解決編・前編(9/25)
これを「解決編」と銘打っていいのか、俺はこれを記している10/31になってもまだ分かっていない。9/25における諸問題の決着となるが、一ヶ月以上がここから経過しても、まだ、解決と言っていいのか自信がない。
とは言え、ある程度、物語の概要がはっきりし、黒白がある程度はっきりしたということでは謎解き編とは言えるかも知れない。謎は解けたが事件は解決していない。そんな感じである。
全部飛ばして結論から纏めようと思ったが、前段階にも味があるので前編として纏めてみた。質疑応答に関しては後編で纏めようと思う。恐らくこの前編だけ読んでも何もわからない。俺だって分からない。
幾多の謎、猜疑心、絶望、怒り、五里霧中、もうどうでもいいよ、そんなステージを何度も何度も踏み越えながら迎えたファイナルステージの有様をここまでお付き合いいただけた方には是非、見届けて欲しい。
そしてここからいきなり読まれる方におかれましては、言っておくけど意味わかんないからな、とだけ警告しておくとする。なぜなら当の俺がまったく意味、分かってないから。ここまで丹念に纏めてきたから何となく納得しているというだけである。
多分、みんな、そう。
俺だってこんなことになるとは思っていなかった。
それだけは分かっていただきたい。
余談になるが、特にミステリなどに顕著ではないかと思われるのだが、いわゆる「ネタバレ」というのはビックリする機会を失わせるという罪状があるのだが、それとは別に、丁寧に組み立てられた物語ほど、事前にオチを知っていると全ての話がうすっぺらく見えてしまうという罪があると思う。
「ここでこうしていれば」は「ここでこうしなかったなんてバカだなあ」に繋がる訳で、オチを知ってしまっていることで話の要所要所がスカスカに透けて見えてしまうという有様となる。バレの部分にいかに物語の軸がかかっているか、から考えると死罪に相当する罪ともなり得る。
単に「犯人こいつだろ」では済まされない。
まあ、この話はただの真実なので結論から考えても意味が分からないので安心して欲しい。安心できないが。逆に不安になるわ。
かなりリアリティを付与したようだが、そんなもんは一、二ヶ月で修理を終わらせて初めて成り立つような微罪であって、俺だって多少、銭、抜かれたってなんとも思わん。
一、二ヶ月で終わっていればの話だが。
そしてその推理は、もう半年過ぎているのでやはり成り立ちません。
残念でした。狩賀博士、コンピューター壊し損。
こうして俺は店へと向かう。もはや全てをたたき壊しに行くためだけの暴風と化していた。途中、道すがら、賭郎から派遣されてきた立会人、箕輪さんと目蒲さんと合流した。勝負には立会人が必要である。
この半年、俺がしっちゃかめっちゃかになりながらああでもねえこうでもねえと考え、たまに連絡をすれば予定をおかしな理由ですっとばされ、たまに連絡が来ればやれアルプスだダイナモだと意味の分からない新キャラが投入され続けた上に、話を聞けば聞くほど何が何だかさっぱり分からず、むしろどんどん分からなくなっていくという凄まじい状況下の中、遂に全てを終わらせようと動き始めた。
これには事情があり、何度調べても代車の貸出期限は半年が最大であり、通常は一週間~10日間とも言われており、なおかつ対物超過の修理期間も最大で半年であり、もはや悠長に謎の中に漂っている訳にはゆかぬのである。というか代車のフォルツァ返せと言われたら非常に困る。
くれるというならそれでいいが、くれないと思う。
フォルツァ、高いからね。
このときの衝撃は言葉では言い表せない。だって、あるんならあるって連絡しろよ! アルプスとかダイナモとか葛飾とかぐるぐるぐるぐる回っているって情報で止めるな! なんでもう店に戻ってきてますと連絡しないんだよ!
