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認知症や要介護になっても幸せに生きる方法を考える

健康なうちに突然死しない限り、人生の後半には医療や介護が必要になる。健康寿命を延ばすことが不健康期間を短くすることにはあまり貢献していない。認知症や要介護になっても幸せに生きる方法を考えることが重要。

こちらは、2025年1月18日に千葉市で開催された市民公開講座での佐々木淳先生の講演に参加し、備忘録を兼ねてこちらにまとめたものです。
もし不適切と判断した場合は直ちに公開を取りやめます。あらかじめご了承ください。


1. 老化と健康寿命

  • 人間の体の機能は20代から30代がピークで、その後は徐々に低下し、80代から100歳で亡くなることが一般的。老衰で亡くなる人は5%程度で、突然死は15%程度。多くの人は病気や障害と共に生き、医療や介護が必要になる。健康寿命を延ばす努力が重要だが、老化は避けられない現実。

  • 高齢になると要介護状態や認知症になる可能性が高く、特に95歳を過ぎると認知症になる確率が高い。老化は避けられないため、認知症や要介護になっても幸せに生きる方法を考えることが重要。老化は治療できないため、どこまでが病気でどこからが老化かを考える必要がある。

2. 高齢者の医療と社会的つながり

  • 老化と病気の線引きが重要で、社会とのつながりが人生の質に影響する。高齢者は社会的つながりを失いやすく、医療は身体だけでなく人生全体を支えるべき。人生会議を通じて家族間の理解を深めることが大切。

  • 高齢者の救急搬送が増加しており、特に軽症の搬送が多い。世帯構成の変化や地域医療の提供体制が追いついていないことが原因。高齢者の医療依存度が高く、地域医療の改善が必要。

3. 高齢者医療と在宅療養

  • 日本の医療費の約半分は70歳以上の高齢者が使用しており、特に入院費用が高い。高齢者の入院原因は脳梗塞やガンが多いが、85歳を超えると肺炎や骨折が主な原因となる。入院は高齢者にとってリスクがあり、身体機能や認知機能の低下を招く可能性がある。

  • 多くの高齢者は自宅で最期を迎えたいと考えているが、実際には7割が病院で亡くなっている。孤独死も問題で、特に大都市部では警察による死体検案が多い。

  • 在宅療養は高齢者が自宅で過ごすことを支援し、入院や急変を防ぐための重要な方法である。医師や看護師が定期的に訪問し、健康管理を行う。

  • 高齢者は多くの薬を服用しており、副作用のリスクが高い。薬の数を減らし、全体的な健康を考慮した治療が必要である。

  • 在宅医療は地域の救急医療施設の負担を軽減し、迅速な医療提供を可能にする。患者の急変時には迅速に対応し、必要に応じて入院を手配する。

4. 在宅医療と人生の最終段階における意思決定

  • スマートフォンと超音波検査のプローブを使って自宅で診断が可能になり、急変の約90%が自宅で診断できる。肺炎の治療も自宅で行うことが多く、患者は入院せずに回復することができる。

  • 在宅医療は高齢者だけでなく、がんの終末期患者にも提供され、痛みの管理も自宅で可能。これにより患者は安心して自宅で暮らせる。

  • 在宅ケアの体制は医者だけでなく、看護師やヘルパーなど多くの専門職が関与し、健康保険と介護保険を利用して支えられている。

  • 日本は高齢者ケアの仕組みが整っており、在宅医療と介護が安価で利用できるが、多くの人が病院で亡くなるのは意思表示がされていないため。

  • 人生の最終段階での意思決定は難しいが、治療の有無が寿命に大きく影響しない場合、自分の望む生き方を選ぶことができる。

  • 人生の最終段階は、生活の支配権を取り戻す素晴らしい時期であり、個々の人生の形に合わせた選択が重要。

5. 高齢者医療と終末期ケアにおける自己決定と共同意思決定の重要性

  • 高齢者の穏やかな死に方とその予測について。突然の死に備え、かかりつけ医と連携し、適切な対応を準備することが重要。

  • がん患者の在宅ケアの重要性。歩けなくなったら在宅での生活準備を整える必要がある。

  • 心臓や肺の病気を持つ人の最期の迎え方。病院に行かない選択肢を考えることが重要。

  • 延命治療の選択について。本人の意向を尊重し、家族と話し合いながら最適な選択をする。

  • 自己決定の重要性と限界。正しい情報に基づいた決定が必要。

  • 誤った情報に基づく自己決定の危険性。信頼できる医師と相談し、共同意思決定を行う。

  • 人生会議の重要性。価値観や優先順位を家族と共有し、意思表示ができない場合に備える。

  • 延命治療に対する価値観の多様性。個人の価値観を尊重し、家族と医師が協力して決定する。

  • 人生の下山ルートを考える。最適な準備をし、どこに着地するかを決めるプロセス。

6. 人生の選択と最後までどう生きるか

  • 人生の選択はその時々で変わるもので、事前に決めることに抵抗がある。日本の文化では集団式決定や意思に転身が重要だが、核家族化で難しくなっている。最後までどう生きるかを考え、介護の準備をすることが大切。

  • 死に方は選べないが、最後までどう生きるかは選べる。人生に執着し、家族に生き様を見せることが重要である。死後も家族の心の中で生き続けることができる。

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