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ゲーム配信中なのに、イチャつこうとしてくる女先輩たちというラスボス

PM10:00


〇〇:え〜、みなさんこんばんは。

〇〇:生配信にお集まりいただきありがとうございます。

〇〇:さて、今日やるゲームはですね…

配信を開始して挨拶をすませ、今日実況プレイするゲームの説明をしていると…


(インターホンの音)


〇〇:(え、こんな時間に配達?)

コメント欄を見ると、インターホンの音がしっかり視聴者の皆んなに聞こえているのが分かる。

「え、インターホン?」
「ウー〇ーイー〇じゃない?」
「いや、それはないだろ」
「じゃあ、配達?」
「こんな時間には受け付けてない筈だろ?」

それぞれが、インターホンを鳴らした者の正体を推測しているようだ。

〇〇:すいません、ちょっと席を外します。すぐ戻りますので。

と断りを入れてマイクを切り、玄関の方へ向かった。


〇〇:は〜い。

玄関に辿り着きドアを開けると、

美月:やっほ〜

蓮加:お邪魔するね〜

大学の先輩の美月さんと蓮加さんが立っていた。

〇〇:な、何してるんすか⁉️

美月:何って、愛しの〇〇くんに会いに来たんだよ。

蓮加:違うから。〇〇くんは蓮加のです!

美月:いつ決めたのよ?というか、私は〇〇くんと既にデートしているから。

蓮加:何⁉️んなの聞いてないぞ!

〇〇:(うわ…マイク切っておいて良かった。)

夜に突然訪問して早々に、意味不明な言い合いを始めてこちらは呆れそうになった。


〇〇:あの…2人ともお帰りください。

蓮加:え〜、そんなこと言わないでよ〜

美月:終電無くて帰れないの〜

〇〇:嘘つけ。

〇〇:この前、近くで日付超える寸前まで飲んでて、終電余裕とか言ってましたよね??

美月:うぐ…

蓮加:っていうか、今なんかしているの?

〇〇:配信中です!

〇〇:だから、今は手が離せないんです。

そう言って、無理やりドアを閉めようとした。


蓮加:待って。

ドアの取っ手を蓮加さんが掴んで止めた。

蓮加:ゲーム配信だよね?

〇〇:ええ、まぁ…

蓮加:それならさ、ウチらも手伝うよ。

美月:そうそう、3人なら配信ももっと盛り上がるじゃない?

〇〇:そういうことなら…

まぁ、悪くないと思って二人を家に入れた。


というのも、美月さんも蓮加さんも俺と同じゲーム実況者で、俺よりチャンネル登録者数が圧倒的に多いからだ。

二人とコラボすれば、当然視聴者も増えるだろうと言う魂胆で…




〇〇:えっと〜、すいません。お待たせしました。

〇〇:今ですね、インターホンを鳴らして来た人たちに隣に来てもらっているんですが。

マイクを付けて再び実況を始めると、またコメントがざわつき始めた。


「誰だ誰だ?」
「兄弟とか?」
「だったら、ストレートに言わないか?」
「コラボとか?」
「ゲリラコラボか」
「いや〜、気になる」
「まさかヒカ◯ン!?」
「それはないな」



〇〇:みなさん、色んな予想されていますね。

〇〇:え〜それでは、今から隣にいるお二方に自己紹介してもらいます。

それから、二人にマイクに向かって喋ってもらった。

美月:こんばんは〜、山ちゃんゲームズの山ちゃんです。

蓮加:れんたんチャンネルのれんたんで〜す。

案の定、コメントが一気に沸いた。


「マジ!?」
「山ちゃんだぁぁ!!!」
「え、ガチの?」
「れんたんじゃん!!やば、鳥肌立つ」
「配達じゃなくて、まさかの実況者」
「〇〇くんが山ちゃんとれんたんとコラボはあつい!!」


現在の配信視聴人数が最初は1000人だったのが、一気に10000人に増えた。


〇〇:はい、ということでですね、山ちゃんさんとれんたんさんに来てもらいました。

〇〇:まあ、この配信を最初から聞いていたら分かると思うんですが、本当は今日お二人が来る予定ではなかったんですが…

と喋っていると、

美月:いやいや、そんな嘘ついちゃって〜

蓮加:昨日話したじゃん!

