いたずらきかんしゃちゅうちゅうと、およげ!たいやきくん
子供達(特に2歳の次男)が蒸気機関車(SL)にハマったので、SLが題材の絵本はないかと本屋さんへ行く。
トーマスの原作はないかと探してみたのだけど、最近のアニメっぽいものしか置いてなかったので諦めて、きかんしゃやえもんを探してみるもこれもなく、「いたずらきかんしゃちゅうちゅう」があったので、買ってみる。タイトルは知っていたけど、中身は知らない本なので、少し冒険。
翻訳をしたのは「花子とアン」で有名な、むらおかはなこさん。読んでみるとレイアウトなどはしょうぼうじどうしゃじぷたに似ている。日本での発売がちゅうちゅうは1961年、じぷたは1966年。少し離れているけど、その頃の流行りなのか、それとも同じ福音館なので、同じ人がデザインしているのか…ちょっとそこまではわからないけど、中身の雰囲気などを見てみると少なからず影響があったのかもしれない。
ちなみに「機関車、ちゅうちゅう」というワードで少し気になったのが、ZOO(最近だとEXILEの方がわかるか?いや、それももう最近じゃないか…)のChoo Choo TRAINとの関係。もしかしたら蒸気機関車の事をアメリカなんかではチューチュートレインと言うのかしらと思って調べてみたらやっぱりそうみたいで、日本語で言うぽっぽー♩が向こうではチューチューであるようだ。
内容を読んでみて連想したのはおよげ!たいやきくんだ。なんとなく社会の歯車になっている自分から抜け出して、何者かになりたいと歯車から抜け出す事を試みるも、結局居心地が悪くて元の歯車に収まるといった内容。およげ!たいやきくんは1975年。
このまま埋没していくのは嫌だ!何かを成し遂げて何者かになりたい!というような考えというのは当時の社会にありがちだったのかとも思ったけれど、それは現代でもあまり変わり無い気もする。表現できる場所が増えた分、むしろ加速しているかもしれない。では第一次産業が主で、メディアなどで有名人に触れる機会が少なく、ほとんどの人が何者でも無い時代だったらそんなことは考えなかったのではないかとも思ったけれど、秀吉のように農民から大出世を遂げた人もいるし、意外といつの時代もそうかわりないのかもしれないと思ったりなどした。しかし、結局何者にもなれず諦めるという物語で終わっているのはなんとも寂しい感じがするが…。
そんな絵本なんだけど、子供達は気に入ったようで、毎日寝る前に読み聞かせをしている。まあ名作と言われる絵本は、いつまで経っても名作ということで。良い買い物でした。