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ありがとう
今日はまたしても、嬉しかったお話です。
嬉しい記事が続くとほっとしますね。
数日前の記事で、窒息して心停止してしまった患者さんについてお話をしましたが、その患者さん、蘇生後脳症を残しつつもだいぶ回復してきた…!!
蘇生後脳症とは→心肺停止の蘇生後に生じる脳の損傷のことをいいます。心停止に至ると、一時的に脳虚血・低酸素脳症の状況になります。その後心拍再開しても、急激に増えた血流に脳がおいつかず、脳浮腫をきたします。(ちなみに、心停止となって脳への酸素供給が途絶えると数秒で意識消失・3分〜5分の心停止があると心拍再開したとしても脳になんらかの損傷があると言われています。)高次脳機能障害がでたり寝たきりの状態になることも少なくありません。
高次脳機能障害とは、主に脳の損傷により、言語・思考・記憶・行為・学習・注意などの知的な機能に障害が起きた状態のことをいいます。失語、注意障害、記憶障害、遂行機能障害、失認(視覚、身体失認など)、失行などの高次脳機能障害を呈した方に対しては、PTやSTによるリハビリを開始します。一般に急性期の病院にリハビリ目的にて入院し続けることは難しいのでリハビリ病院に転院したりします。
そして今回の患者さんも、初日こそ意識はなかったですが、翌日お部屋に入ると私のことを子供が母親を後追いするようにじっと見つめる。
もちろん気管切開をして人工呼吸器に繋がっているので発声はできませんが、ずっとこっちを見ている!
私は急いでお部屋に入った理由をお伝えしました。
だめですね、本当は意識がなくても一声かけて入室しなければならない。
でも、意識のなかった患者さんが開眼して私のやっていることを理解しているんじゃないかと思った時は本当に嬉しかった。
部屋を出てスタッフに伝え、嬉しさを共有した。
そしてさらにその2日後。
もうICUは退室していたけど、その患者さんが移った一般病棟に応援にいくことがあって、私は患者さんの部屋にもう一度入る機械がありました。
人工呼吸器は外しているけれど、気管切開はしているのでまだしゃべれません。おそらくまだ動くこともできない。だけど意識はしっかりしている。
ナースコールがなって訪室すると、痰を吸ってほしいと言われた。
吸痰を実施。しんどそうに咳き込みながらもなんとか実施し、
「お疲れ様でした。もう終わりましたよ!ゆっくり深呼吸して呼吸落ち着かせてくださいね」と声をかけ、退室しようとすると、なにかを必死に訴える。動けない身体を必死に動かす。まだ手とか細かく動けないけれど、肘と肘をくっつけて…
ありがとう と伝えてくれた。
はあ、嬉しい。の一言。
それだけで目の奥がじわっとくる。
動くのしんどいだろうし、満足に思いを伝えることもできないけれど、必死になってありがとうの思いを伝えてくれた。
別に私なんて普段ドライに働いているけれど、
看護師が言う、患者さんの感謝の言葉でやりがいを感じる
というのは、本当に本当だと思う。
こういう心があったかくなって、私もあなたのためになんとかしてあげたいと思う瞬間、大事にしていきたいなあと思いました。
看護師がやれることなんて、医者と比べたらちっぽけなことだけど、胸はって看護しています。と、いいたい。