となぜか割り込まれた。


〇〇:いやどの口が言っているんですか?

〇〇:さっき家に来た時、今何しているのとか聞いてましたよね?

蓮加:あ、やべ…そうだった笑

美月:やべって、言い方笑

〇〇:まぁ〜それは置いておいて、こっちの予定を知らずに二人がね俺の家に遊びにたまたま来て、こうなった感じです。

美月:そうなんです〜〇〇くんに誘われちゃってて〜

右を見ると、美月さんがあざとい表情でこちらを見つめていた。

〇〇:おい、勝手に作り話するな。

蓮加:そんなムキにならないでよ〜

と言いながら、今度は蓮加さんが左腕に抱きついて来た。

〇〇:ひっつき虫になるな、今度は。

蓮加:れんたんは今からコアラさんなのだ〜

〇〇:意味分からん!!

と、二人のせいで実況どころじゃ無くなっていたが、


「流石、山ちゃんだ」
「あざと過ぎて逆に清々しい」
「え、れんたん何してるの?」
「この3人トークおもろ」
「もう、このまま3人で喋るでよくね?」


意外にも、視聴者のみんなは食いついていた。

〇〇:(このファンの人たち、良い人過ぎる…)


美月:ってか、今からキン◯ーやるのか。

蓮加:え〜、懐かしい!

〇〇:はい、そうなんです。

ようやく実況に集中できそうだと思い、一安心した。

〇〇:今からですね、このキン◯ーのですね歴代再現データボスたちを全員連続でノーダメで撃破しようと思います。

美月:お〜、面白い!

蓮加:ノーダメか、結構難しいよね〜

〇〇:そうですね、再現データのボスたちは裏ボスということもあって全員強敵ばかりですから。

美月:でもさ、どうせならなんか更に縛りがあった方が面白いよね。

〇〇:ああ、なるほど〜よりプレイスキルが試されると。

蓮加:そうそう笑

〇〇:ん?なんで笑ってるんです??

美月:いや〜、今からやってもらう縛りは…

と二人でこそこそ話し始めた。


〇〇:?

蓮加:はい、じゃあ〜今から〇〇くんに科す縛りを発表しま〜す。

美月:え〜なんと、このボスたちとバトルしながら、私たちとにらめっこしようというものです。

〇〇:はぁあああ!?

〇〇:却下、却下!!

と叫んだものの、


「良いじゃん!」
「面白そう」
「山ちゃんれんたんに墜とされる〇〇くん羨ましい!!」
「山ちゃんとれんたん変顔うまそうだから、これは良い縛り」
「流石、実況者の鑑」


と、視聴者たちまで余計に乗り気になっていた。


美月:はい、じゃ〜キン◯ーの裏ボスたちノーダメ撃破&にらめっこチャレンジスタートで〜す!

蓮加:いえ〜〜〜い!!!

もはや、実況主が二人に変わっていた。

〇〇:(くそ〜、やっぱり追い出しておけば良かった…)


その後、ボスたちとバトルするも…

美月さんが上目遣いでこちらの目をじっと見つめて来たり、蓮加さんがものすごい変顔して来たりしたせいで、全くノーダメでボス撃破が出来なかった。

なんなら普通にゲームオーバーに何回もなってしまった…

美月:ふふ、〇〇くんあったかい。

蓮加:あ、山ちゃんだけずるい〜


しまいには、勝手に抱きついてくるし…


一番の強敵はゲーム内のボスたちではなく、

美月さんと蓮加さんだった…


fin.






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