【自戦記】指す将順位戦9th 8回戦 vs.ひぐらし


※ひぐらしさんの自戦記はこちら


この自戦記はひぐらしさんのものを読んでから書いてるので、事前に読んでいただけたほうが内容が理解しやすいと思います。ぜひ読んでみてください。

対局内容

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序盤

振り駒で後手に。
ひぐらしさんはなんでも指すので、最近の指す順で内容が怪しい事が多い相振りを選択されないか気になっていたが、早々に居飛車を選択されて一安心。
こちらはいつものノーマル三間に。

ひぐらしさんはゴキ中を予想されてた模様。
予想を外せたのは大きかったか。

その後は先に▲4六歩だったので、早仕掛け系統(へな急本線)の急戦を予想。

早仕掛け系統には最近指していて有利が取りやすかった△3一銀型で待機する方針としていたので、ギリギリまで保留することにした。

<参考>

その後は▲5六銀と繰り出して来たのでへな急はなく、右四間のような感じかと思ったので銀の保留を解除。

その後の組み合いでエルモ+4五歩仕掛けのような展開に。
経験値が比較的少ない形で△4三銀型で軽く捌くのが不安だったので、△4三金型でガッチリ受け止める構想とした。

(備考)致命傷にはならなかったが△3五歩は緩手。
桂馬の活用を封じたかったけど効果が薄かった。
省略してればこの図で△6四銀が入れられてたため、本譜の順の5筋の反発が早くできた。

本譜は構想どおりガッチリ受け止める事ができ、そのうえで5筋を抑えて2筋の逆襲が見えたので互角~やや指しやすいぐらいにはできたかなと思っていた。

中盤~終盤の反省点

序盤は結構いい感じに進められたのだが、いつも通り中・終盤にやばい指し手が多かった。

①錯覚の△5二飛~△5三銀~△4二銀


被害は軽微だったけど思考がバグってたので自警を込めて記載。
この手は何故か▲6五桂+▲3一角で自陣が崩壊すると錯覚し、それをケアしようと▲3一角を打たせないようにしようとした手順である。

▲3一角には△5二飛でなんでもない。

この図で何故か銀が取られるように見えてしまい、△2八角と打ち込む前に自陣を整備したが、かえって▲2二角のスキを与えてしまったのでよくなかた。
よくよく考えて見れば△4二銀としたところで、▲3一角は防げても▲2二角は防げてないため、指し手の目的も意味不明だった。
結果的に角の打ち合いになりそんなに損をしなかったのがせめてもの救いだ。

②筋悪の3四桂

角の撃ち合いから桂香を拾い合って数手進んだ場面。

前手の▲5六香に対するいい応手が思いつかず、長考の末に「飛車捕獲で悪いことないでしょ!」と桂を打ったがこの桂が筋悪の悪手

▲4九飛とすれば飛車は捕まえられるものの金の紐付きのため馬⇔飛車の交換になるため微妙で、その後に打った桂の活用も難しい状態に
また、エルモには上から攻めたいので6~8筋で桂香を使うような思考をしたほうが良かった。

戻って△3四桂に代えて△5五香が成立していた。
▲同香に対する回答がない(△5五同飛には△5六香)と思って早々に打ち切ってしまったのだが、普通に△5四歩で受かっていた

打点をずらす、単純なこの手が見えてなかった。

以下、▲5四同香△同飛▲5六歩には飛車を横に逃げておけばOK。▲5六香が影になっており△6六桂・△6六香があるので追撃も厳しい。
また、そうでなくても先手の飛車が狭いため△3八馬~△4七馬と飛車を追う手があるため、じっくりした展開に持ち込んで明快に有利にできた。

③通じてなかった馬切り(△5六馬)

