偶然から2人のラブラブは始まりました。
人ってどうしてか、
そんなつもりじゃなかったのに、
誰かと仲違いしてしまうことがある。
瑠奈:あっそ。
〇〇:あっそ、って…
瑠奈:もう良いよ!
〇〇:待てよ!
特に親しい人と仲違いすると、物凄く気分が悪くなるものだ。
〇〇:はぁ…ああ、もう‼️
苛立ちから、大声をあげたりするだろう。
?:おい、どうした〇〇?
〇〇:あ…
?:そんな怖い顔すんなって、ほら。
〇〇の親友、大樹が缶コーヒーを〇〇に手渡した。
〇〇:…ありがと。
大樹:良いって、ま、座ろぜ。
大樹に勧められ、〇〇は大樹とベンチに2人で腰掛けた。
(回想)
〇〇:え、ウソウソ…
瑠奈:どうしたの?
〇〇:無い…
瑠奈:え、無いってまさか…
〇〇:俺たちが作った作品の入ったUSB…
瑠奈:嘘でしょ⁉️
瑠奈:ねぇ、嘘だよね⁉️
〇〇:ごめん、マジ…
瑠奈:も〜う、何してくれてるのよ⁉️
瑠奈:今日、発表日だよ⁉️
瑠奈:映像の発表日‼️
〇〇:ごめん…
瑠奈:ごめんで済むと思う⁉️
瑠奈:何のために今まで頑張ってきたのよ⁉️
瑠奈:今日発表して、もしかしたらワンチャン賞取れて制作会社にお呼びされるかもしれなかったんだよ⁉️
瑠奈:それなのに忘れるなんて、有り得ない‼️
〇〇:わーってるよ‼️
〇〇:こっちだって徹夜で大変だったんだぞ⁉️
〇〇:瑠奈は作品の構想考えるだけで良いのかもしんないけどさ‼️
瑠奈:1人でやるって、〇〇が言ったんじゃん‼️
瑠奈:何よ、勝手にキレて。
〇〇:悪いか?
瑠奈:ふ〜ん、あっそ。
(回想)
大樹:ふ〜ん、なるほどな。
コーヒーとベンチでの休息のお陰で落ち着いた〇〇は、大樹に瑠奈と喧嘩したことを話した。
大樹:徹夜で作った作品が入ったUSB忘れちゃって、大事な発表会に参加出来なかったか。それで賞を取り逃がしたから、林さんと…
〇〇:ふぁ〜、あとは編集だけだからそんな時間かからないと思ったら、思ったより掛かっちゃてさ…
大樹:てか寝た方がいいぞ、お前目の下クマが凄いことになっているから。
〇〇:ふぁ…いや、なんか今は寝れない。
欠伸をしながら〇〇は言った。
大樹:あ、まぁ…そうだよな。林さんと喧嘩したあとじゃ。
〇〇:うん…
大樹:じゃあ、今から林さんに会って話してこいよ。
〇〇:え?
大樹:こういうのは、ズルズル引きずらない方が良いって。
〇〇:やっぱ、その方が良い?
大樹:うん。
〇〇:でも大丈夫かな…瑠奈、相当怒っていたし…
大樹:じゃ、お前このままで良いのか?
〇〇:それは…
〇〇:うん、ダメだな。このままじゃ…
大樹:なら決まりだな。
〇〇:そうだな、なんかありがとな。
目のクマは変わらずだが、少しだけ〇〇の表情が明るくなった。
大樹:ああ、てかやっぱりだな。
〇〇:やっぱりって?
大樹:お前はちゃんと林さんのこと、想っているんだな、って。
〇〇:な、やめろよ…
〇〇:なんか、恥ずかしくなるから…
大樹:なんでだよ、お前ら2人は最高のコンビなんだろ?映像研のさ。
〇〇:だから、ふぁ…やめろって笑
親友に茶化されながらも、〇〇は親友に感謝の気持ちを抱いていた。
スタ、スタ…
瑠奈:(何やってんだろう…私。)
サークルのパートナーに怒号を浴びせて別れた瑠奈は、自身の行動を悔いていた。
瑠奈:(あんなこと〇〇に言っちゃって…)
?:る〜なちゃん!
