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エンジニアが会計をちょっとかじっているとこんなに良いことがあるんだぜ、というお話

これは CAMPFIRE Advent Calendar 2024 4日目の記事です。

こんにちは、いしづかです。CAMPFIREでエンジニアをしています。
主な分野としてはメインのプロダクトではなく、業務統制や会計など「CAMPFIREの中の人の業務」に関連するシステムを担当しています。

もともと某お奉行様の基幹業務パッケージの会社にいたこともあって簿記は2級まで持ってます。
ある程度その業務の内容を聞けば、それによってどのような会計処理が行われるかはなんとなーく想像がつく、くらいの会計知識を持っている感じです。

CAMPFIREにきてから、ちょっとした会計勉強会とかを開いたりしてたんですが、そうしたら↓のような「仕訳ニキ」スタンプが作られていました(笑)

いつの間にか作られていたSlackのスタンプ

そういえば、気づけばCAMPFIREにきて1年が経過しました。

この1年間は「ああ会計の知識がちょっとでもあって良かったな」と思うことがとても多かったです。経理の人から全部あるべき形を教えてもらわないと設計できないとかだったらマジで終わらなかったかもしれない。。。

そこで2024年のアドベントカレンダーでは、これまでぼくが「会計の知識を持っていて得したなー」って思うことを振り返って書いていこうと思います。

最前線のプロダクトサイドではなく、表面から見えない「業務業務した」分野です。めくるめく裏方サイドエンジニアの世界にあなたをご招待します。

10分後、あなたは「簿記3級」のテキストをポチっていることでしょう・・・!

これまで会計をかじってて助かったこと

ぼくのエンジニアとしてのキャリアは生産管理とか販売管理とか会計とか、いわゆる基幹業務系のシステムをいじることが多かったです。

そう言うとSIer的な企業の範疇のようにも感じられますが、事実として自社サービスを展開している会社でも働くことができています。

振り返ってみたときに、会計かじっていたことで助かってるなーって思うことを3つほど挙げてみようと思います。

1.なにはともあれ仕事がある

すごく生々しい話ではありますが、会計を押さえていることで今のところは食いつないでこれたかなあって思います。

たしかにAIの発展とともに様々なオペレーションが自動化できてきています。しかし会計は明確なルールを元に定義したロジックを流していくものなので、確率で動く(少なくとも「今の」)生成AIはちょっと相性が悪いです。

ある程度正確性が出せるとしても、どのテーブルのデータをどう用いてどのような会計仕訳にすべき、という基本的なルールは、データ構成と会計のルールを両方とも理解している人が作ることになります。

こういう事業でこういうデータができているから、このように処理してこんな感じの仕訳データができればいいんですよね!

みたいなことをとりまとめて伝えていく、といったちょっと上流のバックエンドロジック設計をやっていると、お金関係が絡む実装があるときは話が自分のところに集まってくるようになったように思います。

2.事業部サイドとのコミュニケーションがだいぶラク

会計ってざっくり言えばお金に名前をつけて管理するということです。

「名前」というのはもうちょっと会計っぽく言うと「勘定科目」です。普通預金とか売掛金とかそういうやつです。

簿記を勉強するといろんなシチュエーションのお金の動きを処理するという問題をやっていくので、どういう業務パターンだとどういう勘定科目になるかってのを掴めるようになっていきます。

そういうことを繰り返していると、ある程度業務の話を聞いただけで、その仕組みや商流みたいなものが割とすばやく理解できるようになります。

仕様設計するってとき「全体が把握できていないために、細かい機能の是非が判断できない」というのが困りポイントとしてはあるあるかなと思います。

会計がわかっているとざっくり業務フローの予測がつくので、詳細な資料を作ってもらわなくてもいいですし、なんなら「聞いた感じこういう業務が行われていると思うので、こういう機能があると良いかなと思うんですが合ってますか?」ということが早い段階で言えて、やりとりがすっごいラクです。

たたき台を先に作れるということは違ったところを修正するだけで済むということなので、ラリーが少なくてお互いにハッピーになれます。

3.設計に広がりが出る。視点がふえる

画面で出すときに使いやすいデータの構造と、集計に使いやすいデータの構造は異なります。

たとえばあなたが支払っている月々の「食費」「水道光熱費」「娯楽費」をデータにしたい、としましょう。
元の細かい支払いログは置いといて、↓のような構造がパッと思いつきます。

月々の各費用のデータの設計例

月ごとにレコードがあり、カラムが費用別になっているという構造です。画面に出すことを考えたらこういう感じがわかりやすいです。

ただしこれだと管理する費用が増えたらカラムを追加したり集計のロジックにそのカラムを追加したりしなかったりと、ちょっと影響範囲が広いです。費用科目が増えれば増えるだけ管理コストはふくらみます。

