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気付いた時にはもう遅い!?「現場主義・生涯現役」に潜む罠
はじめに
会社の上司や先輩で「俺は出世なんてしたくない。生涯現役・現場主義でやりたいんだ」と言う人よくいますよね。
何となくカッコいいように聞こえますが、実はこれ、結構リスクの高いキャリアパスなんです。結論から言えば、会社側の視点からは「転職するリスクが低く、給料を上げる必要もない上に一生こき使える都合の良いコマ」ということになります。
どういうことか説明します。
一見カッコいい言葉の裏に潜む落とし穴
1.会社の視点
会社、つまり経営陣から見れば「生涯現場で」と言っている人はとても使い勝手の良いコマです。
なぜなら、会社の内部のことはよく分かってるし、社内の信頼も厚く、様々な細かい業務も理解しており、何か問題があれば「現場レベル」からアラートを出してくれます。
「それなら問題ないじゃない」と思ってしまうのは早計です。逆に言えば、管理側に回ることがなく、業務を回すことだけに集中してくれるだけの存在になります。
これがどういう意味になるのかは、下記2と3で説明します。
2.給与面
日々の業務を回してくれるだけの人、つまり管理職にならない人の給与はいわゆる時間給です。※時間給かどうかは残業代が出るかどうかで判断できます。
毎年少しずつ基本給が上がるのであれば、伴って残業代も少しずつ上がりますが、それでも天井は見えています。自分の時間を切り売りしている状態のため、もらえるお金が増えれば残る時間は減ります。しかも一日の上限が24時間で決まっている以上、仮に全部の時間を切り売りしても、それ以上に増えることはありません。
また、年齢を重ねるにつれ、作業効率は下がっていきますし、新しいことも覚えられなくなります。そうなると、長く在籍していることで給料が上がっているあなたよりも、変化に柔軟に着いていけて、給料もまだ安い若い人達に取って代わられる日も目の前に見えてきます。
3.最大のリスクは〇〇
「生涯現役・現場主義」の最大のリスクはなんと言っても、つぶしがきかないということです。
定年を迎えるまで今の企業が安定して雇ってくれれば良いです。しかし、他の企業に買収されたり、環境の変化についていけず倒産する大企業も頻繁に目にする時代に、そんなことを祈るのは根拠のない賭けにでるようなものです。
かつて35歳を超えると転職ができないと言われた時代がありました。その時代は定年まで一社に勤めるのが普通で、会社としても一度雇ったら定年まで面倒を見るのが当たり前という気質がありました。
そんな時代が終わったのは誰の目にも明らかです。今流行っている「リスキリング」という言葉の裏には「自分をアップデートしていかないと取り残される」という時流があります。
じゃあどうしたら良いの?
じゃあどうすれば良いの?という質問に対して、私は35歳までの転職を強くお勧めします。今は50代になっても転職はできる時代ですが、実際に50代まで一つの会社という狭い世界で、その会社でしか通用しないスキルと経験しか得ていない人が転職できるほど甘くはありません。
35歳までの転職をお勧めするのは、頭が柔らかい(変化を受け入れることができる)うちに転職をすることで、視野を広げ、その会社特有のスキルではなく、幅広く通用する強みを得るチャンスが生まれるからです。
すてに35歳を過ぎている人でも、変化を受け入れたり、新たな分野に挑戦することができるならいつでもチャンスは広がっています。最も大切なのは「挑戦しないことが最大のリスクを生む時代である」ということを認識することです。