普段は強面で凶暴な彼女は、僕の前では嘘みたいに優しい。12話
(※時期的にだいぶ遅くなってすいません…な内容です。)
(電車の走行音)
〇〇:…
車窓に寄りかかって、〇〇は眠っていた。
ちょんっ
〇〇:ん?
瑛紗:あ、起きた。
〇〇:ごめん、寝ちゃってた。
瑛紗:ふふ、良いよ。寝顔可愛かったし。
〇〇:え、あぁ…
瑛紗に指摘されて、〇〇は顔を赤くしていた。
〇〇:昨日楽しみ過ぎて中々寝付けなくて…笑
瑛紗:私もだよ。
〇〇:じゃあ、瑛紗も寝てない?
瑛紗:寝たけど、4時間くらい?
〇〇:本当?
瑛紗:うん、でも全然元気…
瑛紗:ふぁ〜
〇〇:やっぱり眠いよね。
瑛紗:で、でもほら!景色とかちゃんと見とかないと。
〇〇:うん。
数分後…
〇〇:zzz
瑛紗:zzz
最初ははしゃいでいたがすぐに眠気に負けて、〇〇と瑛紗は互いに肩を寄せて眠っていた。
〜一昨日〜
瑛紗:死ぬ…
ガチャッ
ゴミ出しに行っていた瑛紗が家に帰ってきて、ソファーにダイブした。
ピッ
瑛紗:くー、涼しい…
ミーン ミーン
瑛紗:折角の夏休みだし、夏らしいことしたいな〜…
?:キャハハハ!!
外から、家族連れと思われる会話が聞こえてきた。
瑛紗:良いな〜、楽しそうで。
?:うーみ、うーみ!
?:ほら、あまり煩くしないの。
?:はーい。
暫くして、家族連れの会話が聞こえなくなっていった。
瑛紗:海か…
瑛紗:ん?
瑛紗:それだ‼️
ソファーから跳ね上がり、瑛紗は家を飛び出した。
〇〇:ふ〜、これで頼まれたお使いは終わったし…
スーパーから帰り道を歩いていた〇〇は買い物袋を覗き、親に頼まれた物を確認していた。
ヒュンッ バゴッ
〇〇:⁉️
?:ぐへぇ…
〇〇:(まさか…)
突拍子もなく目の前を飛んできた不良がゴミ捨て場に突っ込んで、足だけ出たまま埋まる様を見て〇〇は察した。
?:ぎゃああああ‼️
バゴーーン‼️
?:ぐほぉ⁉️
?:ぬごぉおおおお‼️
バゴッ カランッ ガチャッ
続けて飛んできた不良2人は、1人は先ほど飛んで来た不良に重なるようにゴミ捨て場のゴミ袋に埋まり、もう1人はゴミ箱の中に綺麗に入り埋まって蓋が閉じた。
瑛紗:あ〜、人の通る道邪魔しやがって!
瑛紗:ふーっ
パンパンッ
〇〇:(やっぱりね…)
瑛紗:あ、〇〇ー‼️
〇〇:やぁ、瑛紗。
瑛紗:会いたかったよー‼️
ぎゅーっ
〇〇:わ、分かった分かった…
真夏の中抱きしめられる上に瑛紗の腕力もあって、〇〇は顔が赤くなった。
瑛紗:ま、〇〇⁉️
瑛紗:顔が赤いよ!まさか熱中症…
〇〇:違うよ、平気だよ?
〇〇:だから落ち着いて。
瑛紗:す、すまん…
〇〇:ところで、なんかあった?
瑛紗:あ、そうだ。〇〇、海行こう!
〇〇:海?
瑛紗:うん、だって夏じゃん?
瑛紗:だから、海行こう。
〇〇:あぁ、良いね。
〇〇:で、いつ行くの?
瑛紗:今!
〇〇:カクッ…
いつもながら、〇〇はずっこけた。
〇〇:今からなんて無理だよ、何も準備出来てないし。
瑛紗:あっ…そっか。
瑛紗:よし、今から準備しに行こう!
〇〇:わっ!
〇〇の手を引き、瑛紗はダッシュし始めた。
瑛紗:まずは水着を買いに行くぞー!
〇〇:待って!
瑛紗:んーもう、じれったいな〜笑笑
〇〇:その前にまず、高校生が親から許可もらってないのに勝手に海出ちゃマズいよ。
瑛紗:あ…
〇〇:ね?まずはお互い…
瑛紗:説得なら任せろ、〇〇のご両親への。
〇〇:い、いや…何もそこまで…(汗)
それから色々あったが、なんとか2人は海に出掛けることが出来たのだった。
〜現在〜
瑛紗:ひゃっほぉーー‼️
瑛紗:海だぁあああ‼️
〇〇:わ、ちょっと速いって瑛紗!
瑛紗:わ⁉️
〇〇:へ⁉️
ドサッ
浜辺を走り出した瑛紗がすぐさま転び、手を繋いでいた〇〇も道連れだった。
〇〇:うぅ…
瑛紗:ぶほぉ!
瑛紗:なんて日だ‼️
〇〇:言ってる場合じゃ…
瑛紗:ぶふっ!
〇〇:何?
瑛紗:あはは、〇〇顔すっごいよ?笑
〇〇:そりゃあ砂に埋もれたらって…
〇〇:ぶふっ!
瑛紗:何?
