□□□とボードゲーム(1.999)〜Homoなんちゃら
前回の記事はこちら。
ここしばらくデュシャンを中心にあれこれ書きまして、結果、ボードゲームからだいぶん離れてしまいました。
まあ、そんな寄り道してもいいじゃないかと割り切りつつすすめております。
上の記事をアップしたあとで、ぼちぼちボードゲーム方面の話にシフトしようと準備していたのですが、ついついまたビミョーなものを見つけてしまいましてここ数回その話題を書くかもです。
今回は、そのつなぎとしてのお話です。
We are Homo(私達はホモです)
改めてホモのみなさまこんにちは。
ホモです。
ホモホモ連呼していますがあまりヒかないように。
Homo(ホモ)はラテン語で「人間」を意味します。
人間は生物、特に動物の範疇に入りますので他の動物と同様、動物学など学問における学問上の名称があります。
Homo Sapiens(ホモ・サピエンス)。
日本語に訳すと「賢い人」です。
いやいや私賢くありませんよ、と謙遜される方。
安心してください。
学名ではありませんがこのような呼び方もあります。
Homo ignorans(無知な人)。
binomial names(二名法名)
Homo Sapiensですが、2つの単語の構成で名付けています。
この方法をbinomen(二名法・二連名)などと呼びます。
ちなみに、Homo Sapiens Sapiensというtrinomen(三名法)もありますがこちらは主に植物で使われます。
二名法をもとにひとひねりして、様々な方々が様々な呼び方をつくっています。
ゲーム好きな方々にとってぴったりなのが、ホイジンガが提唱したHomo Ludens(遊ぶ人)です。
さて、二名法を用いてHomo XXX(ホモ・なんちゃら〜〇〇な人)という表現はどれくらいあるのか。
英語版Wikipediaに「Names for the human species(人類の名前)」の項目があります。
その副項目に「List of binomial names(二名法名のリスト)」があり、「Homo XXX」の名称の一覧表があります。
ざっと70以上。
名称(ラテン語(一部それ以外の言語)と読みと和訳)だけ並べてみます(一部略)。
Homo absconditus(ホモ・アブスコンディトゥス 「不可解な人」)
Homo absurdus(ホモ・アブスルドゥス 「不条理な人」)
Homo adaptabilis(ホモ・アダプタビリス 「順応性ある人」)
Homo adorans (ホモ・アドランス 「崇拝する人」)
Homo aestheticus (ホモ・エステティクス 「美的人」)
Homo amans (ホモ・アマンス 「愛情深い人」)
Homo animalis (ホモ・アニマリス 「魂を持った人」)
Homo apathetikos (ホモ・アパテティコス 「無関心な人」)
Homo avarus (ホモ・アヴァルス 「欲深い人」)
Homo combinans (ホモ・コンビナンス 「組み合わせる人」)
Homo communicans (ホモ・コミュニカンス 「コミュニケーションする人」)
Homo contaminatus (ホモ・コンタミナトゥス 「汚染された人」)
Homo creator (ホモ・クリエーター 「創造者」)
Homo degeneratus (ホモ・デジェネラトゥス 「退廃的な人」)
Homo demens (ホモ・デメンズ 「狂人」)
Homo deus (ホモ・デウス 「人の神」)
Homo dictyous (ホモ・ディクティウス 「ネットワーク人」)
Homo discens (ホモ・ディスケンス 「学ぶ人」)
Homo documentator (ホモ・ドキュメンテーター 「記録人」)
Homo domesticus (ホモ・ドメスティックス 「家庭人」)
Homo duplex (ホモデュプレックス 「重複する人」)
Homo economicus (ホモ・エコノミクス 「経済人」)
Homo educandus (ホモ・エデュカンドゥス 「被教育人」)
Homo ethicus (ホモ・エティクス 「倫理的人間」)
Homo excentricus (ホモ・エクセントリクス 「客観的な人」)
Homo faber (ホモ・ファーベル 「工具製作者」「加工者」「作業者」)
Homo ferox (ホモ・フェロックス 「凶暴人間」)
Homo generosus (ホモ・ジェネロサス 「寛大な人」)
Homo geographicus (ホモ・ジオグラフィック 「場所人間」)
Homo grammaticus (ホモ・グラマティクス 「文法的人間」)
Homo hierarchicus (ホモ・ヒエラルキクス 「階層的人間」)
