お行儀のわるい台所
食器かごには、洗った食器が雑然と積んである。
食器棚がちゃんとある。でも、よく使う食器はここに置きっぱなし。
シンクを磨く回数は、数えるほど。
窓の下は、白いタイル張りなのだが、
青いトマトが日向ぼっこしていたり、お芋が乗っていたりする。
夫は料理を全くしない。
私も料理好きとは言えず、朝昼晩と、自分の時間を細切れにする料理の時間を疎ましく思うこともある。
料理人は一人なので、この台所は私だけの場所。
ふと「料理しながら、お酒を飲むのがサイコー。」と言っていた
知人を思い出す。
私はお酒は飲めないが、台所で立ったまま飲み食いするのは好きだ。
朝、台所の窓を開ける。
眼下に広がる樹木や草の緑とひんやりした空気。
日の出を迎えて、朝日が差し込んで来る。
(今日も一日が始まったー!)と元気になる。
なんだかんだ言っても、このお行儀の悪い台所は、
毎日幸せを運んできてくれるパワースポットなのだ。