〇〇:て、瑛紗だって顔がすごいって笑笑
お互い砂まみれの顔面を見合っては肩を叩き合い笑っていた。
〇〇:ここで良いかな?
浜辺で適当なスペースを見つけて、〇〇と瑛紗はビニールシートを敷き拠点を作った。
瑛紗:良いところ取れたね〜
〇〇:ね。
瑛紗:さて…着替えないと。
〇〇:先着替えてきて良いよ〜
瑛紗が海水浴場の女子更衣室に向かっていくのを見届けて、〇〇は待つことにした。
〜数分後〜
瑛紗:〇〇ー。
〇〇:おかえりー、って…
〇〇:⁉️
瑛紗:に、似合ってるかな?
瑛紗が戻ってきた瞬間、見てはいけないものを見た気分になった〇〇であった。
〇〇:え、あぁ…
瑛紗:やっぱ、こんなの変だよね…?笑
〇〇:う、ううん!
瑛紗:ん?
〇〇:いやぁ…その、似合って…るよ?
瑛紗:ほ、本当?
瑛紗:よ、良かったぁ!
〇〇:うん、すっごく可愛い…
ぷしゅ〜 バタンッ
瑛紗:ま、〇〇⁉️
シートの上に仰向けになって倒れた〇〇の顔を、瑛紗が叩いて目を覚ませようとした。
〇〇:うぅ…?
瑛紗:だ、大丈夫?
瑛紗:具合悪い?
〇〇:あ、いや…全然。
気絶してから数分経ち目が覚めた〇〇は、瑛紗に謝った。
〇〇:ごめん、心配かけて。
瑛紗:ううん、大丈夫なら良かったよ。
〇〇:じゃ、き、着替えてくるね。
瑛紗:うん、行ってら〜
男子更衣室に向かい、更衣室に辿り着くと〇〇は海パンに着替えた。
〇〇:(うぅ…我ながら情け無いな…)
普段高校ではパーカーを着てヤンキーな雰囲気を出している瑛紗に見慣れていたせいで、水着姿の瑛紗を見て泡を吹いていたことを思い出して〇〇は肩を落としていた。
〇〇:(普段とは違う格好とはいえ…)
〇〇:(でもそう考えると、やっぱ瑛紗も女の子なんだな…)
やっぱり可愛いく見えたいものなのか?
そんなことを考えながら、更衣室を出た。
〇〇:(しっかりしろー〇〇、折角の瑛紗との海なんだから。)
頬を叩いて喝を自身に入れた。
〇〇:ごめん、お待たせ…
〇〇:あっ…
瑛紗が待つ拠点に戻ってくると、砂浜から突き出た脚が6本あった。
瑛紗:ふ、そこに一生埋まっとけ。
〇〇:あの、瑛紗?
瑛紗:あ、おかえり〇〇♪
〇〇が戻ってきて、瑛紗は表情を変えてニコニコし始めた。
瑛紗:道迷ってた?
〇〇:ううん、大丈夫。
瑛紗:なら良かったよ。
〇〇:うん、ところでこれは?
瑛紗:え?ああ、別に大したことないよ〜
瑛紗:なんかね、ナンパしてきて腹が立ったから…
瑛紗:ビーチフラッグ🚩になってもらったんだ〜♪
?:…すけて…
〇〇:あの、抜いてあげて?
瑛紗:え〜、仕方ないな〜
ガシッ
?:⁉️
ザバァ
砂浜から突き出ていた脚を、瑛紗が引っこ抜き持ち上げた。
?:ぶほぉーー‼️
〇〇:(あ…可哀想に…)
瑛紗:二度と来んなよ?
バサッ
?:ひぃ…す、すいませんでしたぁあああ‼️
ザバァ
?:え?
瑛紗:次こんなことしたら、どうなるか分かるよな?
?:え、あぁ…
〇〇:て、瑛紗。もう少し優しく言わないと。
瑛紗:え?優しく?
〇〇:うん、だってこの人…
?:うぅ…あぁ…
〇〇:泣きそうだし。
瑛紗:分かったよ。
急に打って変わって瑛紗はアイドルスマイルになった。
瑛紗:次、こんなこと〜しちゃったら〜
?:は、はい…
〇〇:いや、何もそこまで…
瑛紗:海に沈めて、二度と陸にあがれないようにしちゃうね♪
?:⁉️
〇〇:(ダメだこりゃ…)
砂浜に埋まっていた残りの1人を瑛紗に埋められた2人が引っこ抜き、退散していった。
瑛紗:さ、海に入ろっか。
〇〇:うん、そうだね。
ジャボーンッ
瑛紗:きゃ、冷たーい!
〇〇:わ、冷たいね。
瑛紗:えい!
パシャッ
〇〇:わっ!
瑛紗:ふふっ。
〇〇:やったな〜、瑛紗!
パシャッ
瑛紗:きゃっ!
〇〇:ふふ〜ん。
瑛紗:なら、食らえー!
〇〇:⁉️
ザバァーン
〇〇:ぶはぁ!
〇〇:な、浮き輪はズルいって笑
瑛紗:えへへ、ごめんって〜笑
〇〇と瑛紗はそれから海で楽しく遊んでいたが、周囲から人が減っていることには気が付かなかったようだった…
「あの子に逆らったら、多分ヤバい…」
そんなヒソヒソ話をしながら、海水浴場に来た客たちは離れていったのだ…
12話 完
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