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いちばん恥ずかしかった思い出
人生も長くなると、恥ずかしいことがいっぱい。
恥ずかしいことがあると、なんで防げなかったんだと悔しくなるときもある。
でも、それすらも考えられないほど恥ずかしかった思い出がある。
24歳のとき。
春から夏へ向かう、爽やかな季節。
近所のスーパーへ買い物に行こうと自転車で出かけた。
そんなに遠くないし、普段着で。
上はパーカーだったかな。下は茶色に小花プリントのロングスカート。
シフォンのような柔らかな素材で、プリーツが入っていた、当時のお気に入り。
スーパーへの道は、その街では割と広い道路が続き、交通量も多い方だった。
自転車の運転は得意じゃなかったけど、風を感じながら何を買おうかと、ちょっとスピードを出して向かっていた。
急に自転車が止まった。
少し前のめりになる感じで。
びっくりした。ブレーキもかけていないのに。
何が起きたのか、すぐにはわからなかった。
自転車から降りようとして、違和感を覚えた。
思うように体が動かない。
全てを把握したときには、穴があったら入りたい、というか消えてしまいたくなった。泣くに泣けない状況だった。
スカートの裾の半分ほどが、後輪に巻き込まれていた。
そのため、体が自転車に縛り付けられている感覚。
そして、スカートが引っ張られて、パンツ丸出し状態。
あー、なんということでしょう。
自転車を支えながら、巻き付いたスカートを一生懸命に後輪から外そうとしても、きつく巻き付いていて、なかなか外れない。
スカートを脱ぐしかないのか。切ってしまうか。
焦りまくっている私の脇を、たくさんの車が過ぎていく。
「コイツなにやってんだ。アタマおかしいんじゃないか。」
きっとそう思われているに違いない。
地獄だ。誰か助けてー。
パンツ丸出しのまま右往左往し、自転車とどれくらい格闘していたのかは記憶にない。
最後は、スカートを千切った。
ウエストのボタンも飛んで、無くなっていたけど、残骸を巻いて猛スピードで帰った。
ひらひらの長いスカートで自転車に乗るときは、気をつけよう。
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