本を読めないことより重大な問題がある
◆読書なんてできなくていい
・・・と、いきなりチャレンジャーな小見出しですが(笑)
最近の子どもは読書をしない、文章を読むことができないという話を耳にします。たしかにそう思います。思いますが…正直、本という情報伝達ツール自体が少々オールドメディア化しているわけですから、そりゃ読まなくなりますよ。
現に、私の家の近所のTSUTAYAはなくなりました。私が今の家に住み始めたおよそ20年ほど前、近所に書店が2,3件あった記憶があります。いまは一軒もありません。大型モールの中にあるテナント書店しかありません。
本が身近な大衆メディアとして機能しなくなりつつあるのです。
そんな時代の変化の中で、というかその変化すらも知らず、生まれてこの方ロードサイドに書店など見たこともないような子どもたちが、いまさら本を読めと言われて読むでしょうか?
しかし、入試問題には読解問題が山ほど出てきます。
じゃあ本をたくさん読まなきゃ!となりそうですが、実はそこに必要な能力は必ずしも読書の力ではないのです。
◆資料の読み取りができますか
ではどんな力が求められるかと言えば、長々と書かれている文章という情報の中から、必要なアイテムを探し出してくる力です。
文章というのは、読み物である以上、言葉に見栄えの良い装飾がついていたり、同じことを繰り返して説得力を増そうと努力しています。作者はある意味”芸術”や”作品”として相手に読ませたいのです。
小節や物語を鑑賞し楽しむなら、その装飾が楽しいわけです。
しかし、資料から有効なアイテムを見つけるだけなら、そんな飾りつけは情報処理の邪魔なのです。
一刻も早く無駄な情報を削り取り、必要な情報だけ浮き上がらせないといけない。情報処理能力こそが、読解に必要なのです。
書を読む(読書)ではなく、読み解く(読解)です。
例えば社会科の問題では、資料問題が増えています。
歴史の資料、地理の統計資料などがそれにあたります。
英語の問題にも資料や案内図などが多用されます。
数学や理科も図表や図形、グラフなどがたくさん登場します。
これら与えられた資料が、すべて読解を要するものです。
何を伝える資料なのか、そのメッセージを受け取る力が必要ですね。
◆短時間で学べるものは学んでしまえ
今の子どもたちはテレビや本やマンガよりも、YouTubeなどの動画サイトに釘付けだったりしますね。
まあたしかに宿題の邪魔ではありますが、そのかわりそういう様々なメディアから情報を拾って拡散する力には長けています。
それをすべて容認するわけではありませんが、そういう環境下にあるという事実は事実です。
正直、今の時代において一から十まで先生の授業を聞いて学んだり、教科書を読んで覚えるという学習は非効率だと言っても過言ではありません。(軽視しているわけではないですが)
しかし、明らかに3か月で学べるものを12か月かけてダラダラやっていて、その長期間がゆえに、間延びした退屈な情報収集にだんだん飽きが来てしまうというのが、今の子どもたちなのではないでしょうか。
旧式人間とは時間の体感速度が違うのです。
タイムパフォーマンスは非常に重要な要素となっています。
かといって、タイパばかり追求していい加減な学習をさせるわけにもいかないし、じっくり考えて答えを出す段階も必要です。
そのメリハリを教えて、ある程度コントロールしてあげるのが、指導者の役割だと思います。ネットやメディアが発達した現代において、いつまでも人間がダラダラ読み聞かせる時代は終わっているんじゃないでしょうかね。
名学館 庄内通校 おや塾オンライン
家庭学習問題研究会(いえもん)
塾長 白藤 和成
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【名学館 庄内通校とは】
名古屋市西区の大学受験・高校受験専門 個別指導塾 名学館 庄内通校の塾長、白藤和成です。2005年9月に開校以来現在まで600名を超える若者たちと学習に励み、保護者の方からの学習・子育て相談を数えきれないくらい経験してきました。
そこから私が学んできた様々なノウハウ、知識などを皆様に還元できればと思っています。