ランク制と声優業界のはなし

昨日の続きです。
声優業界ではランク制といった段階報酬制度という業界のしきたりの中で活動する事になっている。
声優さんは基本、始めはノーランクからスタートするのだが、これは日本俳優連合という組織に登録される事で付与されるのだけど、このノーランクは試用期間的な意味合いが強く、アニメの制作予算的には重宝されるけど、同じランクでの格差を大きくほんの数名声優に集約される場合が多い。
結果、試用期間の3年間が終わると見限られる声優さんも多く、事務所の契約終了に結びつく場合もある。
せっかくその期間が終わってもランクが上がると次に入ってくる新人声優との競争が始まり同じレベルだと予算的に弾かれていく。
また、現在では作品の話題や宣伝の為に顔出しの仕事も多く、これが売上に直結する為に選ばれるには声優自身のビジュアルが重要になってきている。
小生も仕事上、声優のライブコンサートや告知イベントなど多くの企画や運営に協力してきている関係上、多くの声優はそんな重圧の中で活動していく事になり病んでいく姿をよく見かける。これも業界の都合主義の影響なのかもしれない。
もちろん声優という仕事はアニメだけでなく子供ヒーロー番組や海外映画、ゲームなど多くの活躍出来るジャンルも広がってきているが、声優志望
の人たちも出演作品数の何倍も居るのでどんなジャンルもプロとして続けていくには大変厳しい競争社会である。
ただ、その原因のひとつとして今の志望者は声優という仕事自体では無く、可愛いアニメキャラクターになってみたい。好きな声優さんと同じ世界で仲良くなりたい。
といった安易な志望者が大変多く、そういった意味でのプロの職業声優さんは本当に少ないとも感じている、それが声優という寿命が短い世界に繋がっているだと思う。
今やアニメは声優ファン相手のアイドルビジネスに近い世界に変わりつつあるが、このままでは声優業界もどうなっていくのかわからない。

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