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イスレア王国の少年(2/3)

【第2話】 

第1話→https://note.com/zuka_minohen/n/n1edf3bee8e03

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 そんな時、ふと地面を見ると、そこにはきれいな赤い宝石が付いた指輪がありました。

 少年はそれをとても不思議に思いました。この街に指輪や宝石を買えるほどの裕福な人間などいないからです。
 指輪をつけたことがない少年にとって、それはとても魅力的に見えました。

 興味本位で指輪をつけたその瞬間、少年の周りに炎が出現し、炎の中から何かが出てきました。出てきたのは人に似た、でも人でない生き物でした。
 全身からは炎が出ており、体中が真っ赤の大男のような生き物です。しかし街にいる人達は少年の方を見る素振りはありません。どうやらその生き物は少年以外には見えないようでした。

 なにが起こっているのか理解ができませんでした。少年は「自分は幻でも見ているのだろうか」と思いました。そんな時、炎まみれの生き物は少年に話しかけました。

「私を召喚したのはそなたか。」

 その生き物は、今起きていることが当たり前のことのような口調で話します。

「私は火の精霊、そなたの願い、私の炎で解決しよう。」

 火の精霊と言ったその生き物は少年の願いを叶えると言いました。少年は精霊に問いかけます。

「きみはどんな願いも叶えてくれるの?」

 それを聞いた火の精霊はこう続けます。

「左様、しかし私の炎でできることだけだがね。さあ、そなたの願いはなんだい?」

 精霊は不気味な笑みを浮かべて問いかけました。少年はその笑みを見て、背筋が凍りつきそうになりましたが、自分の願いを話しました。

「俺は王国の人間たちすべてを殺したい!!そしてこの国を変え、市民が国に怯えることなく幸せな生活を送れる国を作りたい!!」

 少年はいままでの思いを全て打ち明けます。すると精霊は

「そうか、ならば私の炎で城を燃やし、王家の人間、国王兵を全て燃やし尽くしてあげよう。そうすればそなたらを虐げる者どもはすべて消えるだろう。それでいいかい?」

 精霊が言った案を少年は快諾しました。それを見た精霊は,

「決まりだね。じゃあ今夜やろうか。夜は炎が綺麗に見えるからね。素敵な景色と声が聴けるはずだよ。」

 そういって精霊はまたも不気味な笑みをしました。
 ですが少年は気にしません。ついに国を変えることができるのだからそんな事は少年にとってはどうでもいいことです。

 少年は問いかけました。

「俺は何をやればいいんだ?」

 精霊は笑いながら少年に言い聞かせます。

「簡単さ。指輪をつけて自分の思いを念じればいいんだよ。それだけさ。簡単だろ?ではまた夜に会おう。」

 そういって精霊は消えてしまいました。消えた後の街ではまだ、市民の泣き叫ぶ声が響いていました。

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next→5/12(Tuesday) 20:00

Written by D-JACKS 

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