(全編無料)環境デッキと見る遊戯王マスターデュエルの歴史 8月上旬~8月下旬編ー第一回デュエリストカップ開幕!!ー
はじめましての方ははじめまして。
第4回となる遊戯王MDの歴史は8月をお送りします。
リミットレギュレーション改訂は…今回の範囲ではありません。
ネタばれすると月末ですが今回の範囲からははずしました。
そして今では恒例のあのイベントもついにスタート!!
例によって、何かありましたらコメントを下さるとうれしいです。
新パック実装
毎月恒例となった新規パック、今月もしっかりと実装されました。
今回の追加は1パック!!しかし、結構重要なパックでもあります。
インヴィンシブル・レイドです。このパックではDD・極星といった既存テーマの新規もありましたが、やはり注目を集めたのは新規実装された新規テーマでしょう。
ビートルーパー:昆虫族で構成された融合・リンクテーマです。なんと、TCGで作られたテーマながら、OCGよりも早く実装されました。もともと展開力が高い種族である昆虫故に横展開によるリンクとも相性がよく、テーマカードに縛られず昆虫族という幅広い面でも戦えるため一部昆虫族テーマにとっても有用な新規となりました。
ダイノルフィア:恐竜族を中心としたテーマですが、デッキの中核となるのが罠カードという独特な融合テーマです。また自前でどんどんライフを減らしてそれを戦略とするために神の宣告等のカードとも相性が良いです。モンスターもいますが、罠中心の罠テーマ故に伏せによる相手へのけん制にも優れ、前妨害のみに依存しないという強さもあります。
このパックでは、やはりOCG化も決定していたビートルーパーの先行実装に多くのOCGプレイヤーが歓喜しました。MD自体が紙環境の後追いと言われていたので、あえて紙で存在しなかったテーマを先行実装したのは英断だと思います。ダイノルフィアも人気のテーマでしたが、まだ一部強力なカードが実装されておらず、先攻を取っても盤面への圧力が少ない上にデッキ融合を止められるとライフ消費のせいで途端に不利になりやすい弱点もありました。ただ、イラストやテーマの独自性から人気は高く、使用者もかなりいました。
第一回デュエリストカップ開催
今月のフェスは従来の特殊な環境下でのデュエルとは違い、いわばランクマの延長戦と言えるものでした。以降、デュエリストカップ(以下DCと略す)はMDの定番フェスとなります。デュエリストレベル(DLv)を上げて行くという完全なガチバトルです。以下にDCの特徴をまとめます。
開始DLvは前シーズンのランクマの到達ランクで上下する。
一定レベルに達するとそれ以下には落ちない保証ラインがある。
DLvが最大値の20に達すると、DC終盤に3日ほど開催される2ndステージに参加できる。
2ndステージでは、勝敗によってポイントが増減し、上位入賞者にはアイテム等が与えられる。
レギュレーションはランクマと変更なし。追加規制等もなし。
フェス主流デッキ
通常のフェスと違い、DCはレギュレーション含め通常のランクマと変わりはないため、フェス環境デッキはランクマとほぼ同等と言えます。
ですので、DCの環境考察は後半のランクマの環境考察で行います。
デュエリストカップ総評・所見
初めてのガチバトルフェスということで、日頃からランクマなどに勤しんでいた層にはランクマの延長戦という感じで評価を受けていました。
ただ、日頃からガチデュエルではなく楽しいデュエルなどを望むカジュアル層にとっては、はっきり言って苦痛と呼べるフェスだと言えるでしょう。
今までのフェスではなんだかんだランクマとは違った楽しみを見出すことができましたが、DCではランクマと同じレギュであり、勝たないとレベルは上がらないし報酬も勿論もらえません。最低保証があるとはいえ、報酬を得ようと思ったらカジュアルデッキではなかなか苦しいものがあります。
結局のところ良くも悪くもランクマの延長戦であり、ランクマ環境の悪いところもそのまま出るということでもあります。それはつまり環境が健全であればDCも健全になるが、逆もしかりで環境が荒れていればDC環境も必然的に荒れるということです。
特に先月勇者系統が実装され、一部規制を受けたとはいえそれでもランクマ環境を見ていればどうなっているかは一目瞭然でした。はっきりいって先攻有利が度を過ぎていたりと、このころのランクマ環境が既に勇者D出張まみれと言われていました。
