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オーダーメイドのインソール

先日、オーダーメイドのインソールの調整に出かけました。明治神宮前駅から徒歩数分のところにある、足のクリニックまで。


特徴的な足のお客様

足のトラブルについて興味を持ちだした数年前から、インソールについても気になっていました。NAILTrim(ネイルトリム)という、巻き爪ケアの技術を取得した頃です。
巻き爪や陥入爪になる理由を学んでいくと、爪のケアで痛みを取り除いたり、爪自体を自然なフラットな状態まで回復させることはできるけれど、それが永続的かというと、難しいことを知ってしまうのです。
そして、爪だけにフォーカスするのではなく、足そのものに対するアプローチの必要性も感じるようになります。

今は海外に住まわれているT様というお客様が、数年前、足爪のトラブルでご来店されました。左右の親指に痛みが出る。爪がぼこぼこしている。というお悩みでした。
足と爪を拝見すると、爪は巻いてもいませんし、短すぎて食い込み気味というわけでもありません。確かに表面はぼこぼこしており、少し色味が黄色っぽくなっております。
他に、T様の足の特徴としては日本人には珍しい、ギリシャ型という人差し指が一番長い足指をしていました。足自体も大きめで、すらっと長い足指でした。
おそらく、靴を履いた時の圧が親指にかかることによって、爪を生やす細胞が集まっている爪母(ネイルマトリクス)部分に負荷がかかり、爪の変形に繋がっているのではないかと思われました。
そうなると、爪の痛みや変形の原因は、特徴的な足をしていること、日常的に履く靴にあるように思われましたので、そのことをご説明させていただきます。確かに合う靴がなくていつも困っているということをお話しくださいました。
そこで、爪専門のクリニックをご紹介させていただいたのです。
横浜市青葉区にある「爪と皮膚の診療所」です。院長の山口健一先生は爪の専門医でいらっしゃいます。当時、ネイリストのためにも、Instagramで爪についてのライブを行ってくださったり、広く爪についての発信をされていました。
T様は足のトラブル解消にとても意欲的で、早速出かけてくださいました。そして、山口先生の診断を受けて、足のインソールを作ることを勧められ、インソール外来のある「足のクリニック」でオーダーメイドのインソールと、歩行機能改善(リハビリ)を受けることになったのでした。
とても嬉しそうにインソールとリハビリの話をされていたことを思い出します。お医者様に、足の形から長年の痛みや大変さを分かってもらい、対応策を出してもらえて、晴れ晴れとしたご様子でした。

そして私も

T様から、オーダーメイドのインソールの良さを聞かせていただいたこともあって、一度は作ってみたいと思っていました。今後、お客様にご説明するのにも、自身の経験があったほうが良いなという気持ちもありました。
ただ、私は親指が浮き指で、日々の歩行で疲れやすさは実感としてあったものの、日常生活に支障をきたすものではなかったので、作りたいと思ってから気づけば2年程経過していました。
そして2023年6月22日、ようやく「足のクリニック」の予約を取ります。
数か月にわたって、右膝と右腰に痛みが出るようになり、歩く度に右足首と右足に違和感を覚えるようになったことが後押しとなりました。

診察を受けます。レントゲンも撮られました。
その結果ですが、母親に昔から心配されていた偏平足ではありませんでした。幼少の頃から、できる限り動かないことを身上とし、運動を避ける傾向にあった子供だったため、偏平足だと思われていたのです。
いくら動かないとはいっても、田舎だったのでよく歩きましたし、しっかりアーチは作られていたようです。その他、骨に異常はありませんでした。
問題は、回内足(かいないそく)でした。
足を踏み出すたびに、親指側、内側に足が倒れ、踵(かかと)が外側へ向かうような歩き方をしています。
親指ではなく、その下の母趾の付け根あたりに力が入り、最終的に親指を蹴り上げるように歩くので、親指が天井を向いてしまっているのだろうということでした。
膝と腰の痛みが、足の不具合と直接関わっているのかはわかりませんが、インソールを作ることになりました。
その日は、今後の流れと費用を説明されて終わります。
インソールを入れる靴は、運動靴でもローファーでも、普段履いている靴でいいと説明されました。私は運動靴に決めて、インソールを作るための型取りは2週間後となったので、その間に自分好みの運動靴を探すことにしました。
なお、型取りから引き渡しまで、また2週間かかります。診察を受けてからインソールを受け取るまで1ヵ月は時間がかかったことになります。

