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IR-DX SaaS 「Hooolders」開発秘話(その4:流通株式時価総額)

みなさまこんにちは。

FiguroutでIR-DXツール「Hooolders」のプロダクトマネージャーをしておりますZumiです。

今回も「プロダクトから見たIR」という切り口で、IR関連の情報をつぶやいていきたいと思います。

今回のテーマは、「流通株式時価総額」ということで、これまた基本的な用語ですが、そんな概念を最近知ったわたくしの備忘録にお付き合いくださいませ。

流通株式時価総額の定義、言えますか?

流通株式時価総額という名前から大体の雰囲気はつかめるものの、改めて、ここで確認できればと思います。

流通株式時価総額は、企業の総時価総額とは異なる重要な指標であり、特に投資判断において考慮すべき要素です。一般の時価総額は、企業の発行済株式全体に基づいて計算されるため、企業の全体的な市場価値を示します。一方、流通株式時価総額は、市場で実際に取引可能な株式の時価総額を指します。これには、流通している株式のみが含まれ、発行済株式の中でロックアップされたものや、内部者によって保持されている株式は除外されます。

流通株式時価総額自体の計算式は、「流通株式数×株価」で表されるのですが、この「流通株式数」もJPXによってしっかりと定義されています。

出典:上場維持基準の詳細(JPX)

流通株式数はIRにとっても、特に流動性の観点から重要です。流通株式の数が多いほど、投資家は市場で容易に株式を売買できるため、流動性が高いと見なされます。これにより、株価の安定性が向上し、急激な価格変動を抑えることができるため、長期的な投資に適した銘柄として評価されることがあります。逆に、流通株式時価総額が小さい企業は、流動性が低く、取引が活発でないため、価格変動が大きくなるリスクがあります。

また、流通株式数と流通株式時価総額は、上場維持のための基準のひとつとして、JPXでしっかりと定められています。

出典:上場維持基準における流通株式(JPX)

従って、特に、それらの指標が上場維持基準の数値周辺を前後している企業では、IR担当者は、気を貼って対応を図る必要があると言えます。実際、Hoooldersの機能改善に関するアンケートでも、「流通株式時価総額をデイリーでウォッチできるようにしたい」というお声がありました。

Hoooldersでの流通株式時価総額

さて、ここからは実際のHoooldersについてご紹介いたします。Hoooldersで流通株式時価総額をウォッチしたいという要望があった際、仕様自身はさほど難しくないだろうなと想像できました。というのも、流通株式数さえ出せてしまえば、あとは一般の時価総額と同じように、株価を乗じて時系列でチャートを表示させればよいからです。問題は流通株式数です。これは前段で紹介したJPXの定義で計算させればよいのですが、「役員等所有株式」など、自動で取得できない数値があります。そこで、これについては、ダイアログを設けて、ユーザー側で数値を入力してもらうしかありませんでした。一方で、JPXの上場維持基準や、上場維持基準を気にしている現場のIR担当者の業務要望を想定し、3ヵ月単位での移動平均表示や、目標とする流通株式時価総額を一緒に表示させる機能を付随させました。

図1. 流通株式時価総額と目標値

結び

いかがでしたでしょうか。本記事が、流通株式数や流通株式時価総額のおさらいになれば幸いです。Hoooldersは現在一ヵ月の無料トライアルを実施中です。ご興味ありましたら是非、こちらからお申込みください。ご一読頂きありがとうございました。


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