【B'z】6th 『RUN』
ファン歴22年。独断と偏見でサラッと書いていくB'zのお話。
B'zのオフィシャルサイトで全曲試聴できます。
走り抜けるその瞬間を見た。
1992年10月28日リリース。
前作『IN THE LIFE』からよりロックにそしてメロディアスに進化を遂げたともいえる今作。
B'zの「ロックだけどポップ、ポップだけどロック」というイメージの土台を作り上げ始めたのは今作といっても良いような気がする。それくらいにB'zそのものがジャンルになりつつある時期だったのではないかと思う。
リアルタイムで聴いていない私でさえも、今作に収録されている楽曲の半数をライブで生で聴くことができている。決して演奏頻度が高いわけではないけれど、この時代に作り上げたものがしっかりと今のB'zに引き継がれて、そのエッセンスが今も根底にあることを示しているような気がするとともに、この時期の作品に魅了されたファンたちは、今でも“この感じ”を前面に押し出した曲を求めてしまうくらい依存性、中毒性の高い魅力を放っているのである。
収録曲
01. THE GAMBLER
02. ZERO
03. 紅い陽炎
04. RUN
05. Out Of Control
06. NATIVE DANCE
07. MR. ROLLING THUNDER
08. さよならなんかは言わせない
09. 月光
10. Baby, you're my home
ある種の原点回帰的作品となった10thシングル『BLOWIN'』とは一線を画しており、その世界観の違いから今作には未収録となっている。(その2nd beatである『TIME』の方が今作の色に通づるものがある気がする。)
その一方でハード路線にシフトした作品として11thシングル『ZERO』が今作の軸となる先行作品となっている。(こちらは10thと逆で、2nd beat『恋心(KOI-GOKORO)』が、B'zの全作品の中でも飛びぬけてポップな曲。こちらの曲は、前作『IN THE LIFE』の項にも書いた『もう一度キスしたかった』やミニアルバム『FRIENDS』収録の『いつかのメリークリスマス』のように、シングルカットされた表題曲ではないけれども、有名で根強いを誇る人気曲のひとつ。)
後になってみればなのだと思うけれども、12thシングル『愛のままにわがままに僕は君だけを傷つけない』、13thシングル『裸足の女神』で見せる最初期から変化したB'zサウンドの一旦の区切りとしての集大成へと繋ぐ作品ともいえる気がする。
ズバリこの3曲!
01. THE GAMBLER
B'zに限らずではあると思うけれど、アルバムのオープニングを飾る曲というのは、非常に大きな役割を果たしている。
今作のオープニングトラックであるこの楽曲のイントロは、まさにこれからの新たな章の幕開けを予感させるワクワク感に満ちている。
それは、松本さんのギターが鳴り始めた時にさらに膨らみ、ホーンセクションパートの奏でる音によって、一気に『RUN』の世界へと私たちを引き込んでくれる。
このワクワク感、そしてゾクゾク感。私の中では、2006年リリースの15thアルバム『MONSTER』における『ALL-OUT ATTACK』とともにトップに君臨するオープニングナンバーだと思っている。
04. RUN
今作の表題曲である『RUN』。こちらもライブでは定番と言える立ち位置にある曲なんじゃないかと思う。
タイトルのとおり、ここからさらに共に走り抜けていくB'zの在り方をうたった曲のようにも聴こえてくる。
振り返ること、そして前を向き続けること。
それぞれの人生の中で、それぞれにいろいろなタイミングがあって、音楽はいつまでも変わることはないけれど、こちらに届けられるメッセージは常に変化していく。
この曲とともに私たち自身が人生を駆け抜けていく中で、次はどんなメッセージを届けてくれるのか。それを楽しみにしたい。
私がファンになったきっかけともなった空前絶後の売り上げを誇るベストアルバム『B'z The Best “Treasure”』において、リメイクされるほどB'zにとって大事な曲。
10. Baby, you're my home
今作品のラストを飾るアコースティックな私の大好物なテイストの曲。前作の『あいかわらずなボクら』のように皆で輪になって、手を叩きながら歌いたくなる。決して明るい曲ではないけれど、ふとした瞬間に優しく背中を押してくれるようなそんな不思議な感覚を覚える。
SMAPの草なぎくんが、稲葉さんと共演した番組で大好きだと公言していた曲でもある。