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2025.立春の日の夜に見たオリオンの煌めきと他人の優しさに命拾いした話。

まさかの事態だった。
ただただ、雪を撮りたい!
それだけだった。
なぜまた俺は ヘタすれば命さえ危うい状況に見舞われていたのだろう。

時間にすれば約2時間程度の間のこと。その間に起きたこと、感じたこと。まだ記憶が新しいうちに書いておく。

2025.2.3 立春の日。
普段は温暖な気候で知られる小豆島。
そう、地元の島でも 山間部では雪が降って少し積もってるのを、どうしても撮りたかったのだ。
別に、今日初めて降ったわけではない。
先日も、いつだったかは既に忘却しているが島でも雪が積もってるらしかった。1月中旬頃にも 寒霞渓で初冠雪!なんていうニュースは、にわかに知って居たのだが、仕事で泣く泣く行けなかったのだ。

同じ島に住んでる人々がこぞって「雪だ!」と写真撮ってはアップしていってるソーシャルメディアを見て、「俺も撮りたいのに!!!」と、独り嘆いていた。

そして、2月3日という日に、俺は今期初めて雪に触れた。ただただ、そんなことが嬉しくて、童心に還って雪遊びをしていた。普段なら夕陽を狙うのだが、この日は「今がチャンス!」とばかりに寒霞渓線に向かい、車を走らせる決意をしたの。

道中でも見た景色を撮っていた。まずはスマホで内海ダムの堰堤から。ダム湖の水量はこれくらいかーと。

水面の色を見れば空が青くないことも木を見れば真冬だと伝わるだろう。
コレが堰堤から望むお手軽絶景?。眼下に広がるのは草壁地区。
どこを走ってるのか一発で伝わる標識も撮る

↑スマホでサクッと撮って、まるで俺の現在地を知らせるかのように、個人のInstagramストーリーズに流す。

ハート💕が飛んでくるのが観てる人が居る証。

そこからもう少し上へ車を走らせる。
カメラでまた撮る。コレが地元民の見ているリアルだといわぬばかりに。

普通の風景撮りはたぶん撮らない色。
青く目立つのは今建設工事中のホテルだ。
山⛰へ上がる道中にも内海エリアが一望できる場所はどこかしらにある。青空なら綺麗だろうというのはキミの想像力を働かせてイメージしてね。

ここからが、待ちに待った雪❄️

雪を見た!!
その喜びをリアルタイムでXにポストした。

ポストしている時間を観れば分かるだろう。日没までそれほど猶予がないことも。

もう、年齢的にはすっかりオッサンのつもりだが、そんなことはどうでも良い。この世に産まれて何年経つのかなどという数字に俺自身は興味がない。

まだ、この時の俺は、後の悲劇を知らない。ただただ、少し煩わしい人間社会の面倒くささも忘れ、仕事のことも忘れ、世間の狭さへの苛立ちさえ忘れ、1人の人間としてプライベートを楽しむパラダイスのような休日だった。


車を近隣に停め、目的地の星ヶ城園地へ。
歩いて登っていた。
タイヤ痕の多さが、
地元民は皆考える事が同じだと物語っている。
同じ場所の違う角度。
これは確かスマホ撮り。
スマホで撮る方がスピーディーなのは否めない。

ここからが本来の俺、zuiyuとしての写活。

まずは、雪を踏めた喜びを一枚。
己の足でハートを表現した。♡
コレは一眼レフで撮ってる。

近頃、自分自身の中では、絶対に自分にしか撮れない写真ってなんだろう?と、よくよく思っていたのだが、結局のところ、それは いわゆる 【自撮り】なのではないか?と思い至ったりしていた。

もちろん、風景だって撮る。ポートレートだって物撮りだってしなくはない。周辺スナップのようなものも、夜景も、と、撮れる時に様々撮ってはいる。ただただ、記録としても。



さぁ、ここから始まるのだ。俺自身の楽しさは。

先にどんなのを撮ってたのか雰囲気を見せておこう。

帰宅後。まだまだあまり認知されてないのだが、フォロワー数が1番少ないzuiyuの写真アカウントにまずはスマホで撮ったものをポストした。
それがコレだ。


本当に凄くルンルン気分で
手がかじかんでいたが「いたーい」なんて独り言を嬉しげに言いながら遊んでいた。
手袋はしてなかった。

2025年2月3日 月曜日 17:14。
写真に記録されてる時間は17:14。まだ、俺はこの時、大事な物を落としてしまってることに気づいてなかった。

たぁぁぁのしぃぃぃぃぃぃ!!としか思ってなかった。

そろそろ暗くなる!降りなきゃ!と。束の間の楽しさを後にすることにした。
雪だるまを創って撮るまでの間は、15分くらいだろうか?分からないけど、車のとこまで、撮りながらまた歩いていた。スタッドレスではないから、安全のために比較的 雪が積もってなく、また他の車がもし来ても邪魔ではない場所に停めていたのだ。


車を停めてた場所。

観て分かるだろうか。
陽があるうちに帰れなかったのだ。


俺はココで、途方に暮れていた。


雪で作品のようなものを創ったら、カメラ📷とスマホでサクッと撮ってサクッと帰るつもりだった。陽が暮れた後まで残雪の中寒いのに外で1人長居する気など、更々あるわけがなかった。

なのに、なかったんだよ!