瑠奈:わっ!?
後ろから肩を叩かれ、ビクっと背中がなった瑠奈が振り返ると瑠奈な親友の美緒が立っていた。
美緒:どした?凄く落ち込んでたけど。
瑠奈:あ…、まぁ〜ちょっとね。
美緒:本当に大丈夫?
瑠奈:いや、大丈夫じゃ、ないかな…
美緒:おや、今日は素直じゃん。
瑠奈:んな、いつもそうじゃないみたいに言わないでよ。
美緒:だって、いつもそうだもん。
瑠奈:うっ…
瑠奈の方も、親友に正直に〇〇とのいざこざを話した。
美緒:なるほどね〜
瑠奈:でも、あんなキツく言うべきじゃなかった。
美緒:んじゃ、早く会ってきなよ。
瑠奈:え、でも大丈夫かな…
美緒:もう、でもが多い!
瑠奈:だって、今会っても聞いてくれるかな…あんな怒鳴り散らした後だし。
美緒:でも、そんなつもりじゃなかったんでしょ?
瑠奈:うん、つい発表日で気分が上がってて…それで余計に。
美緒:原因が分かっているなら、尚更行きなよ。
瑠奈:そう、だよね。
美緒:うん、だから瑠奈ちゃんが〇〇くんと仲直りしたって報告するまで、パフェ一緒に食べに行くの待っているから。
瑠奈:へ?パフェ?
美緒:うん、最近出来たお店で美味しそうだから瑠奈ちゃんも連れて行きたいなって。
瑠奈:おし!行ってくる!
瑠奈:って、パフェ目的じゃないから‼️
美緒:ぶふっ、分かってるよ笑
親友の美緒に瑠奈は手を振って別れ、〇〇を探しに行った。
〇〇:はぁ…はぁ…
自身の通う大学に戻ってきた〇〇は、瑠奈が居ないか敷地内をくまなく探していた。
〇〇:やっぱり、居ないかな…
瑠奈:あっ。
諦めかけていたその時、よく知っている声が聞こえて〇〇は振り返った。
〇〇:あっ。
〇〇・瑠奈:ごめっ!
〇〇:ああ、どうぞ先に。
瑠奈:いや、どうぞ。
〇〇:じゃあ、って1人足りないな。
瑠奈:そうだね、ってダ〇〇ウ倶楽部か⁉️
〇〇:ぶふっ。
瑠奈:ぶふっ。
謝るつもりで会いにきた筈の2人は、何故か勝手にお笑いに変えて馬鹿笑いしていた。
瑠奈:あはは、てかこんな時によくやるね笑
〇〇:そりゃ、そっちこそだろ?笑
瑠奈:まぁ〜ね。
瑠奈:ユーモアさなら、〇〇には負けないから。
〇〇:自分で言うな…
〇〇:うっ…
バタンッ
瑠奈:〇〇⁉️
ー数時間後ー
〇〇:…
目が覚めた〇〇は、瑠奈の家のソファーの上に横たわっていた。
瑠奈:おはよう、寝坊助さん。
〇〇:瑠奈。
瑠奈:もう急に倒れるからビックリしたよ。
〇〇:ごめん、心配かけて。
瑠奈:ううん、私のせいだから。
病室で再会した2人は、ようやく本題に入ろうとした。
瑠奈:私が昨日の夜、〇〇に一緒にやろうって言えば…
〇〇:でも瑠奈は遅くまで、バイトだったろ?
瑠奈:うん…でも一緒に動画の編集したら、〇〇に無理させなくて済んだ。
〇〇:はは、大丈夫だって。俺もそんな時間かからないって思ったから。
瑠奈:でも…
〇〇:それに、やっぱり色々考えて編集するの好きだし。
〇〇:だから、余計に動画の発表会にUSB忘れた自分にムカついてさ…
〇〇:それなのに、瑠奈にあんなこと言っちゃって…俺、最低だよな。
瑠奈:分かるよ、その気持ち…
〇〇:え?
