【忍殺二次創作】アイ・アム・ザ・ボーン・オブ・マイ・カタナ#5
「ドーモ。ライスフィールドです」ガスマスクメンポのニンジャは、アイサツを終えるとキリングオーラを膨らませた。「ドーモ。エストックです」「ブレイドボーグです」「ミートチョッパーです」
「そういや、リアルに会うのッてハジメマシテか」ドッグマウンドはカラテを構えながら、暢気に放言した。「混沌の御子の聖遺物を盗んだのは、こやつらに相違ないか」ライスフィールドは、彼を無視して質問した。
「アア。間違いない」「さっきからよ、テメエら、オレが盗んだみてえ言ッてけどよ……」ミートチョッパーは、彼らの言葉に反駁した。「オラァ、タントは拾っただけ。せめて、収得者に1割くれよォ!イヤーッ!」ヤッパ・スリケン射出!
「イヤーッ!」ドッグマウンドは、スリケンを掴み投げ返す!それを合図に、ニンジャ達は各々戦闘開始!「イイイヤアアア!」ライスフィールドは、不気味なオーラを放ち加速!「イヤーッ!」ブレイドボーグが、左手の電磁ネットを発射迎撃!
「イヤーッ!」ライスフィールドは、手首から毒々しい枝を伸ばし、投網を絡め取る!「イヤーッ!」エストックが、側面から十字鍔プラズマカタナで刺突!「イヤーッ!」ライスフィールドは、植物を切り離し、クロス腕ガード!
エストックのネオンプラズマ刃が、敵ニンジャの腕を切り裂く刹那、その腕が奇怪な幹と化した!「イヤーッ!」「グワーッ!」ライスフィールドは、KATANAニンジャの後ろを取っていた!フシギ!
一方、ミートチョッパーとドッグマウンドは、互いのヤッパと爪で数合斬り結んでいた!「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」
ゴジュッポ・ヒャッポ……否、(コイツ、手加減してやがる……)ミートチョッパーは、スラッシャーとしてそれなりのビズをこなしてきた。彼には理解できた、このニンジャはまだ全力を出していない。(なら、全力出す前にヤッチマエだ!)
「ヒサツ・ワザ!」ミートチョッパーは、空中に飛び上がり、脊椎や四肢の骨に沿ったヤッパを展開し、回転を開始!ジゴクにて亡者を轢き潰すヘルホイールの如く、回転の度に加速する大車輪がドッグマウンドに迫る!
「フフフ……エモノで遊ぶのがダメなとこなンだよネ……」ドッグマウンドは、ネコ科じみた虹彩から、イヌめいて真っ黒に染まる瞳に変じた。「そろそろ、片付けないとネ……まだ4匹残ってるからさァ!イヤーッ!」
獣人ニンジャの毛が逆立ち、犬牙が異常に伸びる。「イイヤアアア!」ギュルギュルと回転する殺戮大車輪が、着弾までコンマ数秒の所まで到達!「……グワーッ!?」その絶叫は、全身のヤッパを折られ倒れ伏すミートチョッパーのものであった!
あなたにニンジャ動体視力があれば、この時何が起こったかが理解できたであろう。高速回転するミートチョッパーに対し、ドッグマウンドはクロスした両手の爪で挟み込むようにして、コンマ一秒程度押し止めた。
その一瞬の減速に、鋭利な牙を差し込み、ヤッパを丁寧に処理したのだ。ダイヤモンドであっても、同程度の硬度の物に回転中の側面に差し込まれれば、ポッキリと折れるようなものだ。恐ろしきは、ドッグマウンドの技量と状況判断力であった!
「グワーッ!」「ヒヒヒ……すぐ、楽にしてあげるからネ!」ドッグマウンドの爪が、ミートチョッパーの喉元に迫る!「イヤーッ!」しかし、「イヤーッ!」そのカイシャクを遮る者がいた!
「また、オッサンか……シツコイ!」「ヌウッ」斬り結んだ二者が、タタミ三枚分の距離に離れる。エッジバウンサーは、敵ニンジャを真正面から睨む。「俺が相手だ……!」「威勢だけで、勝てるかな?」ドッグマウンドの目が、嘲るように細まった。
次の一撃で決まる……両者の間にヒサツの読み合いが生じた。それは現実時間では微々たるものだが、極度集中により生じた泥めいた体感時間はある種永遠に等しかった。
「GRRRRR……」「……」ドッグマウンドは、犬歯を剥き出し、凶悪な形相に獣性を全開にした。エッジバウンサーは、折れかかった腕を強いて、イアイ姿勢を保った。「……イ」「……イ」「「イヤーッ!」」ニンジャ達は、それぞれの場所に入れ替わる様に立っていた。
カタナの鋒が、地面にコトンと落ちた。「グワーッ!」エッジバウンサーは、両腕から血が噴出!「……実際強かったよ……まあ、二人ともアノ」ドッグマウンドは、勝ち誇り口を開く。「……ヨ?」まず、牙に切れ目が現れ、次に上下の顎を分断する赤い線が見え、鮮血が上顎から上をロケットめいて切り離した。
「……ダウンスロープ」「……サヨナラ!」エッジバウンサーが、膝をつき息を吐くと同時に、ドッグマウンドの顎から下が爆発四散した。
「イヤーッ!」「イヤーッ!」ストリートのもう片方で、エストックのプラズマ刃とライスフィールドの歪な枝がぶつかり合う!「イヤーッ!」ブレイドボーグが、背後から最後の電磁ネットを投射する!
「キカンワ!」ライスフィールドの背中から、尻尾のような枝が伸び、投網を絡み取ろうとする。「イヤーッ!」ブレイドボーグはネットにカラテを込める、すると白刃の網へと変じる!「グワーッ!」ガスマスクメンポのニンジャは、枝ごと切り裂かれる!
「死ねい!イヤーッ!」「アバーッ!」エストックは、隙を見逃さずその首をはねた!ナムアミダブツ!しかし、「ム?何かおかしいぞ…」KATANAのニンジャは、手応えの無さに訝しんだ。
「……」首無しのライスフィールドの胴体が、ヨタヨタと進む。その断面からは、一滴も血が流れなかった。代わりに……「蔓だと!?」ブレイドボーグはその目を疑った。首無し死体は、断面を不気味な緑の植物で覆って、まだ動いている!コワイ!
「アバー……オマエタチ……ノガサン……」ニンジャの生首は、ガスマスクのゴーグルやキャニスターから、毒々しい緑の蔓を出し蠢いた。「グワーッ!」店の方から、悲鳴が聞こえる。エストック、ブレイドボーグ、エッジバウンサーが振り返った。
「アバー……」「アバー……」死んだはずのヨタケモノ達が、負傷したソードスミスを引きずり、サルーンからフラフラと姿を表した。「ソードスミス=サン!?」ブレイドボーグが、思わず叫び声をあげた。
「アバー……コノストリート」生首から生気のない声が漏れ出た。「スデニ……ワタシ」「フーリンカザンダ……」同じ声が、ヨタケモノのズンビーから聞こえた。
続く