「彼氏彼女の事情」から学ぶ未来のAIと人との関係
懐かしの再読、「彼氏彼女の事情」
OpenAIさんの新しいAI、GPT-4oの登場で人を超えるAIによるシンギュラリティが近づいてきているなと感じます。そういった情報に触れていて、懐かしい記憶、少女漫画の「彼氏彼女の事情」(通称:カレカノ)を思い出しました。文化祭で演劇を行う主人公たちのエピソードが心に残っており、再読したくなってKindleで購入。約20年ぶりに読み返しました。マンガの中での演劇なので劇中劇になります。
内容は全く色褪せることなく、いつ書かれたお話だっけ?と末尾を確認すると2000年!その時代にこの作品が描かれたことに驚きました。作者の津田雅美さんすごい。再読してみて、ヒロインの有馬君の心情には、10代の頃よりも30代になってからの方が共感できる部分が多くありました。
劇中劇が描く未来のAIと人間関係
マンガの中の劇中劇では、人工生命体のアンドロイドや人類を超える人工知能、そして完璧ではない存在に魅力を感じる人々が描かれています。あらすじはWikipediaから以下の通りです。
あらすじ 若き天才科学者レン・クロフォードは、アンドロイド製作による名声と栄華の絶頂から突如失踪し、遠く離れた惑星で最初の作品・アンティークと共に移住した後に100年近い冷凍睡眠に入る。目覚めた彼らの元に最新型であるネオモデルが現れ、3人の生活が始まる。レンは自ら生み出した完璧なアンドロイドに対する「創造物より劣る創造主」という事実を突きつけられると同時に、自分自身の忘れがたい過去をも露呈し絶望し苦悩する。一方ネオモデルは、完璧につくられたがゆえの苦しみを抱えており、「自分は何のために存在するのか」を考え続ける。物語は「3人」の自我と過去、お互いの救いを主題に展開して行くことになる。
再読しての気付きと考察
読み返しての気付き:
アンドロイドと天才の共生
最初に作られたアンドロイドと隠居している天才の元に、最新型のアンドロイド(ネオモデル)が来て一緒に生活を始める。天才がネオモデルと共に暮らす中で、こいつ俺より能力高いじゃん…と分かり始め、自分よりも優れた知能を持つ存在に意思決定をゆだね始める。いいじゃないか!、いい提案だね‼️と知ったかぶりをしながら。
→ わからないことを素直に「教えて」と尋ねるの難しいよね。ポンコツアンドロイドの魅力
天才が最初に作ったアンドロイドは不器用で、料理も片付けも下手。しかし、その不完全さにこそ人は愛情を感じる。
→ 完璧なものに対する冷淡さと不完全なものへの愛情が、ヒロインの有馬君の心情と重なる部分がある。天才の理想と現実
天才がアンドロイドを作った理由は過去の過ちを償い、人々の助けになるため。しかし、使われ方は想像とは違った醜悪なもので、非難の的となり、創造主が責任を追及される。
→ 高尚な理想と現実とのギャップで挫折する様子がリアル😨ネオモデルの訪問理由
ネオモデルが天才の元に訪れた理由が物語の進行とともに明かされ、サスペンス的な要素も楽しめる。
→ 具体的な理由はネタバレになるので省略しますが、納得のいく展開
コメントをお待ちしています!
「カレカノ懐かしい~」という方、ぜひコメントをお寄せください!津田雅美さんの他の作品も気になる。カレカノのあとに描かれた「ヒノコ」という漢字をテーマにした話も面白かった😊
☆参考
①彼氏彼女の事情 (9) (花とゆめCOMICS) コミック – 2000/3/1
津田 雅美 (著)