そして実は負けてたかも知れないのが△5六馬。

指した背景は、馬切りから5筋を精算した場面(下図)が良いという判断したため。

捌く前と比べて、

  • 桂香を手持ちにできたため、△6六桂or香等で上からエルモを攻略しにいけるようになった。

  • 角⇔銀桂(香は交換)の交換なので駒得できてる

  • 眠っていた飛車が活用できてる

  • 持駒の角香で相手からの早い反撃筋がない

と思ってたのが理由。

大体の読みはあたっていたのだが、誤算だったのが最後の反撃筋がないと考えていた点。
先手から▲8六角(▲9七角)と反撃する筋があったのだ。

銀取りを受けなければいけないが、5筋に駒を足す受け(例:5三歩)には今度こそ▲5五香が激痛。△3二金には▲2二と。それ以外の受けも難しく、早い攻めもない。この順だったら負けてたかも知れない。
(なお、角道が▲7五歩のように閉じていれば、反撃筋がないため後手が若干有利+300~400ぐらい。少しの違いが大きかった。)

戻って△5六馬の場面で、将棋の最善的は△3二金と耐える順だったみたい。
この場面なら飛車が下段に効いているため▲2二とには△1一飛で馬を取り除けるので、遅延する順でどうかと言ったところか。

本譜はこの後の▲5三香成が少しありがたかった。
金香の交換ではあるが△3三金はどうせ時間が経てば取られる駒だったし、5筋の攻め駒がなくなって攻めの圧力が緩和されているようなところが大きかったようだ。

④鋭い決め手を逃した△7四香

△7六飛に対して弾こうとして▲8六金と弾こうとした場面。
本譜は決めきれる順が無位と思い△7四香と攻めが切れないように駒を足したが、この場面では鋭く△8六同飛があった。

以下、▲同歩に△7六銀と縛ると攻めが振りほどけにくく、勝ち筋となっていた。

△8七Xと6七銀成からバラして△7五桂の両狙いが防ぎにくい。
4筋方面へ逃げようとする手には5四桂を活かして△4六香があるため逃げ切るのも難しい。

⑤実は悪手だった4二銀打

そしてこの自戦記を書いていて一番の衝撃だったのが、最終盤の△4二銀。

これ悪手なんか…

素直に両取りをかけるこの手が実は悪手。

この場面は感想戦でもかなり触れていて、感想戦では代えて▲7五角の筋を掘り下げていた。
結論としては「▲7五角のほうがましだがどっちにしろ先手不利のようで、両取りかけられたらだめなので▲3一飛はずらすべきだった。」の結論だったが、真相は違っていた。

Suishoが指摘したのが、▲6一飛成~▲5五馬の順。

金の入手と馬の力が偉大。

飛車⇔金の交換は通常は損なのだが、飛車を渡しても有効な手がない(飛車を打ち下ろしても48Xとかで壁を作れる)ため後手の飛車の価値が低く、先手の金の価値が高い(金駒が0と1では寄せの難易度が違う)ためこの交換はあまり得になってない。銀も手放しているため少し損まであるかもしれない。

また、手順に惹きつけた▲5五馬の位置が好位置で、将来▲7四Xとしてこびん攻めを狙いつつ、後手の「桂を剥がしてから△8五桂~△7五桂」のように上から攻められたときの命綱となる攻防兼用の馬となっている。

先手目線としては、横から攻めようとしたタイミングで斜めの攻めに切り替えるのは難しいと思うが、この手を指されていたら自分は負けていただろう。
少し考えて見た限りではここから勝ちきれる自信はない。