とっっっっても大事なものが!

車のカギが!!!!

何度も何度も
ポケットというポケットをガサゴソ手で探り、『無い!うっそ?マジ?ぇ?無い!!?』一瞬で楽しさが消え失せ、凍り付いた。

車の周りを見渡す。落としたか?さっきここで撮ってたよな?そん時か?いや、無い。。

いや、ちょ!待て待て待て待て
まだ辛うじて明るい。一旦、さっきの場所まで戻ろう。きっと撮ってる間に落としたんだろう。目を光らせながら『有ってくれ!頼む!』とブツブツ願いながらまた歩いた。雪だるま⛄️まで戻った。コレより上には行ってない。良し、また探しながら下ろう。無い!無い!いや絶対にこの辺りのどこかには有るのに見つけられなかった。
凄く真剣に探したつもりだったが、もう明かりもなくてダメだった。

たまたま腕時計をしていた。
時間を見た。18時前くらいだった。
『これじゃ寒霞渓に行ってる連中ももうほとんど仕事も終えて帰っちまってるな。ヤベぇ!!どうするかな!?』と、あーだこーだ考えていた。

もう一つの致命傷にも見舞われていたのだ俺は。

スマホのバッテリーが切れていた。勿論、モバイルバッテリーも持って無ければ、充電は車のエンジンかけなきゃ出来ない。

お手上げ!

ここにきて、なぜまた俺は絶対絶命の大ピンチに見舞われてるんだろうかと。家で大人しくしてれば良かったと。かすかな後悔をした。

車の中にはお茶もある。
オヤツもある。
写活用と夜歩く用にハンディーライトのようなのも、車には積んである。
車には!!
でも、車を開けれなければ話にならない。
もちろん、なにより、寒い😵😵!🥶😱

絶望感が襲う。

どおおおーーーしよーーー!
おうちに帰りたーーーーい!


落ち付け俺。
一旦落ちつこう。
冷静になろう。

誰かが来るのを待つ。

自分自身、いや、自分自神を信じた。

これも、きっと何かの試練。
一人きりになりたいと願ってたのはウソでしたごめんなさいと何に対しての謝罪かも分からないようなことが、ふつふつと湧き出るのを、眼を閉じて感じていた。

そう、昨夜(20252.2の話)、俺は確かに、人間イザって時に一番守らなきゃならないモノってなんだ?って当たり前だが命であり、身体だけありゃ良いんだよ!なんてアニキ(実兄ではない。)に話してたばかりじゃねーかと。回想する。

最悪、その辺の石で車のガラス割る?多少の寒さはしのげる。
そんなことも考えはした。

でも、意思はどこにあるのかと言えば

【絶っっっっ対、無事に今日中に帰る!】

それのみだった。

車を見捨てて歩いて帰る?
それもよぎりはした。ただ、体力的にも時間的にも、それには自信が無かった。いくら雪が降るような気温で イノシシは出てこないだろうとしても、日頃、運動不足な自分に、歩いて下山は選択肢の最終手段だった。

やはり、誰か来るかもしれないことに期待をしよう。そうしよう。悠長に、ポケットに入ってたタバコを取り出して一服していた。あぁ、隠したところで事実は変わらない。俺は愛煙家だ。

程なくした頃だった。

神は俺を見離さなかった。

同じことを考える若いカップルが、ドライブに来た!!!
命の恩人と言えば大げさかも知れないが、俺はこのカップルは人間の姿を借りた神だと思った。
彼らが星ヶ城園地に登っていくのを一旦は見送った。そして彼らが帰ろうとして、俺の車の横に来たとき、轢かないだろうと踏んで車の前まで行き、ジェスチャーで、「お願い!停まって!」と、意思表示した。

停まってくれた。

事情を話した。運転席に居る彼に頼んだ。
せめてケータイ貸してくれないかと。

非常事態を理解してくれて、「あ、はい!どーぞどーぞ!」と。優しい人で良かった。

親父にかけてみた。電波が無かった。繋がらない。

そっか、ここ圏外になるんか!と。

ーーーーーーーーーー
スマホのバッテリーがもしあったとしても、これじゃぁ、どの道同じだったのだなと。(数日経った今はそう思う。)ーーーーーーーーー
ーーーーー
そしたら、「じゃぁ、僕、下まで降りたら、電話かけてみるので、番号メモします!」と言ってくれ、親2人に繋がる番号を教えて託した。

