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普段は強面で凶暴な彼女は、僕の前では嘘みたいに優しい。14話
〇〇:…
朝になり〇〇が目を覚ますと…
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瑛紗:おはよ、〇〇。
〇〇:へ⁉️
瑛紗:朝ご飯出来たわよ。
〇〇:な、なんで瑛紗が家に?
〇〇:(てか、ここ僕の部屋じゃない⁉️)
壁の模様などがいつもと違っていることに〇〇は気がついた。
瑛紗:なんでって、私たち夫婦じゃない?
〇〇:ふ、夫婦⁉️
〇〇:な、何言ってるの⁉️僕たちまだ高校生だよ?
瑛紗:あはは、もう冗談はやめてくださいな。
〇〇:冗談は瑛紗の方じゃ…
訳が分からなくなっていた〇〇の視界がぼやけていき…
〇〇:わぁ⁉️
起き上がると、そこはいつもの〇〇の部屋だった。
〇〇:夢か…
〇母:どうしたの〇〇〜?
ドアをノックされ、〇〇の母が聞いてきた。
〇〇:ああ、ごめん。なんでもないよー
〇母:そう、なら良いんだけど…朝ご飯出来たから降りておいで。
〇〇:は〜い。
部屋を出て顔を洗いに行き、食卓に向かおうとした。
〇〇:なんであんな夢を…
タオルで濡れた顔を拭き、鏡を見ながら呟いた。
制服に着替え朝食を食べた〇〇が家を出ようとすると、
瑛紗:わっ!?
〇〇:わっ!?
〇〇:瑛紗?
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瑛紗:へへ、迎えに来ちゃった。
瑛紗:〇〇と一緒に学校まで行こうと思ってさ。
〇〇:そっか、ありがとう。
〇〇を迎えに来た瑛紗と家の前で出会った。
〇母:いってらっしゃ…あら、瑛紗ちゃんおはよう。
瑛紗:おはようございます、お母様。
〇母:良いわね〜、青春していて。
〇母:はぁ〜、あの頃が懐かしいわ…
〇〇:母さん?
〇母:あ、ごめん。なんでもないわ、いってらっしゃーい、2人とも。
〇〇・瑛紗:いってきまーす。
母の様子が気になった〇〇だが、一先ず瑛紗と学校に向かうことにした。
瑛紗:ひゃ〜、寒くなったね〜
〇〇:そうだね、もう冬だし。
瑛紗:はぁ…あっ!
ぎゅっ
〇〇:?
瑛紗:見つけた、私のホッカイロ。
〇〇:へ?
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瑛紗:あったかーい♡
〇〇の腕に抱きついて暖をとる瑛紗を見て、
〇〇:(可愛いな…)
〇〇:(もし瑛紗と結婚したら…毎日…)
〇〇:(って、何考えてんだか笑)
妄想に浸っていた。
チンピラ1:おい、そこの2人。金よこせ。
〇〇:(うわ、また出てきたよチンピラ…)
チンピラ2:よこさねーとどうなるか分かるよな?
RPGの道中に毎度毎度出てくる雑魚敵のように、チンピラたちと遭遇した〇〇と瑛紗。
〇〇:あの〜(これ毎回言う気がする…)無理だと思いますよ…
チンピラ3:あ、どーゆう意味だコラァ⁉️
(〇〇が瑛紗の方を指差す)
チンピラ1:ん?
瑛紗:・・・
瑛紗:❗️
チンピラ1:んお⁉️
目をガン開きさせた瑛紗がチンピラの1人に急接近し、胸ぐらを掴むと…
ガシッ
ヒューンッ
チンピラ1:ギャアアアア⁉️
公園の草木に、瑛紗に投げ飛ばされたチンピラの1人がダイブしていった。
ガシッ
チンピラ2:ひぃ⁉️
瑛紗:金よこせだ?あ?
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瑛紗:よこすわけねぇえええだろうがぁあああ‼️
ヒューンッ
チンピラ3:す、すいませんでした‼️
瑛紗に退治されたチンピラたちが逃走していった。
瑛紗:ったく、人の邪魔しやがって。
〇〇:相変わらず、絡まれるね…僕たち。
瑛紗:さてと、んふふ♪
ギュッ
瑛紗:えへへ、ダーリンとの時間だ〜
〇〇:へ⁉️
(妄想)
瑛紗:ふふ、今日も天気良いわねあなた〜
〇〇:そうだな、瑛紗。
瑛紗:あのね、嬉しい報せがあるの。
〇〇:なんだい?
瑛紗:お腹にね……赤ちゃん出来たの!
〇〇:えぇえええ⁉️
瑛紗:うぉお⁉️
〇〇:へ?
