715杯目:【野球】715という数字の思い出話

noteを始めて、今回が715本目のnoteになります。
よく自分みたいなやつが715本も書くことがあったな!?f^_^;
きっと、ブログとは違うnoteならではの特徴が自分にはまっているのだと思う。
これはそのうち書くとして、715という数字、タイトルの【野球】から推測できる人は〇〇歳以上!?

715と言うのは、読売ジャイアンツの王貞治選手が、アメリカのベーブルースの通算ホームラン数714本を追い越した数字なのです。

時は1976年10月11日、後楽園球場での伝統の阪神戦。
8回裏に王貞治選手が撃ったライトポールに当たるホームラン、それがベーブルースを抜く通算715号だったのです。
その時、自分はライトスタンドにいるはずだったf^_^;)

左利きの野球少年だった自分はもちろん背番号1の王選手に憧れていた。

そして、1976年10月10日の朝、片道100キロ以上を電車を乗り継いでジャイアンツ戦を観戦するために上京して、人生初の後楽園球場の麓に二十歳過ぎの従兄弟に連れられてやってきた。
10月10日の巨人阪神戦を観るためである。
しかし、手元にチケットはない。
朝早くから並んで、当日券をゲットする予定だった。

しかし、ジャイアンツが優勝を目前にした10月、それも伝統の阪神戦、それも王貞治選手の通算本塁打数がベーブルースの記録が見えてきた712本。
そんな状況の時に、いくら朝から並んだからと言ってもチケットをゲットできる保証は何もなかった。
そして案の定、結果はチケットを確保できなかった。
まさか、後楽園球場の麓、王貞治選手と自分との距離は長く見積もっても200メートル圏内!?憧れの存在がそんな目の前にいるのに諦めることができるだろうか?

ガッカリしている自分を見て、二十歳を超えた従兄弟の結論は、このままここに徹夜して並んで、明日の阪神戦を観戦しよう!だった。

嬉しかったけど、30時間くらいそこから動けない時間を過ごした。
でも、自分は苦ではなかった。
だって初めての後楽園球場、憧れの王貞治選手が目の前にいて、あと少しの位置まで来ているんだもん。

10月10日の巨人阪神戦の試合開始。
球場内の歓声が、後楽園球場の麓のチケット売り場に並ぶ自分にまで届いてきた。
24時間後には、絶対に自分もあの中に入って、ジャイアンツに声援を送るんだ!と強い気持ちだけは持っていた。

そして、その試合で王貞治選手は713号 714号と2本ホームランを撃って、あっという間にベーブルースに並んだ。
田舎から上京した自分は、ラジオを耳に当てて実況を聴きながら、歓声だけは生で聞くという嬉しいような悔しいような何とも言えない異次元体験をした。

そして、試合が終わり、満足した表情の観客たちが、後楽園球場の中から外に溢れ出してきた。

いいなー。
王選手のホームランが見れて羨ましいなー。

という目で、その観客の流れを見ていた。

そして、絶対にジャイアンツ戦を観る!という強い気持ちを持ちながらも、一晩過ごした後楽園球場外野席当日チケット売り場は、ちょっと寒くて静かで寂しかった…。
12時間前の球場内からの大歓声、5万人の人の流れを見た場所だっから、その落差に余計寂しさを感じたのかもしれない。
まだ小学生の野球少年だから仕方ないでしょうf^_^;)

そして一夜明け、無事に夢にまで見た初めての後楽園球場でのライトスタンド自由席のチケットを確保した。(当時は外野指定席というのはなかったような)

昨日今日の試合はデーゲーム。
この年から後楽園球場は日本初の人工芝球場。
通路を通ってグランドが見えるところに出てきた時、あの人工芝のどこまでも緑の感動。
いまだに忘れられません。
野球は土の上でするものだったので、絨毯の上で野球という印象でした。
この光景もあまりにも異次元空間だったので、プロ野球という存在がさらに特別な世界に感じました。

そして王選手のホームランが飛んできそうな位置の席に座り、初めての後楽園球場での観戦。
もう一ついうと初めての公式戦の観戦でした。
当時は、応援団というのはベンチ屋根!?の上が定位置だったので、そこから外側に指定席の人たちの楽しみ。
外野席はひたすら自分のペースで応援する形でした。
自分はその方が良かったですけどね、野球を観にきているんだからf^_^;)

そして試合は進み7回終了。
王選手のホームランはまだ出ていない。
でも毎打席の球場全体の盛り上がりはすごかったねー。
野球ってすごいなー!って、そういう観点からも改めて思いました。

そして8回に入る頃、ほぼジャイアンツの勝利は確定。
あと注目は王選手の715号だけ。

そんな時、この夢の場所に連れてきてくれた従兄弟が、
『もう巨人勝ちだし、球場から出るの混むから一足先に出よう。』と言ってきた。
従兄弟は、王選手よりジャイアンツの勝利を願う巨人ファンだったのだ。
自分1人ではとても電車を乗り継いで田舎まで帰宅できない自分は、後ろ髪引かれる思いで中央線に乗った。
電車の中でも、野球中継のラジオを鳴らしている人がいた。
そして田舎では経験したことがない満員電車の中で、王貞治選手がベーブルースを抜く通算715号ホームランを撃ったのをそのラジオから知った。

これもある意味、異次元空間だった。
あれから35年経ったけど、いまだにあの時の異次元空間の数々は脳裏に焼き付いていて、その後これに匹敵するような体験はできていませんf^_^;)

今でも王選手の通算715号ホームランを撃った時の映像が流れると、あの辺に数十分前までいたんだよなー!って思います。
懐かしい思い出とともに、きっと一生悔いが残るであろう思い出にもなっています(苦笑)

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きひろ
貴重なお時間の中、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。 駄文ながら一生懸命書かせていただいていますので、またいらしてください。