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お茶っこ(1)
すずめさんは、小さな宿を営んでいます。
これからお迎えするお客様は、宿泊のお客様ではありません。
すずめさんも含めて「お茶っこ」するためのお客さまです。
「お茶っこ」というのは、ちょっとお茶でも・・・という意味で
まあ、ほんの少しの気晴らしというか、休憩というか、
そんな意味合いです。
一人目のお客様は、みかんさん。
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お正月だからといって、
ゆっくり休んでいられない人はたくさんいるのですが、
みかんさんもその一人です。
鏡餅の上に、じーっと座っているのがみかんさんの仕事です。
本来これは、橙(だいだい)さんの仕事なのです。
でも、最近どの業界も人手不足の折、
お正月となると、みかんさんにもお声が掛かるのでした。
他のみかんが少しの間なら代わってくれるというので、
いそいそと、すずめさんの宿へ行くために支度を始めました。
二人目のお客様は、小茄子さん。
茄子を成すとかけて、
初夢に茄子の夢を見るのは縁起がよい、とされています。
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元旦と1月2日の夜は、大忙しで飛び回っていた小茄子さんですが、
お仕事も無事終わって、ほっとしている所へ、
すずめさんから「お茶っこ」のお誘いがあって、ホクホクしています。
(つづく)