簿記をやっていると「数字が横に並んでいく」というレイアウトはちょっと違和感を覚えます。集計まで考えると↓こんな感じがいいです。

金額を1カラムで表現したもの

このように金額を1つのカラムになるようレコード単位を変更すると費用科目の増減は絞り込みを調整するだけで済みます。

これは一例ではありますが、最終的にこのように集計されて使われるだろうという形を知っていると、設計がだいぶ変わってきます。

最終形から逆算できるというのは設計する上でとても重要です。会計を知っていてレコードの単位がどうあるべきかわかるだけでお金を取り扱う機能の実装後のメンテ工数も考えた設計ができます。

CAMPFIREに「仕訳ニキ」がもっともっと増えてほしい!(※もちろんネキも)

よくよく聞いてみたら簿記勉強したことあるとか、確定申告してるとか、会計をかじったことのある人ってCAMPFIREにもちょいちょい存在していたのですが、まだまだ仕訳ニキ・ネキたちに来てほしい!!!!マジで!!!!

というのは↓のような理由があります。

CAMPFIREの中の人はクラウドファンディングだけで構成されているワケではない

CAMPFIREはクラウドファンディングを運営している会社なのですが、その運営に携わる「中の人」たちはクラウドファンディングばかりではありません。

たとえばプロジェクトがより多くの人に認知されて広がりを見せることができるように広告のサポートをする部隊がいます。彼らの業務はまさに広告代理店のそれです。

中身の話をすれば、販売管理が必要ですし、出稿管理が必要です。売上を計上するという点から見ても、広告ならではな収益認識基準があります(コレがまた意外とムズいんです!)。

彼らの業務の流れと、お金の管理と、会計上のルールをそれぞれ理解して初めてシステム面でのサポートができます。

他にもCAMPFIREにはCAMPFIRE Creationというブランドがあります。Creationは製造小売型のクラウドファンディングで、CAMPFIREがプロジェクトオーナーとなってプロジェクトを進行し、製造・販売・出荷までサポートします。

となると、発注管理・製造管理・出荷管理が必要ということです。製造数が大きくなれば分納も発生するでしょうし、月をまたいだ出荷なんかも発生します。

「月またぎ」って会計の目線ではドキドキします。(しません?)

クラウドファンディングの会計だけでもそこそこ特殊なんですが、CAMPFIREの中の人をよく見ると業界レベルで全然違うことをやっている部隊がいます。

彼らの業務を理解して、最終的に経理が仕訳できるところまでのシステムフローを考えるには、やはり会計の目線をもったエンジニアがもっといてほしいのです。

CAMPFIREはまだまだ変化しまくる

ベンチャーあるあるかもしれませんが、CAMPFIREも例に漏れず変化しまくりです。日々いろいろな施策が考えられて、すごいスピードで世に出ていきます。

いま行っているやり方も、数カ月後には変わっていたり無くなっていたりします。変化に対応できるシステム構造を日頃から心がけないと我々エンジニアサイドがプロダクトの足かせになりかねません。

ついついスケジュール優先でバババッと作って出したくなりがちです。しかし、お金の管理の部分は一度出すと作り変えるのに大変苦労します。最終的な計上までを見据えた設計は不可欠です。

ビジネスが変化するとき、お金の取り方も変化します。そんなとき、それは本質的には何なのか、どういう科目になるのか、どの単位で集計すべきかというのを瞬時に嗅ぎ分けられる仕訳ニキ・ネキが増えてほしいのです。

さあ!会計をかじってみましょう!

どうでしょうか?
カタいイメージの簿記もなかなか良いもんだと思いませんか?

ここであなたに朗報があります。
以前は日商簿記3級・2級は年3回の試験だけでしたが、2020年12月から全国のテストセンターでネット試験(CBT)が受けられます!!
もし失敗しても何ヶ月も待たなくていいのです!!

3級の知識があれば十分エンジニアとしての仕事に役立てることができます。
電帳法が始まったりインボイス制度が始まったりと細かな変更はありますが、大枠の考え方というのは変わっていません。その基礎を押さえるだけで設計の視点が変わってきます。

「エンジニアに資格は不要」論がよく言われますし、まあそんな気がしなくもないですが、システム化不可避な分野として会計はどの企業においても絶対に必要な知識です

日進月歩なITの世界で、なかなか廃れない知識の1つとして会計という分野はあなたにとって武器になることはあれど損をすることはありません。

さあとりあえず口コミがいい感じの簿記3級のテキストをポチってから

ぜひぜひコチラから入ってきて頂いてカジュアル面談をしましょう!!

特に経理業務は一切やったことはなくて10数年前に簿記を取った程度のいしづかでも、CAMPFIREではお金周りの設計・実装をいろいろと任せて頂いています。

会計をちょっとでもかじったら、あなたが輝くフィールドはここにあります!!!

(ちなみにフルリモートです。いしづかは熊本在住です。出社は物理的にムリです!)

すでに会計をかじったことのある全国の仕訳ニキ・ネキたち、
そしてちょっとやってみようかなーって思った未来の仕訳ニキ・ネキたちとお話できる日を楽しみに待っています!!


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