せめてそのあたりを是正するなりしてDCを行うならともかく、荒れている状態の環境でガチデュエルを半ば強要するという姿勢に一部デュエリストが否定的な感情を持ったのは想像に難くありません。
勇者関連で荒れている環境を特に整えもせずDCを行ったことから、一部デュエリストは「運営はDCでテストプレイをしているのでは」などという噂もささやかれたりしました。実際、この後も強力なテーマなどが実装された月か翌月にDCが行われることが多く、実装されて2ヶ月はリミットレギュレーションなどでの直接的な規制は行われない(通称:セレパバリア)ため、DCテストプレイ説もあながち冗談じゃないだろという会話もいまだにあります。
ランクマが嫌いな層にとってはデイリー消化のためのランクマ以上に数をこなさなければいけないDCはなかなか苦痛で、総じてカジュアル層には正直あまり受けのいいフェスとは言えないでしょう。
8月ランクマ・DC環境考察
今回はリミットレギュレーションの改訂はありませんが、DCが開催され多くのユーザーが環境デッキに使う意味でも対面する意味でも今まで以上に触れた月と言えます。
新規テーマの環境での立ち位置
今回リミットレギュレーション自体の変更はなかったので、まずは新規で実装されたテーマについて環境でどうだったかをまとめます。
ビートルーパー:昆虫族自体は実は割と優遇されているテーマで、ビートルーパー実装以前も元環境デッキのインゼクターなどの横展開できるテーマを持っていました。そこにビートルーパーが実装されたことで、昆虫族という幅広い面で展開力を強化することができました。テーマではなく種族単位での強化はテーマの枠を超えて効果を活用できるためかなり便利です。特に上振れた場合は最強クラスの手札誘発である増殖するGをサーチできるのは昆虫族テーマの大きな利点と言えるでしょう。
しかし、環境的に見ると昆虫族というテーマ自体があまり先攻制圧的な効果を持っていないのが災いしました。途中で昆虫族縛り等が発生しやすいため、昆虫族のEXなどで制圧盤面を創りたいところですが、昆虫族EXは数も少なく制圧に優れているわけではないため、どうしても他の展開デッキと比べて妨害数は見劣りします。特に今環境は勇者D出張最盛期であり、勇者Dというサブプランを止めてもメインギミックがあったりと1妨害程度では止まらないことが多かったのです。EXが弱いために増G受けが良くないのもあり、妥協した場合の着地点が強くありませんでした。
そのため、ビートルーパーを使うなら展開系の強みを活かしたいけれど、最終盤面や縛り、環境で主流であった勇者D出張を考えると他の展開デッキの方がいいかと判断されてしまいました。
ただ、この時期のビートルーパーの最大の利点は「わからん殺し」と呼ばれる、訳せば新規テーマ故に相手のビートルーパーに対するデッキ理解が浅く、マストカウンターなどのとめどころがまだわかってないためにプレミやガバを誘発しやすいということでした。ダイノルフィア:罠でデッキ融合できるため、実質1枚初動を持っているテーマですが、やはり弱点が多いのが響きました。
1つ目がデッキ融合を止められると途端に不利になる点です。融合モンスターを出してなんぼのところがあるのに、デッキ融合を持つゆえにうららにひっかかってしまうのが致命的でした。
2つ目が制圧力が初手に大きく左右されやすいことです。このころは強力な制圧能力を持つダイノルフィアカードがまだ実装されておらず、いくつ妨害を置けるかは初手にどれだけ罠を引けるかに掛かっていました。先攻を取っても罠テーマ故に妨害を複数置けるわけではないため、神の宣告がない状態でのライストや羽根はまさに致命的です。
3つ目が自身のライフカット速度が速すぎることです。LP半減を連打するため一瞬でライフが3桁まで減ることも珍しくないのですが、レクスタームすらいないため永続妨害もなく、ライフが減りすぎてロングゲームに支障が出ることもありました。加えて相剣が環境にいたのも逆風でした。相剣はバーン効果持ちが多いため、減ったライフをバーンで焼かれるなんてこともありました。
総じてまだ環境に抗えるテーマとはこのころは言えず、罠デッキ故に先攻制圧されるとかなり辛いものがありました。加えて出張パーツのデスフェニがバックを破壊しまくるため、デスフェニが着地したら罠デッキは最後ジリ貧になるという環境の流れも辛かったと言えるでしょう。
環境トップ考察・所見