これは強烈なフェイントに完全にハマったとも言えるが、そもそもどうやって見破るんだよそんなフェイントを! 非コンピュータシグマだってわかんねーよ、だって連絡ないんだもんよ!
余談だが、この画像を見て俺は「えっあるの?」としか思わなかったのだが、タイムライン上では「残骸となって転がっている」「あの新聞紙の中には嫁の生首が詰まっている」などかなり悲観的な感想が飛び交っていたようである。ようであるというのは、あとから知った。このときはTwitterなど見ている場合ではなく、バイク屋さんと話を詰めなければならない。
これは一例だが、まあだいたい、タイムラインの反応はこんなもんであった。そらそうだよね。ただの残骸がそこにある、そうとしか思えなかったであろう。
(ちなみにお二人の指摘もそれなりに合っているが、それにすらアンサーが用意されているのであった)
ただ俺は「あった」というだけでかなり勢いが削がれていた。
ないはずのものが、あったからね。怖いね。
ここから俺は「真実の濁流」というかなり珍しい代物に呑み込まれていく。全部真実。これでもかというくらいの真実。
結論まで飛ばしすぎだが、この結論こそ予想だにできなかった。
なんでここで壊れるの、きみは?
個人的には「想像できていたね、分かっていたね」などと言える人は最早人間ではないと思う。
他の推理が出来ていました、ならまだ分かる。
「ここでフォルツァが壊れて動かなくなる」を想像できたのなら、その人は完全に非コンピュータシグマそのものと言っていい。
このときの俺たちのきょとんぶりと言ったらなかった。
「筋が通らないだろ!」と乗り込んでいったのに、話していると、筋が通ってくる。騙されているのかな、と思ったが、こっちは三人がかりである。三人を沈黙させるほど、次々と筋が通り、ダイナモもアルプスも存在する。そんなばかな。
特にこの件で大事な、とても大事なポイントなのだが「どう考えても嘘だろ!」って詰めに行ったら「そんな嘘ついて何の得があるんですか!」と返されてしまうと、そうですよね、あれ? 狂っているのはひょっとして俺たちの方なのかな? となってしまう。
とんでもない難癖をこっちがつけてしまったというか。
この「誰も得しない」という構図は、本件を考える上で非常に大切な要素となる。なんらかの利害関係があって初めて推理は成り立つわけで、成り立たない場合、強引に利害関係を仮定することとなる。
それは仮定に過ぎないので「それ俺に何の得があるんですか」と言われるとなんとも言いようがない。なぜならそんな疑いをかけたってこっちにも何一つ、得することなどないからだ。
「なんとなく筋が通っちゃったな」という事態に納得するより、本気で何もかも分からなくなっていた。何が? 何で? これほんとに筋通ってるの? 筋が通ったことが最大のミステリーと化した。
あと何故、フォルツァはここで動かなくなる。
詳しくは後編で纏めるが、とにかく全ての攻撃を全部キレイに捌かれた上に、色々こう、無理筋で乗り込みに行ったというおかしな敗北感すら発生した。そんな疑いをかけていた俺たちが間違っていたのでは、という、全ての認識が根底から覆ったような虚脱感。
なんでそんな疑いをかけたかと言われても、言われたことを列挙していったら信じられんことになったからだが。そして確かにそれらはすべて、俺は勿論バイク屋さんにとっても、一切、利のないことなのだが。
どうしてこんなことになったのだろう。
俺はただ、事故で壊されたTWを直して欲しいと言っただけだし、保険の対物超過を超過する分はちゃんと払っていた。何も問題など起きる余地がない。それがなにゆえ、半年以上も過ぎ、こんな得体の知れない状況になってしまい、そしてこのタイミングで何故フォルツァが壊れるのか。
一応、その辺は全て、次回纏める。
ちなみにフォルツァが壊れた原因までは分かりません。
多分、神のコメディリリーフ要素。
この物語は事実である。
あなたにとっても事実であったなら、嬉しい。
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