オーダーメイドのインソール

インソール外来の流れと費用

オーダーメイドのインソールを作ると、どのくらいの費用になるのか気になるところだと思います。すべて自費で作ると約5万円かかります。お高いです。
T様や私のように、専門の病院でレントゲンを撮り、適切な診察を受けて治療用装具として作った場合は、一度全額を病院にお支払いしますが、保険組合に療養費支給申請書を提出し、認められると自己負担額を差し引いた金額が還付されます。3割負担の場合は、15,000円位で作れるイメージです。
8月に申請しましたが、窓口で還付までに2,3か月かかると言われているので、まだ戻ってきていません。
また、型取りなどに約5,000円かかりましたし、診察代なども入れると25,000円以上はかかることになりましたので、還付されても決してお安いとは言えません。
それでも、私の場合は仕事に役立つのはもちろんのこと、履き続けることで、足や歩き方が変わってくるのを自分の体で実験できるので楽しみです。年を重ねても歩けることが一番大事だと思っています。
今まで履き続けた感想としては、土踏まずがしっかりと支えられているのを感じます。インソールを入れる靴は、紐靴の運動靴にしましたが、自分が思っている以上に紐をきつく結ばないと良くないことも教えていただきました。
慣れるまでは筋肉痛になる可能性もあるとも言われておりましたが、この靴を履いて、高尾山のハイキングもなんなくできましたので、いい感じだと思っています。
なお、インソールの表面の黒い部分は履き続けることでぼろぼろになるそうですが、後ろの固い部分はそう簡単に壊れないので、表面がダメになっても張替えをしてもらえます。
また、保険適応でインソールを再度作りたいという場合は、一年半後になります。それ以前に例えばローファー用のものが欲しいとなると、全額自己負担になってきます。

今後は

8月頭にオーダーメイドのインソールを手に入れて、9月終わりに調整にでかけたので、2か月が経ちました。しかし、私が寝込んでいて外に出られなかった期間も考えるとひと月ぐらいです。さらに、夏は暑かったので、下駄を履く選択をするほうが多く、まだまだインソールの良さがわかったとは言えません。小指が微妙に当たるのも気になり、それは相談したところ、もう少し歩き続ければ変わってくるかもしれないから頑張れでした。頑張って歩きます。
今後は、この運動靴を履きながら、冬の間も下駄を併用することを試みたいと目論んでいます。
なぜなら、正しい紐靴の履き方を教えてもらって思ったことは、日本の生活様式に靴は不向きであるということが一番でした。

履物を頻繁に履いたり脱いだりする私たちの生活では、正しく靴を履くこと自体、難易度が高いのです。
インソールの入った運動靴は、長時間歩いたり、家に帰るまで靴を脱ぐことがない時に履いて、着脱が必要な時には下駄や草履といった日本古来の履物で対応したらどうだろうかと思案中です。

また、今までは運動神経のない自分には無理だろうと鼻から諦めていた一本下駄にも興味が出てきました。
修験者は一本下駄を履いて山中で修行をしていたそうです。山中はさすがに怪我をする光景しか思い浮かびませんが、平地ならいけるかもしれません。一本下駄を推奨している方もnoteで見つけたので、機会を見つけて履き方を習いに行きたいと思っています。
それでは、日本中の小中高学校の上履きが下駄になればいいのにと思いながら、オーダーメイドインソールの話を終わります。

お爪屋さん瑞花 白圡幸恵(yukie shirato)
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