MASAYA NAKAHARA BEST PUNKS WHOLE THE WORLD
ex.暴力温泉芸者ことHair Stylisticsこと中原昌也という存在は、イコール自分の青春(の一部)であった。10代後半頃、手探りでカセットMTRや簡易サンプラー、身近にあったチープな楽器/非楽器、おもちゃなんかを用いて録音しようと躍起になっていた頃は所謂コラージュ的なもの(多分)であった。そこに至った経緯や過程はほぼ失念しているが、少なくても中原昌也の存在は間違いなく大きなものだった。だので、自分の中で彼はノイズ作家というよりも優れたコラージュやカットアップの人という認識であった。そこからせっせと録音した一本のカセットは既にデータも実物も手元にはないのだけど、その一部は今でも頭の中で鳴らす事は可能だし、そしてその一部の拙い断片を脳内再生してはほんのり赤面したりもしている。
そんな中原昌也の個展を観に渋谷へ。膨大な書籍や音源の展示ににやにやさせられ、あー自分はプレス盤のタイトルは相当数聴いてはいるけどCD-Rは数える位しか聴けてないなあと(まああの量ですもんね…)。Bandcampでも買えるタイトルあるしお金を落とせたらと。それと、中原さんの文庫を久々に読み返そうと思わせてもらったりもしたし行けて良かった。来月リリースのDJ plays Hair Stylisticsシリーズの第三弾がex.暴力温泉芸者でもある(!)KUKNACKEさんという素晴らしい人選に感謝。楽しみ過ぎる。で、お目当てのドネーションzine「HAIR STYLISTICS CATALOG 1」を購入。慣れ親しんだ音源のレビューも多く、それらを引っ張り出して聴きながら読む。この作り、以前書かせてもらったレビューzine、MAG FOR EARSに似ていて嬉しくなった。レビューする作品のチョイス、褒める貶す(まあ貶すはあまりなかったが)は書き手に全て委ねられるというものであった。
で、これを読みながら、自分の初中原昌也はなんだったんだろう?と思い返してみる。小山田圭吾やメルトバナナのメンバーも参加した「Que Sera, Sera (Things Go From Bad To Worse)」だったか「OTIS」(リイシュー盤の方かな?湯浅学佐々木敦両氏のライナーも併せてとても印象深い一枚になった。ジャケットも素晴らしいし)どちらかだろうけど、数多のコンピに参加しているそちらも色々あったなとドネーションzineのばるぼらさんのテキストを読んで色々思い出す。Sonic Plateのダブコンピへ提供の2曲は脱臼感も「らしくって」心底たまらないんだけど、この路線でダブアルバムを作って欲しいと心の底から願ったりもしたし、トランソニックのコンピ提供のトラックは、レーベルのあの充実した時期とレーベルカラーに見事合わせたかの様なトラックもまた秀逸で。キラリとしていた。エレクトロコンピ、「イルセントリックファンク」なんかもほんと繰り返し繰り返し聴いた。Cha-BashisaとA-MUSIKによるレーベルコンピ、永山学と椎名謙介のレーベルからのディスコトラックにも骨抜きにされたし、そうだ、M.O.O.D.からのディスコ7インチも忘れられません。ディスコアルバムも聴きたい。なんてこれを書きながら聴いていたのはBLACK SMOKERからリリースされているHair Stylisticsの2枚のMIXでした。がんばれ中原さん。
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