Homo humanus (ホモ・ヒューマヌス 「人間人間」)
Homo hypocritus (ホモ・ヒポクリトゥス 「偽善的人間」「規則歪曲人間」)
Homo imitans (ホモ・イミタンス 「真似する人」)
Homo inermis (ホモ・イネルミス 「無力人間」)
Homo interrogans (ホモ・インテロガンス 「問い立てする人」)
Homo ignorans (ホモ・イグノランス 「無知な人」)
Homo interreticulatus (ホモ・インターレティキュラトゥス 「長方形の中に埋もれた男」)
Homo investigans (ホモ・インベスティガンス 「捜査する人」)
Homo juridicus (ホモ・ジュリディクス 「法律家」)
Homo laborans (ホモ・ラボランス 「働く人」)
Homo liturgicus (ホモ・リトゥルギクス 「神への礼拝に生きる人間」)
Homo logicus (ホモ・ロジクス 「理解したい人」)
Homo loquens (ホモ・ロケンス 「話す人」)
Homo loquax (ホモ・ロクアクス 「おしゃべり人間」)
Homo ludens (ホモ・ルーデンス 「遊ぶ人」)
Homo mendax (ホモ・メンダクス 「嘘つき」)
Homo metaphysicus (ホモ・メタフィジクス 「形而上的人間」)
Homo narrans (ホモ・ナランス 「物語る人」)
Homo necans (ホモ・ネカンス 「殺人者」)
Homo neophilus (ホモ・ネオフィラス「新奇好きな人」)
Homo neophobus (ホモ・ネオフォブス 「新奇嫌いな人」)
Homo otiosus (ホモ・オティオスス 「怠け者」)
Homo patiens (ホモ・パティエンス 「苦を抱え込む人」)
Homo viator (ホモ・ビアトール 「巡礼者」)
Homo pictor (ホモ・ピクトール 「描く人」、「芸術人」)
Homo poetica (ホモ・ポエティカ 「詩を生む人間」、「意味を創造する人」)
Homo religiosus (ホモ・レリギオス 「宗教的人間」)
Homo ridens (ホモ・ライデンス 「笑う人間」)
Homo reciprocans (ホモ・レシプロカンス 「相互的な人間」)
Homo sacer (ホモ・サケル 「聖なる人間」「呪われた人間」)
Homo sanguinis (ホモ・サングイニス 「血なまぐさい人間」)
Homo sciens (ホモ・サイエンス 「物知りな人」)
Homo sentimentalis (ホモ・センチメンタリス 「感傷的人間」)
Homo socius (ホモ・ソシウス 「社交的人間」)
Homo sociologicus (ホモ・ソシオロギクス 「社会学的人間」)
Homo Sovieticus (ホモ・ソビエティカス 「ソビエト人」)
Homo Spiritualis (ホモ・スピリチュアリス 「スピリチュアルな人」)
Homo superior (ホモ・スーペリア 「優れた人間」)
Homo symbolicus (ホモ・シンボリクス 「象徴文化人」)
Homo sympathetikos (ホモ・シンパティコス 「思いやりある人」)
Homo technologicus (ホモ・テクノロジクス 「技術的人間」)
いやあ、壮観。
一覧の中で一番奇妙なのが、ホモ・インターレティキュラトゥス(長方形の中に埋もれた男)。
棺桶に入ってるんかい、と思ってしまうのですが「コンピューターやその他のデバイスの画面の中で失われた人間性」を表現する際の造語だそうです。
一覧にないがこれに関連するのがHomo Digitalis(ホモ・デジタリス)。
日本でも似たようなものとして、結構昔の流行語「新人類」がありますが、古代ローマで「Novus Homo(ノブス・ホモ)」という語がすでにあったりします。
一覧からもれているHomoなんちゃら。
まだまだ転がっていそうです。
一応の締め
ということで、今回はここで一区切りです。
今回抜き出してみて出てくるかなとヤマを張った二つ名があったのですが、出てきませんでした。
それが、
Homo Calculus(ホモ・カルキュルス「計算する人」)
Homo mathematicus(ホモ・マテマティクス「数学する人」)
です。
とはいえ、検索してみると引っかかるのですでに造語としては使用されていますね。
次回の予定ですが、Homo mathematicusとHomo poeticaを組み合わせた話題でいきます。
何じゃそりゃ。
では。
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