営業利益50%超え。時価総額2兆円のモンスター企業「OBIC」のビジネスモデルを分析
みなさんこんにちは、林です!(@zoweb)
みんなさんはOBIC(オービック)という会社をご存知でしょうか?
という声がきこえてきそうですが、それはオービックビジネスコンサルタント(OBC)という関連会社です。(OBIC社が株の37%を保有。)
OBIC社は日本の中堅企業向けに業務システムに特化したERP(基幹システム)パッケージである「OBIC7」を提供するSlerです。
※Sler(エスアイアー)とは
OBIC社がどのくらいすごいかを時価総額という観点からお伝えすると、
2021/11/1時点の時価総額は2兆。
同じタイミングでの時価総額を比較すると下記のようになっています。
・博報堂=0.8兆
・サイバーエージェント=1兆
・電通=1.2兆
・楽天=2兆
楽天と同じ時価総額、、、。すごいです。
上記の会社達と比べるとけして有名な企業ではないと思いますが、こんなに市場から評価されているOBIC(オービック)を支えるビジネスモデルとはどんなものなのか。
創業からの経緯等とあわせてご紹介しようと思います。
OBICの創業者と沿革
オービックの創業者である野田さんは、いわゆるエリートっぽい経歴ではなく、もともと近鉄百貨店の売場担当者からキャリアをスタートされます。
もともとは、中古の会計機の販売事業を行っていました。
いわゆる「仕入れてきて売る」というモデルは当時参入障壁も低く、多くの企業が参入していました。
オービック社も72年には営業職を20名一気に採用し事業の拡大を目指しました。が、その20名は全員ボーナスを受け取ったら辞めてしまいます。。野田社長はこの経験を受けて、新卒採用重視の方針に切り替わります。
会計システムの自社開発を開始
会計システムは開発力があれば誰でもつくれる、というものではなく、対象とする業界の深い理解が欠かせません。
そこで同社は「特定の業界に特化×中堅企業」という戦略を採用。
定着率の高い新卒入社社員に業界の特有の商習慣やノウハウを蓄積することに成功します。
以降様々な業界向けのERPパッケージを提供。躍進を続けます。
1997年には「OBIC7」シリーズの販売を開始。
2018年には累計導入社数2万社を突破。導入社数で17年連続のNo1を獲得しています。
参考記事:https://bizhint.jp/report/448494
OBIC社のビジネスモデル
OBIC社の収益元は3つあります。
まずは基幹ERPパッケージである「OBIC7」を販売するSI事業。
それを保守メンテナンスするSS事業。
そしてオフィス・サプライやオフィス関連商品を販売するOA事業です。
OBICのビジネスモデルの特徴
同社のビジネスモデルとしての特徴はいくつかありますが、なんといっても
「業界に特化したパッケージングを用意することでセミカスタマイズレベルでERPを提供できる」
という点でしょう。
本来ERP(基幹システム)を提供するSI事業というのは顧客の状況を把握し、個社ごとの要件定義→開発、という完全オートクチュールが基本です。
そのためSI事業というのは一般的に利益率が高くありません。
例えば日本を代表するSI事業社の1社であるNTTデータの営業利益率は6%ほどです。
しかしオービックは、事前に各業界に必要な機能群を先に用意しておくことで、導入の際にいわゆる調整レベルで済んでいるのです。
その結果として「営業利益50%超え」というおそろしい数値を叩き出しています。SI事業者できいたことがないですねこんなの。
同社決算説明資料より:https://www.obic.co.jp/ir/pdf/financial_result/544pr.pdf
今後OBICはどこまで成長するのだろうか?
色々な業界に特化した基幹システムモジュールを先に用意し、少ない初期工数で基幹システムを中堅企業に導入。
事前に開発すべき機能が一定時期には充足し営業利益はどんどん向上。ついには売上800億超で営業利益57%というおばけのような数字。
しまいにはかつてからこだわり続けていた新卒採用×家族主義で社員の定着率も高い。(会社の収益性の高さから、しっかりと平均給与900万超え、という社員への還元もできている。)
一見すると最強状態に見える同社ですが、今後まだまだ成長するのでしょうか?
勝手ながら同社の今後について僕なりに予測をしてみます。
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ここまでおつきあいいただきありがとうございました!
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