張る。
「・・どういうことだ、ナプターク。我が版図を広げるのに支障があるだろう」『いや、そうでなくて・・でもなんで両親がいないんだろ?』
「瑠璃は浜辺で拾ってきたんだ、変な箱に入っててな。まだ小さかったから肥やしてから食材として使おうと思ったんだがな」
「・・貴様というやつは!!」
「冗談じゃw成長せんのう。箱は海に流されてしまったわい。ありゃ何だったのか。瑠璃と名付けたのはワシじゃ。ちょうど美濃焼にハマってたからのう」

「美濃焼?」『瑠璃色の皿とかなんじゃね?詳しくないけど』
それにしても行政は何をしてるのだろうか・・役所勤め時代に奔走した記憶が蘇る流々。
「みなしごというわけか、よかろう。我が親を探してやろう」
「ごちそうさま~!じーちゃん、もうすぐお客さん来るよ」
そそくさと小さなエプロンと三角巾を身にまとう瑠璃。開店時間が迫っているらしい。
「よかろう、我も力添えを惜しまな・・」
「お前は邪魔をするな。吾輩たちで十分だ、座っとけ!オイ、瑠璃!のれんを掲げろ」
『だってさ、ちょっと待っとこうよ』
「らっしゃい!」
夕暮れを合図に客たちが集まってきた。




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