おばさんの自虐ネタを鵜呑みにしてはいけない!
学校の授業の一環で1分間スピーチなるものがあり、そのお題が「仕事での失敗と教訓」に指定されました。
まず思い浮かんだのがこの話だったけれども、クラス内には私も含め”おばさん”と呼ばれる年齢層の方が何名かいらっしゃるので、ちょっと自粛してここに書いておく事にします。
それはただのトラップだった
あなたは今までに、20代後半〜50代くらいの女性の方が「私って、もうおばさんだから〜!」みたいなことを言っている場面に出くわした経験はないだろうか。
私が初めてその場面に遭遇したのは、新卒でサービス系の会社に就職して、店員の立場でお客様に接していた時だった。
そういうとき、言っている本人はたいてい普通に笑っているので、若かりし頃の自分は「これはネタで言ってるのかな?笑って欲しいのかな?」と思いアハハ〜だかウフフ〜みたいな反応をしてしまった。
その途端、急に真顔になるおばさん。
そして一言。
「ここ、笑うとこじゃないから。」
こ、こわ〜〜〜〜〜〜!!
私だってね、別に面白いなんて思ってないし、そもそもさ、おばさんだからって言われてもさ、実際おばさんといって差し支えない年齢なんだから、そうですねぇとしか言いようが無いし、なんで自分で言っておいて肯定されたら怒るの?トラップなの?実はここはダンジョンで、私は何かの試練を受けていたの??
口ではすみませんと言っていたが、頭の中ではクエスチョンでいっぱいだった。
そこまでハッキリ言われたことは無いにしろ、自分が返事をした後なんだか急に空気が重くなったり、会話を切り上げられたりと女性が不機嫌そうな態度になったことは無かっただろうか。特に既婚男性の方、奥様の反応を思い返してみてほしい。
事実を肯定しただけなのに不機嫌になられたときは、きっと似たような事案が発生しているはず。
果たして正解は?
では、どうすればおばさんは満足するのか。簡単な二択である。肯定して怒られるなら、否定してあげれば良い。
別の人から同様のことを言われた際、「え〜全然そんな感じじゃ無いですけどね?」と返した時の、おばさんの輝くような笑顔といったら!私は勝利を確信した。
しかし、勝ちパターンが見えたと思っても慢心してはいけない。実はこのトラップには様々なバリエーションがあり、私は過去に何度か同じような過ちを犯している。
その度に「なるほど、こういうのもあるのか・・・」とゴローちゃんばりの思案顔になってしまうのだ。
そして教訓へ
もちろん、全員が全員否定してもらいたくて言っているわけではないので、本心から言っている人にわざとらしく否定したところで、かえって失礼な態度だと思われるような気がする。
特に私は同性なので、どうしたって”自分より若い女”というヒエラルキーが発生してしまう。否定するときも、決して上から言っていると思われてはいけないのだ。むずかしい。
さて、ここで得た教訓と言えばタイトル通り「おばさんの自虐ネタを鵜呑みにしてはいけない」の一言だけども、もうちょっと視野を広げてみると
、「口に出したことと本心が別にある」場合というのは男女年齢問わず一定数存在するんじゃなかろうか。
否定してほしいおばさん然り、様々な大人の事情でそんなこと出来ないと分かっていても希望として言ってしまうとき、本当は良くないと思っているけど偉い人からの圧力で言わざるを得ないとき、などなど。
人はしばしば言葉と気持ちが矛盾している。
素直なことは美徳だが、いつもいつも相手の言うことを言葉通りに受け取っていると、そのうち痛い目をみることになるかもしれない。自戒を込めて。