【自戦記】指す将順位戦9th 4回戦 vs.tamunet


対局内容

序盤

振り駒で後手に。
tamunetさん(以下tamuさん)は去年同様の三間飛車を選択されたので、戦型選択肢はこちらに委ねられた。

数秒の思考ののち、中飛車左玉にすることにした。
自分は基本的に対局前に戦型を決めるタイプで、今回のようにその場で大まかなプランから決めるのは珍しかったと思う。
というのも対三間に対しての手持ちのプランがこの時点で壊滅しており、

  • 最近メインにしてる角交換系に誘導→tamuさんが早めに▲6六歩型にしたので選択肢から除外

  • 三間にして相振り→最近はましになったけど攻めがまだポンコツで実践投入レベルには足りてない認識、とりわけ相三間なので経験値の差が大きそう。

  • 左穴熊→玉形の差はアピールポイントだが、速攻を受けるのも石田流から仕掛けられるのもこちらが不利になりやすい認識なので選択したくない。

  • 左玉(バランス型・美濃→銀冠)→仕掛けは封じられることが多いが、玉形が互角~やや不利ぐらいで推移しやすいのと抑えきれなかったときが悲惨。

と散々な状態。メインを封じられてサブウェポン持ち出そうとしたらボロボロであったの巻。

8割方直感であるが、選択肢の中でマシだと思う左玉をチョイス。
三間側の角道が閉じてるのもあるのでゆったりした展開になりやすく、時間が経てば穴熊にできるかもって利点も考えていた。


第一図

実践は想定通りの展開でゆったりと固め合いに。
序盤終わりぐらいの第一図では、金銀の密集度がこちらのほうが高いので後手としては十分な立ち上がりにできたと思う。

中盤~終盤

立ち上がりは良かったが、第一図からの指し手が悪かった。

再掲第一図

図面の読み筋になるように、△5六歩~△9五歩と仕掛けて行くのが良かった。桂香を先に捨てることになるが、それ以上に硬さで上回ってること、大駒が相手の囲いに近いのが大きく、十分有利な攻め合いに持ち込めた。


第二図 どうしてこうなった

本譜は上記の仕掛けを見送って4筋から銀を繰り出した後、相手の7筋からの仕掛けを無視して9筋を取り込んだが、ここが大きなミス。

後手の4筋の銀の繰り出し⇔先手の左銀のくっつけの交換は明らかに囲いのウィークポイントを補強した先手の得だし、9筋のつっかけは7筋のと金に見合うだけのリターン・速度が出せてなくて明確に割にあってない。

対局中は「なんでこんな不利になってんだ?」と頭の中がハテナマークだったが、見返してみると明瞭だった。お気楽なものである。

その後の細かいところは省略するが、基本的に第二図の仕掛けが通って一直線の攻め合いだと速度負けが明らかだったのでひたすら粘る展開。

tamuさんの手駒が少ないので寄せ方が難しかったのも幸いし、なんとか駒を埋め、攻め駒を遮断することを意識して粘ることができた。

第三図 ワーンチャン!ワーンチャン!

第三図あたりからワンチャンスを狙って反撃の種を蒔いて行った。
寄せの構図は、
玉頭叩いて金銀を上ずらせる→
桂香や馬(△5四馬と何処かで引く)で金銀を剥がす→
2枚飛車で寄せきる or 逃げられても香車を保険とする

ような感じ。

過程が多くて時間はかかるが、相手の手駒も射程が長いのは馬ぐらいしか無く、駒の補充もこちらからいっぱい渡さなければ難しいので、左辺に逃げ込んで時間を稼げれば十分現実的と思ってた。


第4図 届いたでっ…!!

実践は上記の構想が実り、△2七馬がフィニッシュブローに。
幸運にも白星を手繰り寄せることができた。


終わりに

準備不足とそこからくる仕掛けの見落としはいただけなかったが、最後まで諦めず粘って逆転することができたのは良かった。
指す順の前局は最終盤で逆転されたので少しずつ終盤を補強していたので、その影響もあったのかなと思う。
指し分けにできたら次に狙うのは自然と勝ち越しだと思うので、次局も頑張って行きたい。

tamunetさん、対局ありがとうございました。



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