本譜は素直に▲4二角成となったため盤面的にもメンタル的にも優勢に。
角の入手が大きく馬を作って攻めの厚みを作れたのでそのまま押し切れた。

終わりに

対振り急戦かつ慣れない形で中盤~終盤にかけて難しい勝負だったが、最後に勝ち星が転がって来たのは幸運だった。

中終盤が怪しいのはいつものことなのだが、前回から錯覚が多いのはいただけないので、中終盤の精度向上が今後の課題だと思う。

先手中飛車に比べて相振り・後手三間は精度が低い感じがしていて、要因としてパッと思いつくのは経験値の差かなと思うので、引き続き練習を積んで行ければと思う。

指す順の次戦は暫定1位のボロさんとのマッチング。
暫定2位の役割としては1位を引きずり下ろすことだと思うあと昇級レースを面白くしたいので、必勝の思いで挑みたい。

また、来週は久しぶりの将棋大会。
先月は体調不良で参加できなくて2ヶ月ぶりの大会なのでめっちゃ待ち遠しい!楽しみです。

遅くなりましたが、ひぐらしさん対局ありがとうございました。

棋譜

開始日時:2024/09/14 09:59:47
終了日時:2024/09/14 11:01:17
棋戦:R対局 持ち時間15分
手合割:平手
先手:higurashi_jp(1102)
後手:arahagi_(1199)
手数----指手---------消費時間--
1 7六歩(77)   ( 0:04/00:00:04)
2 3四歩(33)   ( 0:06/00:00:06)
3 2六歩(27)   ( 0:02/00:00:06)
4 4四歩(43)   ( 0:06/00:00:12)
5 4八銀(39)   ( 0:12/00:00:18)
6 3二飛(82)   ( 0:02/00:00:14)
7 2五歩(26)   ( 0:03/00:00:21)
8 3三角(22)   ( 0:03/00:00:17)
9 6八玉(59)   ( 0:05/00:00:26)
10 6二玉(51)   ( 0:01/00:00:18)
11 7八玉(68)   ( 0:01/00:00:27)
12 7二玉(62)   ( 0:00/00:00:18)
13 4六歩(47)   ( 0:02/00:00:29)
14 9四歩(93)   ( 0:01/00:00:19)
15 9六歩(97)   ( 0:01/00:00:30)
16 5二金(41)   ( 0:03/00:00:22)
17 4七銀(48)   ( 0:02/00:00:32)
18 8二玉(72)   ( 0:21/00:00:43)
19 5六銀(47)   ( 0:11/00:00:43)
20 4二銀(31)   ( 0:09/00:00:52)
21 6八銀(79)   ( 0:02/00:00:45)
22 7二銀(71)   ( 0:03/00:00:55)
23 7九金(69)   ( 0:01/00:00:46)
24 3五歩(34)   ( 0:55/00:01:50)
25 1六歩(17)   ( 0:03/00:00:49)
26 5四歩(53)   ( 0:17/00:02:07)
27 6六角(88)   ( 0:29/00:01:18)
28 5三銀(42)   ( 0:57/00:03:04)
29 2六飛(28)   ( 0:10/00:01:28)
30 4三金(52)   ( 0:10/00:03:14)
31 5九金(49)   ( 1:01/00:02:29)
32 6四銀(53)   ( 0:01/00:03:15)
33 4五歩(46)   ( 1:20/00:03:49)
34 5二飛(32)   ( 1:13/00:04:28)
35 2四歩(25)   ( 0:22/00:04:11)
36 2四歩(23)   ( 0:06/00:04:34)
37 4四歩(45)   ( 0:13/00:04:24)
38 4四金(43)   ( 0:01/00:04:35)
39 4五歩打     ( 2:29/00:06:53)
40 3四金(44)   ( 1:04/00:05:39)
41 3三角成(66)   ( 0:36/00:07:29)
42 3三金(34)   ( 0:03/00:05:42)
43 6六歩(67)   ( 0:21/00:07:50)
44 5五歩(54)   ( 0:02/00:05:44)
45 6七銀(56)   ( 0:23/00:08:13)
46 2二飛(52)   ( 0:15/00:05:59)
47 4六飛(26)   ( 0:56/00:09:09)
48 4三歩打     ( 0:03/00:06:02)
49 7七桂(89)   ( 0:06/00:09:15)
50 5二飛(22)   ( 2:58/00:09:00)
51 6五歩(66)   ( 1:05/00:10:20)
52 5三銀(64)   ( 0:01/00:09:01)
53 6六銀(67)   ( 0:01/00:10:21)
54 4二銀(53)   ( 0:49/00:09:50)
55 2二角打     ( 0:29/00:10:50)
56 2八角打     ( 0:13/00:10:03)
