『ジモティー』のビジネスモデルと今後を勝手に考察
今回はいつもどおり新規IPO企業から学ぼうシリーズ、ということで2020年2月上場の「ジモティー」さんを取り上げます。
昔からメディアビジネスに携わってきた僕としては「掲示板型」メディアという一周回って新しいモデルはすごく気になっていました。
実際にひも解いてみると結構面白い気付きがありましたので最後までお付き合いください。それではいってみましょう!
ジモティーはいわゆる「地元の掲示板サービス」
ジモティーがどんなサービスなのかは、TOPページを見るとイメージがわくと思います。
こんな感じ。
地元の人同士が不用品をあげたり、格安で譲ったり。あるいはペットの里親を探したり、サークルっぽいつながりや仕事を探したり。
自由に投稿して興味のある人が反応(問い合わせ)します。
「不動産」「アルバイト」「中古車」など。それ特化のポータルサイトは色々ありましたが、「地元の人・地元の情報」にフォーカスしているサービスです。
TOPページにも記載のある通り『不用品をゆずる』というのがキラーコンテンツのようで、全体の7割程度の投稿がそれに該当するとのこと。
マネタイズの手法は3通り。投稿・閲覧は原則無料
ジモティのビジネスモデルを図解すると下記のようになっています。
例えばいらなくなったものを売るとして、ジモティーに投稿する人も、それを買う人にもお金はかかりません。
それではどこでマネタイズしているかというとまず1つに「広告」です。
各種ページにアドネットワーク広告が掲載されています。
ジモティーは月間億単位(4から5億)のPVを獲得するメディアですのでこの広告収益だけでも十分な稼ぎになります。国内ニュースメディアでも1億PV超えているものはかなり限られてますので5億PVって結構すごいです。
それに加えてあと2つマネタイズポイントがあって、まずはアフィリエイトです。提携サイトの情報を掲載して、そこに送客(資料請求など)が発生したら課金。例としては中古車カテゴリにグーネットさんの情報が掲載されてます。
3つ目のマネタイズポイントは投稿を目立たせるPRオプションです。
ジモティーでは投稿自体は無料ですが、下記のように目立たせたい場合は有料のオプションになっています。
ビジネスモデルのポイントはいかに投稿ユーザーを獲得できるか
それでは続いてジモティーのビジネスの勘所についてビジネスモデルキャンバスで整理してみます。
ジモティーのようなユーザー投稿型のメディアではいかに良質な投稿をしてもらうかがキモになると思います。僕自身以前ユーザー投稿型のメディアを運営していましたが、つねに工夫しているポイントはそこでした。
不用品どのように処分しようかな→ジモティーで誰かにあげよう→え?これが無料でいいんですか?→またなんか掘り出し物に出会うかも
このようにリピートするユーザーの獲得までいたるのが理想的な流れなんだろうと想像します。
ではサービスリリースしたてのジモティーがどのように投稿ユーザーを獲得したのか?もちろん誰もしらないサービスに情報を投稿しようとはしません。そこでジモティーはテレビCMを展開して一気に知名度を広げました。今でもYoutube上で見ることができます。
https://www.youtube.com/watch?v=wH40mDrcwGI
閲覧ユーザーの獲得はSEO
同社の一の部にも記載されていますがジモティーはSEOで多くの閲覧ユーザーを獲得しています。いつもおなじみAhrefsでジモティーがどんなキーワードでGoogleで上位表示できているのかを確認してみます。
例えばこんな風に「中古自転車」というキーワードで2位に表示されているようです。(執筆時点のものなのでみなさんがググると若干順位はことなるかもしれません)
SEOについて細かいことを言い出すときりがないので省きますが、簡単にいうとGoogleは良質なコンテンツがたくさんはいっているサイトを高評価します。
当然中古自転車の情報が1件しか掲載されていないページよりもたくさん情報が掲載されているほうが評価が高い。ジモティーには日々色んな投稿が蓄積されていきますから長く運営していくと色んなキーワードで上位表示される、という仕組みですね。
ジモティの業績は売上10億超、利益数億
一の部に記載の業績をグラフ化してみます。
直近の業績は3四半期分で売り上げ9.3億、営業利益1.5億なのでまちがいなく売上10億を超える水準です。いままで主に広告に大きく投資してきたので赤字が続いていましたがすでに黒字しています。
現状の売り上げはアドネット広告1本脚。今後どう成長させる?
現状のジモティーの売り上げは下記のような構成になっています。
この現状を前提に今後の成長余地を考えてみます。
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