1016杯目:資格や認証の意味を考えさせられるニュース
某大手中古車販売会社の不正のニュースが連日流れています。
それも一つ二つだけでなく後から後から出るわ出るわ…
不正だけでなく会社としてのあり得ない方針によるそれって犯罪ではないかと思うようなことまで。
お店が通りからよく見えるようにするためとはいえ、公共で植え込んでいる樹木を切ったり枯らしたりにはビックリしました。
もしかしたらこの会社だけでなく保険会社まで組んで…みたいな話にもなっているので、まだまだこの中古車販売店のニュースは終わらないでしょう。
この類のニュースが明るみに出るたびに、
なんでそんな事が出来ちゃうんだ?
管轄の省庁は何やってんだ!って怒りの声で溢れかえる。
もちろん管轄の省庁が監視をサボっているわけではないと思う。
しかし、なんでそんな悪質な事が出来ちゃうんだ?っていう疑問には少し考えなければならないと思う。
今回の中古自動車販売店の話で言うと、まず人の観点から考えると自動車整備をしている人は自動車整備の国家資格を持っている。
ブレーキ周りとか足回りなど、走行中にトラブルがあったら大変な事故になる部分の分解修理はこの資格を持っていないとできない。
それだけの知識と技術がないと取れない国家資格なので、国からお墨付きをもらった人なんですよね。
そしてそれらを管理する人も国に届けが出されている。
そして設備の観点から見てみると、それらの整備をする場所というのも設備だけでなく工具や安全面も含めて、国が審査をして国の基準に合致した工場が認証工場と認められて国のお墨付きをもらう。
このように人も場所も設備も国からの資格や認証を何重にも受けることによって業務が成り立っている。
こうして国から信用と信頼を得て業務ができるという事は、逆にそれを悪用すればどうにでも出来るって事なんですよね。
だから関係省庁が管理・監視が…って事ではないと自分は思っています。
ただ今回のニュースを見ていて思い出すのが、20年くらい前?に大ニュースになった一級建築士による構造計算書を偽造して大騒ぎになった問題。
この時も既に建っちゃった建物はどうするんだ?とか大問題になりましたよね。
これも何でこんな事が1人の不正で出来ちゃうんだ?って感じですよね。
それは、一級建築士という国から信用と信頼のお墨付き(資格)を持っていた建築士の仕業だから。
これを機会にのちに建築基準法が改正されたりしたので、業界の人への影響も計り知れなかったでしょう?
自分は全く関係のない外の者ですが、きっとこの改正によって審査が厳しくなったり、出す書類が増えたり、なかなか認可が降りなかったりと他の建築士からしたら、『なんて事してくれたんだ!』『何で一級建築士という国家資格を持っている人間がやってることに、そんな素人がやった事みたいなところまで掘り下げて審査されなくちゃならないんだ?』って疑問や怒りの建築士もいたんではないでしょうか?
何のための資格だよ!!って。
今回の中古車販売店の問題もきっと、今後業界の人たちは同じ思いをするのではないでしょうか?
国家資格や国からの認証の意味が薄まっていく事は建築や自動車だけでなく、どの業界にも起きていく事なのかもしれません。
国家資格者としてのプライドや誇りやお客様優先より、所属する会社がどんどん肥大化してそんなものより利益や成績優先が上回ったときに。
職人と呼ばれる人の技術や気構えが懐かしく感じます…
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