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IT経験を持たない中小企業診断修得者と、彼のITストラテジスト試験の年⑦午後Ⅱ後編

この記事は、ITストラテジスト受験生のうち、非ITガチ勢かつ中小企業診断士の勉強をしたことがある人に向け、同じ境遇だった私個人の体験談を語るシリーズのうちの第7弾、午後Ⅱ編の後編です。


前回は書き方編でしたが、今回はネタこねこね編です。トップ画はAIさんが作った「ネタをこねるITストラテジスト」。
ST午後Ⅱでは試験本番の現場対応も大事ですが、事前のネタ準備もめっさくそ大事です。

何を準備すればいいのか

何回アフィリエイトリンク貼るねんという感じですが、この本の後半に載ってる論文集が参考になります。そもそもどんなテイストなのか、雰囲気をつかむのにいいと思います。
(ただこの論文集、「問題の趣旨」を必ずしも踏まえてはいないです。そのへんは、まあ、、、)

最低限、次の内容は必要になってくると思います。
・どんな会社なのか(従業員数、事業内容、売上高とか)
・どんな事業特性なのか(収益構造とか外部環境とか)
・どんな経営課題があるのか
・どんなシステムを使っているor導入するのか
・投資効果はいくらか(金額以外も含めて)
・経営層はどんな反応をするのか
・投資額はいくらか、どんなシステム構成か、サーバは何台か(概要書対策。わからなかったら詳しい人に訊こう

私は最初から完璧なネタなんて到底作れなかったので、過去問やりながらブラッシュアップしていきました。

ネタを何本用意すればいいのかという話があると思いますが、最初はまず1本でいいと思います。
過去問やってるうちに1本だけじゃどうしても対応できない問題が出てくるので、そこに対応するためにまたネタを追加するor修正するという感じで進めて、試験までに複数本用意できればよさげです。
ただ、何本も何本も用意して初見の問題に対応できるレベルに深化するのはさすがに難しいと思うので、2~3本が目安ではないでしょうか。
その2~3本でなるべく多くの論点をカバーできるようにしておくといいと思います。

そして、その「論点」についてですが、「論点」とは売上向上(攻めのDX)とコストカット(守りのDX)という切り口に加え、DXとかIoTとかBCPとかAIとかクラウドサービスとかのIT関係のナウい(?)言葉も含みます。
設問でいきなり問われたときに対応できるよう、頭の体操をしておきましょう。

ちなみに私はネタを2本用意してました。ホテル業界での売上向上策と、不動産業界での業務効率化(コストカット)でした。
新サービスとか新規顧客獲得とかそういう問題なら前者を、コストカットとかBCPとかそういう問題なら後者を使うつもりでした。
令和5年度の問2で出たセキュリティとかは無理ゲーだったので、問1にホテル業界のネタで対応しました。

ネタをこねるにあたって気をつけた方がいいかなと思うのは、次のような感じ。

・ある程度馴染みのある業界の話にする
何回も言ってすみませんが、試験本番でアドリブはほぼ確実に必要になります。
そして、予想外の角度から問われたときに、事前準備したネタ以外なーんにも知らない業界よりは、そりゃある程度知ってる業界の方がアドリブしやすいですよね。

・複雑にならないよう、論旨はシンプルに
書くと大変ですが、読んでみると3,000文字は短いです。そんなにあれもこれもは書けません。
複数の課題を同時並行で論述していくのは書きにくい&読みにくいので、ひとつバーンと課題を提示して、それを解決していく流れが書きやすいと思います。

・「既存のパッケージソフトを導入する」みたいな話は書きにくい
選定過程とかをいろいろ書くならいいですが、過去問等からなんかそういうのは望まれてない感じがひしひしと。。。

・ディテールまで考えておく
論文に書く部分でいうと、損益計算書は作っちゃった方が楽でした。持って回った言い方で具体的な金額への言及を避けるくらいなら、書いちゃうようにしてました。
売上が年間どれくらいで、原価率がどれくらいで、人件費がいくら(平均賃金×社員数)で販管費がいくらで、投資したらどの数字がどれだけ増えるか。
論文に書かない部分も、自分自身がイメージしやすいように、立地とかは決めてました。都道府県とか。それをやると周辺の人口が何人とかがわかるので、ネタを考えるのに便利でした。
ちなみに私は、論文内に登場する人物を実在の俳優さんでキャスティングしてました。楽しかったですが、ここまではぜってー要らない。

ネタ元候補

自分の経験

あたりめーだと思われるかもしれませんが、まずは棚卸されるのがよいと思います。
私の場合、会計システムの更新くらいしかそれっぽい経験がありませんでした。が、直接的な持ちネタはないにしても、「自分ってこういう業界経験したよな」とか「あのときあの人ああいうことで困ってたよな」とか考えることが、自分の経験業界でのネタ作りにつながりました。

DX銘柄・DXセレクション(経済産業省)

デジタルトランスフォーメーション銘柄(DX銘柄) (METI/経済産業省)

DXセレクション(中堅・中小企業等のDX優良事例選定) (METI/経済産業省)

DX銘柄が上場企業、DXセレクションが中小企業です。中小企業の方が論文は書きやすいかな?

DX白書(IPA)

事例なんかも載ってるのでご参考に。

中小企業診断士2次試験与件文

STの先輩に伺ったことがあります。事例Ⅲとかは書きやすいんじゃないでしょうか。

どっかのIT系製品・サービスの導入事例

IT系の製品やサービスのHPを見ると、いろんな会社の導入事例が載ってますよね。あれ、意外と参考になります。
こうこうこういう課題があって、そこに○○っていうサービスを入れたらこの数字がこれだけ改善してこんなふうに解決しました~~!!みたいな。
ちなみに私が本番で書いたのもこのパターンです。

ただ、そのまま使うと「既存の製品を導入しました」ってだけの話になっちゃうので、自分なりのアレンジはマストかと思います。。。

どっかの会社のプレスリリース

前項と似たような話ですが、知らない人に伝えるために書かれた文章なのでわかりやすいと思います。
ただしこれもアレンジは必須。


次回は完結編。私が開示請求した令和5年度の本番答案とその振り返りを書きます。
年内に終わらなかった。。。

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