後は、信じるだけ。

ここで、少し、安心した。
ただただ、優しいお兄さんを信じた。
きっと、親父が来る。たぶん。いや、絶対!と。


と、まぁ、そこからが長い。

距離感の問題だ。

俺はココで、全ての思考を放棄した。

深呼吸をした。

同じだけ時間が経つのなら、何も考えなかろうと考えようと結果は変わらない。ならば、いっそこの2度目は無い経験を、修行と捉え、無の境地に近い状態で居ようとした。

ふと、上を見た。

か細い月が、視えた。
またもや、おもむろに、シャッターを切った。
三脚など車内から出せるわけもなく、手撮りで。


9枚撮ってたうちの、比較的ブレていないやつがコレだ。
撮って出しだ。
これは、あえて月を外して切り取った目の前の世界。
俺自身が見ていたファインダー越しの世界
2025年2月3日 月曜日 18:39

とまぁ、そんなときでも結局 記録がてら写真を撮るという、心のゆとりがあったというわけだ。もう数分した時、ここでずっとジッとしててもつまらないし、いかんせん寒い!足を動かすことにした。カメラのバッテリーもほとんど切れかけていたのだけど、どうせなら切れるまで何か撮ろう!という発想に至った。

カメラをやる人にしか伝わらないかも知れないが、三脚無し、レリーズ無し、装着してるのは標準レンズ、それで撮った撮って出しがコレだ。

2025年2月3日 月曜日 19:14
sony-nex6 ←カメラ📷の機種名
SS 3.2s ISO 25600 F値 3.5 
撮って出し
 

星の煌めきだけは、いつだろうと世界中どこだろうと撮れる。ただ、3.5秒ブレずに手持ちで撮るということがどういうことかは日頃からカメラを触ってるヤツにしか分からないかも知れない。

俺自身ではかれこれ10年近く写真をずっとやってるのだ。あまり知られてないけど。実のところ、このカメラは自前のカメラではない。カメラが趣味な親父との共有物だ。(紛れもない事実)
この日も、俺が星ヶ城園地に着いた頃、親父から入電があった。「アンタ今どこ?カメラは?」と。「夕焼け撮りに行こうと思ってるんだけど」と。そう、いつもなら、親父が夕焼け撮りに行くんだろうなという思いから、月曜の夕方は一眼を家に置いて出かけるようにしていた。これは余談なのだが。

下だけを見れば、ほぼ真っ暗な道をフラフラと歩きながら、このオリオン座が視界に入ったとき、自分の中の何かが、救われた気がした。記録に留めたいと思ったのだ。寒さに凍てつきそうだった。手先、足先など、とっくにかじかんでいた。
非常事態には違いなかった。何かのタイミングや運が狂っていたら、救世主となる彼は現れなかっただろうし、一歩間違えれば「寝たら死ぬぞ」っていう事案でもあった。いかに冷静で居られるかがカギなのだ。そう、カギ。

信じて待ちながらカメラのバッテリー切れまで写真を撮って「やっぱり、ヒトって最終的には一人で産まれ一人で死ぬのか〜」なんて思ってた頃、一台の車の明かりが視えた。近づいてきた。クラクションを鳴らして、停まった。親父だった。

車のカギのスペアと、水筒に入れたお湯とスティックのカフェオレを持って来てた。

助手席に乗った。

車の場所まで戻った。

車のカギを開け、エンジンをかけた。

もっと怒るかと思っていた。
温かいカフェオレを淹れてくれた後、エンジンがかかるのを見届けて、親父は引き返して帰っていった。

車でスマホの充電しながら、甘ったるいカフェオレを飲んだ。しあわせの味がした。
エアコンと温かいカフェオレで手先の感覚が戻ってくるのを待って、安堵感に包まれながら車を走らせた。電波が入るとこまで下山したころ、俺はまた懲りもせず、Xにポストした。

もうとっくに過去ポストになってしまったが、それがコレだ。


どれもこれも、写真と言えば全部写真だ。

今思えば、よくもまぁこんなにも、たかだか2時間程度の間に、喜怒哀楽の全てを味わったもんだなと思う。タイミングと波長が合わないと、俺という一人の人間に、巡り遭うことさえ無いだろう。このブログをここまで読んだキミには、何かの気付きがあると良いなと思う。

コレがあの日、撮ってた全て。

手タレは俺
なるべくマクロ寄りで撮ってたやつ
雪道の撮って出し
フォーカスを合わすのにわりと苦労した一枚
溝が埋まる程雪降ってたのって分かる一枚
雪だるま⛄️さんを引きで撮ってたやつ。
一般的な雪だるまとは、作り方が違うということに気付いてくれると嬉しい♪

本当に、生きてる!って
それだけで奇跡なんだよね。

自分の軌跡の先に、奇跡はアチコチに散らばってよってこと。です。

あ、すみません。

ーーーーーーーーーーーーーーーここから下の写真画像は、同じ雪だるまだけど、200円だけ有料で観てください。一応、zuiyuの 作品として撮ってるものなので。これからもzuiyuの作品製作や、セクシュアルマイノリティの当事者としてや、色んな面で応援してるよって思ってくれるなら、嬉しいなと思う。もしも買ってくだされば、資金は画材購入費などに当てます。

これからも、俺はバカみたいに、描き続けるよ!

ではまた。観て、読んでくれてありがとう♡


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