FRBは利上げのペースを加速する?!
FRBの利上げペースに注目が集まっている要因は米国のインフレにあります。
1月の米国CPI(消費者物価指数)は12月の+7%からさらに上昇し、+7.5%という結果でした。
これはコンセンサス予想の+7.2%(もしくは+7.3%)を上回る数字でした。
コアCPIは予想+5.9%に対して+6%で、どちらも40年ぶりの高水準となっています。
インフレが過熱していることから、3月のFOMCを前にFRBが直面している問題は、もはや政策金利を引き上げるかどうかではなく、どれぐらい引き上げるかになっています。
標準的な利上げのペースは 0.25%ずつ引き上げるというものになりますが、0.5%の引き上げが議論される可能性があります。
FRBは2000年以降、0.5%の利上げを行っていません。
次回のFOMCは3/15-3/16のため、それまでにもう1回CPIの発表があり、どれぐらい引き上げるかはその結果にも左右されます。
市場関係者の中にはFOMC開催前に利上げをするのではないかと観測している人もいますが、その可能性は低いと思われます。
FRBが最後にFOMC以外のタイミングで利上げをしたのは1994年4月のことでしたが、その時はまだFRBが市場に対してより多くのガイダンスを示し始めたばかりの時期でした。
対照的にFRBのパウエル議長はここ数か月、市場に対して利上げプランを示し、債券投資家がそれに合わせてきました。
先週の木曜日までは、FRBメンバーは3月に0.5%の利上げをするのではないかという市場の推測に対して反対意見を述べてきました。
セントルイスFedのJames Bullard は、先週月曜日には0.5%以上の利上げには否定的な意見でした。
しかし、CPIの発表があった木曜日には、0.5%の利上げやFOMC前の利上げに対して寛容的な態度を示していました。
このようなコメントを受け、CME Group によると、90%以上の市場参加者が3月のFOMCで0.5%の利上げを予想しています。
利上げの加速は市場にボラティリティをもたらすことになるため、実際に加速することになった場合、FRBは市場に対してどのようなコミュニケーションをとるのかが悩ましい点だと思われます。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?