瑛紗:びっくりした、急にどうしたの??
〇〇:あ、いや…なんでも…
妄想から覚めて我に返った〇〇だったが…
「良いわね〜、青春していて」
「はぁ〜、あの頃が懐かしいわ…」
家を出る際に聞いた母のぼやきが気になっていた。
〇〇:ただいま〜
〇母:おかえり…〇〇…
学校が終わり家に帰ってくると、〇〇の母が食卓で沈んでいた。
〇〇:どうした?元気ないけど?
〇母:お父さん、今日も夜遅いんだって…
〇〇:そっか。大変だね、父さん。
〇母:うん、仕方ないんだけど…
〇母:でもなぁ…
それから、夕食になり…
〇〇・〇母:いただきまーす。
パクッ
〇〇:ぶほッ⁉️
〇〇:っ、しょっぱい‼️
〇母:あらやだ…塩加減間違えちゃったみたい…
〇〇:で、でもほら…ご飯進むから良いかも!
〇母:そう?なら良いけど…
ス〜
〇母:うぇ⁉️マズい…
〇〇の母が作っている料理がどれも、いつもと味が違っていたり、匂いがおかしかったりした。
〇〇:(ヤバい、本当に元気ないんだ母さん…)
ー翌日ー
〇〇:う〜ん…
瑛紗:どうしたの〇〇?
〇〇:へ?
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瑛紗:顔色悪いよ?
〇〇:あ、うん…ちょっとね…
瑛紗:まさか、具合悪いんじゃ…
〇〇:いや違うよ?笑
〇〇:そうじゃなくて…
瑛紗に〇〇は、家での母のことを話した。
瑛紗:ありゃま…〇〇のお母さんが…
〇〇:うん、最近ずっと元気なくて。
瑛紗:ん〜…
瑛紗:あっ!
〇〇:どうしたの??
瑛紗:耳貸して。
〇〇:え、あぁ…
ヒソヒソ…
〇〇:ただいま〜
〇母:おかえり〜…
〇母:はぁ…
〇〇:あ、そうだ!
〇〇:明日から、友だちの家に泊まりに行くね!
〇母:へ?あ、明日から???
〇〇:うん、もう向こうのご両親には許可とってもらったから。
〇父:ただいま〜
〇母:え?
〇父:どした、母さん?
〇母:いや、だって今日珍しくあなた早いなって…
〇父:いやはぁ〜、今日は仕事早めに終わらせられたよ。
〇父:あ、そうだ〇〇から聞いたか?
〇母:え、ああ…明日から友だちの家に泊まるって。
〇父:そうそう。
〇父:だからさ、母さん。
〇父:いや、有希子…
〇母:え…?
ー次の日ー
〇〇:瑛紗〜
瑛紗:あ、〇〇!
家を出た〇〇が瑛紗と事前に待ち合わせにしていた場所に到着した。
瑛紗:よし、作戦開始なのだ〜
〇〇:ん?あっ!
瑛紗:え?
〇〇:隠れて。
瑛紗の両肩を掴んで、〇〇は瑛紗と一緒に草陰に隠れた。
瑛紗:ん?もしかして…
瑛紗が指差す先には、一組のカップルが歩いていた。
〇〇:うん、あの2人が僕の母さん父さん。
○母:ねぇ〜あなた?
〇父:な、なんだい…?
〇母:今日の私、どう?
〇父:え、あ、あ…
〇父:凄く、可愛い…
〇母:え?
〇父:あ、ごめん…
〇母:いや違うの!
〇父:え?
〇母:その…あのね…
久しぶりに2人で出かけることに慣れていないのか、〇〇の母と父ともに顔が真っ赤になっていた。
瑛紗:きゃ〜、2人とも可愛い!!
〇〇:なんか、まるで…
瑛紗:初デートみたいにだよね。
〇〇:うん。
瑛紗:私たちもあんな風になれたら良いよね〜
〇〇:へ?
その言葉が引き金となって、〇〇の頭の中でまた妄想が始まった。
瑛紗:ん?〇〇顔赤くない?
〇〇:ん?ん?は?は?は?
瑛紗:ね〜、何考えてるの〜??
〇〇:いや、だから…別に何も…
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瑛紗:教えてよ〜
〇〇:ぎゃー、ちょっほっぺ引っ張らないで!!!
瑛紗:あ、見て〇〇!
〇〇:え?
視線の先に、手を繋いでいる2人の姿があった。
〇〇:ふふ、上手くいきそう。
瑛紗:それじゃ、私たちも行きますか〜
〇〇:そうだね。
〇〇の両親たちが駅の方に歩いて行くのを見届けて、〇〇と瑛紗は出発した。
15話に続く