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謙虚な気持ちが大事

 人間にとって最も大切なのは、謙虚な気持ちである。自己アピールが大事だ、反省なんかするな、とにかく前進だ、という考え方が一昔前に流行ったが、信じた者は全員心を病んでいる。

 謙虚さを失えば心を病む。自らを省みることが大事なのだ。

 謙虚さの中心にあるのは、自分の本当の気持ちに気づくこと。

 人間は、体壁系と内臓系からなる。脳神経は体壁系に属する。本当の気持ちは、内臓系に宿っている。脳=理屈に従うと道を間違える。内臓系、すなわち、心(心臓)、肚(腸)に従うとき、うまくいく。

 謙虚さとは、体壁系に属する脳が、心(心臓)、肚(腸)に従うこと。

 脳は、自分が王様だと錯覚しがちだが、本当の王は、内臓系なのだ。

 昔の人は、自然に近いところで生きていたから、この辺のことをよく分かっていて、謙虚さが大事だとよく分かっていた。そして実際、多くの人は、謙虚な気持ちで生きた。だから、多くの人は、幸せだった。

 私の祖母は、霊的な存在が見える特殊な人で、かつ、優秀な助産婦として大活躍した人だったが、子どもだった私に、謙虚な気持ちが大切なんだよと、直接教えてくれた。なぜそうなったかというと、私の母は、愚かで、新興宗教の影響をもろに受けて、謙虚さを毛嫌いするタイプの人だったからである。本当に恥ずかしい思いがする。

 晩年、痴呆症になった祖母を、母は虐めた。はっきり言っておくが、私はそのことを知っている。だが、そのことで母を問い詰めたことはない。祖母は施設に入所したが、それでも介護はいろいろ大変だし、父は酒を飲むクズで役に立たないから、母が全部いろいろやっていたから。それにわたしもそのころは心を深く病んでいて、引きこもっていたし。

 でも、祖母は、母の暴言はすべて許し、母に感謝していたと思う。


 
 


 


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