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憂鬱な日曜の夕方が、迷子の美人と出会って変わった話 4話


〇〇さんとカレーを一緒に作って食べて、その後お風呂にそれぞれが入ってからソファーでくつろぎながらテレビでバラエティを見て大笑いした。


さくら:ふぁ〜。

〇〇:もうそろそろ寝ますか。

さくら:そうですね。

〇〇:今日はどうします?寝る場所。

さくら:あぁ…

流石に昨日に引き続き隣で寝るのは悪いかと思って、

さくら:今日はここで寝ます。

そう言って布団を取り出しに行こうとすると、

〇〇:俺、敷いておきますよ。

結局、〇〇さんに布団を用意させてしまった。


さくら:ありがとうございます。

〇〇:いえいえ。じゃ、おやすみなさい。

さくら:おやすみなさい。

〇〇さんが寝室に向かうのを見届けてから、リビングの電気を消して布団に入った。

昨日より広く感じて、一瞬だけ優雅な気分になった。

さくら:ふぁ〜、寝よ。

それから目を瞑った。




ガシャンッ


?:テメー、何回言えばわかるんだよ!!!

さくら:ご、ごめんなさい…

?:うっぜーーんだよ!!

さくら:きゃっ


パァンッ ドサッ


?:誰のおかげで生活できてると思ってんだよコラ?

さくら:そ、それは…あなたのおかげで…

?:ああん?聞こえねーな。

ガシッ

さくら:うっ!

?:ほら、ちゃんと耳元で言ってくれよな??

さくら:うぅ…あ、あなたの…

?:聞こえねぇーーよぉ!!!!!

さくら:あなたのおかげです!


バッ 


さくら:きゃっ!

?:は、ようやく聞こえたわ。

?:でも遅すぎるからな…

?:罰として、俺に奉仕しろよな…

さくら:!?

?:へへへ…


ビリッ ベッ


さくら:いやぁああああ !!!!




〇〇:!?

リビングからさくらさんの悲鳴が聞こえ、すぐベッドから飛び起きて寝室を出た。

〇〇:さくらさん!?

リビングに着いて電気をつけると、さくらさんが涙目になって掛け布団にしがみついて怯えていた。

〇〇:何があったんですか?

さくらさんのもとに駆け寄って膝を下ろして聞いた。


さくら:〇〇さん…

ゆっくり顔をこちらに向けて、それから勢いよく抱きついてきた。

さくら:うぅ…ごめんなさい。

嗚咽しながら謝ってきた。

〇〇:大丈夫ですよ、俺は。

慰めようと左腕をさくらさんの背中に回し、右上で頭を優しく撫でた。


しばらくしてさくらさんが落ち着いたので、さくらさんにパーカーを着せて寒くないようにしてあげて、ソファーに移動して二人で座りさくらさんから話を聞くことにした。


さくら:夢に知らない男の人が出てきて、私を殴ってきて…

さくら:それから首元を掴まれて、脅されて…

さくら:それから、服を…


思い出しくない光景だったんだろう。

さくらさんは、言うのを躊躇った。


さくら:ごめんなさい、これ以上は…

〇〇:ああ、いえ…全然。

〇〇:怖い夢、でしたね。

さくら:はい…

〇〇:(まさかとは思うけど、さくらさんの記憶喪失と関係があるんじゃ…)

と憶測していると、

さくら:でも夢に出てきた男の人、さっき買い物した帰りにすれ違ったカップルの男の人とそっくりで…

〇〇:え?

さくら:そのカップルの男の人を見た時も、頭が痛くなってそれで変な光景が見えて…

〇〇:(それで、あの公園のベンチで蹲っていたのか…さくらさん。)

さくら:きっと偶然じゃないと思うんです。だから…

〇〇:?

さくら:だから怖いんです、それがもし無くした記憶と関係してるとしたら…

〇〇:さくらさん…

さくら:私どうしたら…

それから、さくらさんは俯いていた。


〇〇:さくらさん。

声をかけると、ゆっくりとこちらに顔をあげてくれた。

〇〇:その夢に出てきた男の人、きっとさくらさんの記憶に関係あると俺は思います。

〇〇:その…怖がらせるつもりじゃないですけど。

〇〇:もし俺がさくらさんなら、記憶を取り戻して男の正体を知った方が良いと思うんです。

〇〇:いつまでも、得体の知れない存在に脅かされるのは嫌なので。

さくら:〇〇さん…

〇〇:でも、これはあくまで俺の意見です。さくらさんが記憶を取り戻さないでこのままでいたいというなら、俺はそれでも良いと思います。

〇〇:どっちを選んでも、俺は味方でいますから。

〇〇:さくらさんを支えていくつもりです。

さくらさんの意思を尊重することを伝えて、返答を待った。



さくら:〇〇さん。

〇〇:はい。

さくら:私…


記憶取り戻したいです。


〇〇:本当にそうしたいですか?

さくら:本当は怖いって気持ちで一杯です…

さくら:でも、このままなのもダメだと思っています。

さくら:だから逃げずに記憶を取り戻して、男の人の正体を突き止めたいです。

そう決心したさくらさんは、俺に微笑んできた。


さくら:それに今は〇〇さんがいますし、きっとなんとかなりますよね!

〇〇:さくらさん。

さくら:って、なんかすいません。他力本願みたいな感じで。

〇〇:いや、そんなことないですって。

〇〇:俺からさくらさんを支えたいって言い出しましたし。

〇〇:さくらさんが記憶を取り戻すのを、手伝わせてください。

何故か土下座してまで頼み込んだ。

さくら:あ、あの…そこまでしなくても。

〇〇:え、ああ!ついうっかり…

さくら:でも、本当に〇〇さんで良かったです。

さくら:あの時、ナンパから私を助けてくれたのが〇〇さんで。


その後、昨日と同じく2人で同じベッドに寝ることにした。


さくら:やっぱり、ここが落ち着きます。

〇〇:そ、そうですか。

さくら:じゃあ、おやすみなさい。

〇〇:おやすみなさい。


さくらさんが目を瞑るのを見届けてから、目を瞑った。

恐怖と戦う方を選んださくらさんを、俺は全力でサポートすることにした。


5話に続く。

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