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破壊神マグちゃんZ(第七話)


聖都までの道のりは遠く、何度も乗り継ぎを重ねなければならなかった。
しかも治安の悪い道もあり、長旅を予感させられる。
空路、海路は当てにならないらしい。交通に関しては前世代的なテクノロジーに退化しているようだが、妙に進んだ商品が並んでいたりチグハグさが混沌さを感じさせる。
「大きい駅に行くには・・このバスで良いのかな?」
『えらいな~ちゃんと時計が読めるんだねぇ。』っと流々は関心する。『誰かさんとは大違いだよ』
「振動ごとき、我に合わせるべきであろう。」
まだ数十分待たなくてはならないが、停留所には日よけがあり、少し涼むことができる。ホントにバスは来るのだろうか?
「あ、あのバスみたいだよ!」センセーとやらが瑠璃に耳打ちをして教えた。この機械はマグ=メヌエクに直接話しかけてこないので意思が伝わらない。まあ流々も同じ状態と言えなくもない。
「まだついてくるか・・フムン、まあ我が眼光に焼かれるのを警戒して近づけぬようだ」『大丈夫?あんま無理しちゃダメだよ』「心得ておる」
シミのような存在は一定の距離を取ってついてくる。
10名ほどの乗客の中にはニンゲンはいなかった。添乗員から切符を受け取り瑠璃は先頭の席へ座る。
「冒険の始まりだ!いやっほう!!」
子供の声に運転手はほほ笑みを返してきたのだった。



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