前述の通り新規テーマ自体は環境に大きな影響を及ぼせるほどのパワーは現状高いとは言えず、環境トップ自体は先月とほぼ変わらなかったといえるでしょう。ですので、詳しくは先月の環境トップ考察ページを見てください。
ただ、比率としてはエルドリッチ対面が他のデッキより比較的多かったと感じるプレイヤーもいたと思います。
環境自体は先月と変わらず勇者D出張を中心とした妨害多めの環境で、うらら1枚では止まらないテーマが多かったです。加えてメタ要素も環境デッキでいまいち定め辛く、手札誘発の枚数やそもそもなんの手札誘発を入れるかかなり迷う環境でした。
そういう環境ではどのデッキにも刺さりやすいメタを入れようとするデュエリストが増えるのは当然と言えるのです。
エルドリッチはやはりそういう幅広くささるメタ、特にスキドレやサモリミ・センサーなどの強力なメタ効果を持つ永続罠を採用できるのが強みと言えるでしょう。特に現代遊戯王でモンスター効果を使わないテーマはかなり少なく、強力故に自身にも刺さってしまうために採用できないスキルドレインを強く使えるのはまさにエルドリッチ最大の利点です。
特にこのころはデスフェニがバックを破壊しまくるせいでバック妨害の価値は相対的に薄れていたため、必然的に勇者D含め前妨害を置くデッキが多かったです。前妨害を置くデッキに確実にささるスキドレはまさに相性のいいメタだったと言えるでしょう。一回使い切りである手札誘発と違い、永続罠故に永続的に妨害効果をおけるというのも強力で、引けさえすればあらゆるデッキに優位を取れる可能性があるデッキとも言えます。そういう点では、エルドリッチないし永続罠で妨害を置ける罠デッキは強力と言えます。
加えてエルドリッチはプレイングもかなり簡単な部類であり、多少雑に扱っても永続罠のカードパワーで勝ちをさらえるのも強みです。
ただ、エルドリッチ以外の罠デッキは、永続罠、特にスキドレやサモリミを採用しづらい点もあり、結局デスフェニにかなり不利なままでしたので、あまりシェアは増えませんでした。
そしてそのエルドリッチ自体も罠ビの性質上手札誘発は少ないため先攻制圧系に先攻を取られて蓋をされた場合は不利になりやすく、加えて妨害の質は初手で何の罠を引けるかでほぼ決まるため、上述のようにあらゆるデッキにささるメタとは言いながらも環境トップ層には入ることができませんでした。
おわりに
初のデュエリストカップが開催され、今まで緩いエンジョイ系のフェスばかりだったMDがガチ系統のフェスもやるのだと周知された月でした。
DCにランク戦でありながらランクマとはちょっと違った雰囲気に楽しみを見出すユーザーがいる一方、あくまでエンジョイして楽しみたいユーザーには受けが悪いと、今月のフェスは感想が完全に二分する結果となりました。
勇者D出張が暴れている中でのガチフェスはなんとも言い難いストレスがたまりやすいもので、何のための手札誘発なのか、何のための妨害札なのかというところを多くのユーザーが考えることとなりました。
ビートルーパーというOCG勢すらわからないテーマを実装して環境に刺激を与えたのは面白い試みだと評価するユーザーがいる一方、勇者Dに対するメタ要素を持ったテーマではなかったため結局勇者Dに散ることとなったのは、なんとも言えない結果でした。
せめて勇者Dのメタとなるカードが実装されたなら、既存テーマに強い勇者と勇者Dに強い勇者メタ、勇者メタに強い既存テーマと三竦みのにらみ合いの中でメタゲームとしてのメタの読み合いが生まれていたかもしれません。しかし残念ながらそうはなりませんでした。
出張要素が出張る環境は荒れやすいと言われますが、勇者D環境はまさにその通りでした。勇者D出張の強さは既にOCGで周知されており、その対策・規制の甘さを露呈した状態でやるフェスではなかったという意見が多かったです。
おまけ
前回投稿からかなり時間があいてすみません。にゃんこと戦っていました。
例によって有料区間にはうちのぬこの写真1枚以外何も記載はありません。
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ぬこのおやつ代になります(ΦωΦ)
友達?にゃんこ(野良)と網戸越しで会話を試みるも無視されるうちのにゃんさんの写真です。
友にゃんは顔立ちからしてメスっぽいですね。
ちなみに、雄猫は顔が横にぽちゃっとしていて、雌猫はスラットした顔立ちらしいです。
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