マイ、音楽濫觴
私の音楽のはじまり。
それは、小6のとき。運命の出逢い。
私の小学校では、「今月の歌」というシステムがあった。
一ヶ月に一曲学校から歌が指定されていて、それを朝の会でクラスの皆と歌うというもの。ほとんどが合唱曲で、たまに全校の前で一学年が披露するという謎集会も開かれていた。
今思えば、校歌もパート分けされていたし、結構歌に力を入れていた学校だったと思う。
ただ、その月はなぜか歌唱する楽曲が決められていなかった。
「誰か好きな曲持ってきてイイヨ~」と、先生。
そこで当時学級委員だった彼が持ってきたのが、
『SEKAI NO OWARI / スターライトパレード』。
「始めたら終わってしまうから、終わりから始めてみよう」と結成されたこのバンドこそ、私の音楽のはじまりだった。
私が彼らに出逢う前から、当時世間にはすでに「セカオワ」という愛称が知れ渡っているぐらい、ピエロがいるこのバンドは売れていた。
にも関わらず、私にとってこのとき聴いたこの曲が、正真正銘、初めてSEKAI NO OWARIの音楽が耳に届いた瞬間だった。
あの衝撃を私はいつまでも覚えている。
忘れられない、というよりどうしても覚えておきたくて。
キラキラしたイントロ。本当にどこかへ連れて行かれてしまいそう。
星が空から降っているみたいだ。
儚い歌声。唯一無二という言葉を小6にして初めて実感。
レクイエムって何だろう。聞いたことないな。
間奏のピアノが素敵。星が瞬いているみたいなアルペジオ。
どんな指遣いで演奏しているんだろう。
「それはまるで僕たちの文明が奪った夜空の光のように」?
一体どういう意味なんだろう。
ファンタジーなサウンドに散りばめられたダーク要素の意味を、考えざるを得なかった。12歳の私にはわからないことがたくさんあった。
今でも、普段の生活で音楽を聴いているときや彼らのライブに足を運んだとき、スターライトパレードのイントロが始まると
心臓が音を立てて動いているのをたった今実感したような高揚感に包まれ、目を閉じてあの細やかな音に耳を傾けてしまう。
誰もが知るあのヒットソングに隠された、
私だけの特別な「はじまり」。