俺のバイク:ロベルタ編(6)
毎度どうも、原告です。
まだ見に行ってないんだけど、どうやらバイク屋さんが車体を返却したとのことで遂にあの牢獄から救出されたようです。しかしまあそんなことはともかくとして淡々と日々は過ぎていきます、第一回口頭弁論へと向けて。
突然なんだよ。
もう手遅れだと言っているだろう。
こうして遂に拷問部屋みたいなところからワニは救出された。
三割六分の身体欠損を抱えてしまったワニが。
八枚の遺影を持って訴訟に臨んでほしい。
これはちょっと意外な動きだった。裁判は勘弁してくださいからの徹底抗戦。またあたまのおかしいことを言い始めた。じゃあ調停に切り替えますねの選択肢を自ら潰しに来た。何を考えているのか全く分からない。
分かるが。
金のことを考えているのだが。
だがお前に金を受け取る権利はないのだが。
(仕事を終わらせていないため)
本当にこれはまさかと思うしそこまでバカじゃないと思っているのだが(註:実は思っている)賠償額分の請求書をかき集めるか作成すればチャラになるとでも思っているのではなかろうか。
バイクも返したんだしよ、ぐらいのことを。
完成していないバイクを。
仮にだが「今まで済みませんでした、バイクはお返しいたしますし預かったお金の使途も明白に致します」というのならここから調停に変化という手もあったと思うが、もうない。
あの男は一度は裁判所を通さなければならない。
そして、そんな何に遣ったんだか分からないような書類を出されても困る。何故ならその数字に根拠がないから。
仮に「ウチはこの仕事なら100万取るんだよ!」と主張をなされても主張するのは自由だし金額設定も自由だが、根拠がない上に完成させていない。させてないからこんなことになったのだし、本当に仮にだが「完成はさせているんです」ならまだ話は通じるのだが完成させていない。
俺はまだTWの姿を確認していない。
ちょっと今日は忙しかったし係争中の相手と顔を合わせるのも如何なものかと思い立ち合ってはいない。
近いうちに確認する時間を作ろうと思う。
その上でまた何かを決めなくてはならない。
なんだったらバラバラにされているより厄介かもしれない。変に組んであると細かいところのチェックがめんどくさくなってしまうのでこっちがバラバラにする手間すら発生しかねない。
ともあれ車体はあの店から切り離すことが出来た。
大きな前進と言えよう。
これで無意味にワニが死ぬ事もなくなった。
事故発生、そして預けてから836日という時間を閲して「完成していない走るかどうかも分からないバイク」が戻って来た。
ワニが死ななくなったというだけでバイク自体はそんなザマだ。
カウントは続けられる。
当たり前だ。壊れたままのバイク返してもらってどうすんだよ。
ここでロベルタからのお言葉を引用しよう。
「あの人、突然返した上で係争状態は続ける意向のようですが、仕事をしたという根拠となる車体を手放したんですけどどうするんでしょうか? きちんと記録を取っているというならまだマシですが。何にせよ立証しなきゃならないのは向こうなのでそれでもいいのですが」
愚かなり。
今後の展開に注目していただきたい。
もう少し、この話は続く。
もう少しであればいいのだが。
ロベルタ編(7)に続く。