瑠奈:一生懸命なのは、私も〇〇も同じだもんね。
瑠奈:さっきも言ったけど、〇〇の動画編集を手伝ってあげれば良かったのにって思ってさ。
瑠奈:そうしなかった自分にムシャクシャして、〇〇に当たっちゃった…
瑠奈:私こそ、最低だよ。
〇〇:そんなことないって。
〇〇:俺がUSB忘れなきゃ良かったんだからさ。
瑠奈:〇〇。
〇〇:本当ごめんな、瑠奈。
瑠奈:ううん、私もごめんね。
仲直りを果たし、夜になって〇〇は家に帰ろうとした。
瑠奈:待って。
〇〇:ん?
瑠奈:今日、泊まってきなよ。
瑠奈:ほら、外寒いし。
〇〇:え、いや大丈夫だよ。
〇〇:それに、泊めさせてもらうのはなんか悪いし。
瑠奈:そんなことないから。
〇〇:でも…
瑠奈:んー、分かった。言い方変える。
瑠奈:今日は泊まって。
瑠奈:お願い。
〇〇:え、あ…
〇〇:それなら…お言葉に甘えて。
瑠奈:うん。
それから、夕食を食べて〇〇と瑠奈は2人でソファーに腰掛けていた。
瑠奈:ごめん、無理やり泊まらせて。
〇〇:いや、良いけど…
〇〇:でも、どうして?
瑠奈:そ、それは…
〇〇の質問に、瑠奈は顔を赤らめて言葉が出ずにいた。
瑠奈:一緒に、居たい…から。
〇〇:え?
瑠奈:もう、何度も言わせないでよ。
〇〇:ごめんって。
瑠奈:どうせ、私なんかが似合わない台詞だと思うから。
〇〇:いや、その…
〇〇:可愛いな。
瑠奈:え?
ボソッと言ったつもりの〇〇だが、瑠奈にははっきり聞こえていた。
〇〇:いや、いつもより可愛いなって。
瑠奈:や、やめてよ。冗談でも揶揄わないで。
〇〇:揶揄ってなんか、無いって。
瑠奈:え?
〇〇:その普段と違って、凄く可愛いなって。
瑠奈:〇〇…
〇〇:ごめん、普段可愛いくないみたいに言っちゃったね…
瑠奈:いや、良いって…
瑠奈:普段、そんなブリブリしたの好きじゃないし。
瑠奈:でも…
〇〇:でも?
瑠奈:なんか、こういうのには憧れてたんだ…
〇〇:こういうの?
瑠奈:もう、言わせないでよ…
〇〇:そっか、俺もだよ。
瑠奈:え?
〇〇:こういうの、俺も憧れていたかな。
瑠奈:そ、そっか…
〇〇:うん。
瑠奈:なら、良かった。
〇〇が手を瑠奈の頭に乗せて撫でた。
瑠奈:わ!?
〇〇:ごめん、嫌だった?
瑠奈:う、ううん…
瑠奈:ちょっと、ビックリしただけ。
赤面な瑠奈を、〇〇は優しく見つめた。
〇〇:そっか。瑠奈が可愛いくてつい…
瑠奈:こんな感じなんだ。
〇〇:え?
瑠奈:なんか、思ったより…好き。
その時に見せられた微笑みに、〇〇は心臓が止まりかけた。
〇〇:あっ…
瑠奈:ふふ。
瑠奈:〇〇も照れてんの。
〇〇:な、ち、違うからな!?
瑠奈の頭から手を下ろしてあたふたする〇〇を、瑠奈は笑いながら見ていた。
瑠奈:意地張んなくて良いじゃん。
瑠奈:でも、そんな〇〇も…
〇〇:え?
最後まで言わずに、瑠奈は〇〇に飛びついてきた。
〇〇:わ⁉️
〇〇:やっぱ怒ってる⁉️
瑠奈:違うってば!笑
瑠奈:まぁ、でもこれでチャラね。
〇〇:本当、次は無理しないでやるよ。
瑠奈:うん、そうだね。
瑠奈:大好きな〇〇が倒れちゃ困るし。
〇〇:う、うん…
頬に赤みがかかった〇〇を、瑠奈は微笑んで見ていた。
人ってどうしてか、
凄く親密になって一緒にいたくなるらしい。
どんな擦れ違いがあっても、それを乗り越えたら…
fin.
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