雪だるま(4)
ワンワン・・・
犬の吠える声と共に現れたのは、猟師でした。
「おやおや、雪だるまさんたち。お寛ぎの所を邪魔してごめんなさい。
なにしろ、うちの相棒は鼻が利くものでね。」
(雪見大福)のことを言っているのかと思って、
雪だるまの二人は開けたばかりの大福をそっと後ろに隠しました。
それを見た猟師は笑いをかみ殺しながら
「いやいや、犬は獲物の匂いに敏感なわけで・・・
大福の匂いではなく兎なわけで・・・。」
「兎でしたら、ついさっき、向こうへ走っていきましたよ。」
「そのようですな。では、お邪魔しました。」
猟師と猟犬が見えなくなると、雪だるまは、
雪見大福を取り出してゆっくり口に入れました。
「ああ、おいしい!」
「今年もいい年になりそうだなあ。」
二人はにっこりしました。
つづく