2021年第3四半期決算シーズンの現在までの振り返り(2021/11/5)
本記事はFactSetの記事を参考に作成しております。
⇒「S&P 500 EARNINGS SEASON UPDATE: NOVEMBER 5, 2021」
現時点までにS&P500を構成する企業の89%が2021年第3四半期の決算を発表しました。
このうち、81%の企業が市場予想EPSを上回りました。(過去5年平均:76%)
その上回り幅(サプライズ)は平均で10.3%でした。(過去5年平均:8.4%)
最終的に81%の企業がEPSで市場予想を上回ったとすると、FactSetがトラッキングを開始して以来、4番目に高い記録になります。
これまでに発表されたEPSの実績とこれから発表されるEPS予想を合わせた2021年第3四半期のEPS成長率は39.1%と現時点で予想されています。
先週時点では36.5%で、9/30時点では27.4%と予想されていました。
EPSのポジティブ・サプライズは、ヘルスケア・セクターによって主導されています。
39.1%成長が現実のものとなれば、2010年第2四半期以来、前の2四半期に続く3番目に高いEPS成長率となります。
売上高に話を変えると、
75%の企業が市場予想売上高を上回りました。(過去5年平均:67%)
サプライズは平均2.9%でした。(過去5年平均:1.4%)
最終的にサプライズ率が2.9%となると、FactSetがトラッキングを開始して以来3番目に高い記録になります。
これまでに発表された売上高の実績とこれから発表される売上高予想を合わせた2021年第3四半期の売上高成長率は17.3%と現時点で予想されています。
先週時点では16.0%で、9/30時点では14.9%と予想されていました。
売上高のポジティブ・サプライズは、エネルギー、ヘルスケア、金融セクターによって主導されています。
17.3%成長が現実のものとなれば、FactSetがトラッキングを始めた2008年以降、前の四半期に続く2番目に高い売上高成長率となります。
今後の見通しですが、2021年第4四半期のEPS成長率は20%以上、2021年通期では40%以上が予想されています。
将来12か月のS&P500のPERは21.4です。
これは過去5年間、10年間いずれの平均よりも高い数字です。
また、9/30時点に予想されていた20.1からも上昇しています。
参考までに各セクターの代表銘柄を簡単に紹介します。
▶不動産(Real Estate):アメリカン・タワー(AMT)、サイモン・プロパティー・グループ(SPG)
▶通信サービス(Communication Services):アルファベット(GOOG)、フェイスブック(FB)、ネットフリックス(NFLX)
▶ヘルスケア(Health Care):ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)、ファイザー(PFE)
▶金融(Financials):JPモルガン・チェース(JPM)、ゴールドマン・サックス(GS)
▶情報技術、IT(Information Technologies):アップル(AAPL)、マイクロソフト(MSFT)
▶資本財(Industrials):スリーエム(MMM)、ボーイング(BA)、デルタ航空(DAL)
▶生活必需品(Consumer Staples):プロクター&ギャンブル(PG)、コカ・コーラ(KO)、ウォルマート(WMT)
▶一般消費財(Consumer Discretionary):アマゾン(AMZN)、テスラ(TSLA)
▶素材(Materials):デュポン(DD)、ニューコア(NUE)
▶エネルギー(Energy):エクソン・モービル(XOM)、シェブロン(CVX)
▶公共事業(Utilities):デューク・エナジー(DUK)、サザン・カンパニー(SO)
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