57 1一角成(22)   ( 0:09/00:10:59)
58 5一飛(52)   ( 0:01/00:10:04)
59 5五銀(66)   ( 1:55/00:12:54)
60 1九角成(28)   ( 0:37/00:10:41)
61 2二歩打     ( 0:10/00:13:04)
62 2九馬(19)   ( 2:54/00:13:35)
63 2一歩成(22)   ( 0:23/00:13:27)
64 5二香打     ( 0:19/00:13:54)
65 5六香打     ( 2:21/00:15:48)
66 3四桂打     ( 1:29/00:15:23)
67 4九飛(46)   ( 0:29/00:16:17)
68 3八馬(29)   ( 0:02/00:15:25)
69 5四桂打     ( 0:43/00:17:00)
70 5六馬(38)   ( 0:34/00:15:59)
71 5六歩(57)   ( 0:41/00:17:41)
72 5四香(52)   ( 0:01/00:16:00)
73 5四銀(55)   ( 0:43/00:18:24)
74 5四飛(51)   ( 0:01/00:16:01)
75 5五香打     ( 0:50/00:19:14)
76 7四飛(54)   ( 0:08/00:16:09)
77 5三香成(55)   ( 0:52/00:20:06)
78 5八歩打     ( 0:19/00:16:28)
79 6九金(59)   ( 0:49/00:20:55)
80 5三銀(42)   ( 0:10/00:16:38)
81 3三馬(11)   ( 0:28/00:21:23)
82 4六桂(34)   ( 0:57/00:17:35)
83 4六飛(49)   ( 0:51/00:22:14)
84 5四桂打     ( 0:02/00:17:37)
85 4九飛(46)   ( 0:59/00:23:13)
86 6六香打     ( 0:02/00:17:39)
87 6七桂打     ( 0:43/00:23:56)
88 7六飛(74)   ( 0:14/00:17:53)
89 8六金打     ( 0:57/00:24:53)
90 7四香打     ( 0:02/00:17:55)
91 7六金(86)   ( 0:52/00:25:45)
92 7六香(74)   ( 0:02/00:17:57)
93 3一飛打     ( 0:52/00:26:37)
94 4二銀打     ( 0:30/00:18:27)
95 4二馬(33)   ( 0:10/00:26:47)
96 4二銀(53)   ( 0:01/00:18:28)
97 3二飛成(31)   ( 0:32/00:27:19)
98 3八角打     ( 0:15/00:18:43)
99 4八飛(49)   ( 0:54/00:28:13)
100 5六角成(38)   ( 0:04/00:18:47)
101 5七銀打     ( 0:27/00:28:40)
102 7七香成(76)   ( 0:32/00:19:19)
103 7七玉(78)   ( 0:05/00:28:45)
104 6七香成(66)   ( 0:27/00:19:46)
105 6七銀(68)   ( 0:07/00:28:52)
106 5七馬(56)   ( 0:43/00:20:29)
107 8六香打     ( 0:56/00:29:48)
108 7五銀打     ( 0:55/00:21:24)
109 4二龍(32)   ( 0:53/00:30:41)
110 6六金打     ( 0:10/00:21:34)
111 8八玉(77)   ( 0:18/00:30:59)
112 6七馬(57)   ( 0:02/00:21:36)
113 5三角打     ( 0:54/00:31:53)
114 7七金(66)   ( 0:52/00:22:28)
115 9八玉(88)   ( 0:52/00:32:45)
116 8七金(77)   ( 0:33/00:23:01)
117 8七玉(98)   ( 0:19/00:33:04)
118 7六馬(67)   ( 0:01/00:23:02)
119 7八玉(87)   ( 0:27/00:33:31)
120 8六銀(75)   ( 0:55/00:23:57)
121 7一銀打     ( 0:36/00:34:07)
122 9三玉(82)   ( 0:06/00:24:03)
123 8六角成(53)   ( 0:03/00:34:10)
124 8六馬(76)   ( 0:03/00:24:06)
125 8二銀打     ( 0:50/00:35:00)
126 8四玉(93)   ( 0:02/00:24:08)
127 8八香打     ( 0:32/00:35:32)
128 5六角打     ( 0:21/00:24:29)
129 投了   ( 0:18/00:35:50)
まで128手で後手の勝ち


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