血液のカロリー
ご無沙汰ですおれです。最近の話をするね。
こないだ健康診断でさ、身長とか体重とかX線とかおしっことかみられて最後に採血のときに、注射器を持った看護師さんから「採血しますが、注射をされたあとに気分が悪くなったりとかしたことってありますか?」って聞かれていつものように「大丈夫です」って答えたんだけど、だって「嫌です、やめてください」って言ってももうしょうがないじゃん……。だから「はい、お願いします。」ってできるだけ強気で言ったんだけど、そのときのぼくの顔があんまり大丈夫じゃなかったみたいで、看護師さんに、
「あっちにベッドがあるので、そこに横になってください」
って言われてヨロヨロと手を引かれてベッドに寝かされて、確かに苦手だから目をギュッと瞑って腕に針を刺されるのを待っていたら、腕にゴムを巻くよ、消毒でアルコールを塗るから冷たくなるよ、これから針を刺すけどすぐに終わるよ、今、血を引いているよ、とれたから針を抜くね、少し腕が「シカッと」するよ、刻一刻と自分の血を抜かれるのが、実況されて最後に、
「はい。よくがんばりましたね。」
って言われてさ、さすがにそれは…、子ども扱いが、とも思ったんだけどその反射的な気持ちが1秒以内で「がんばりましたねって言われたな、おれ、頑張ったんだな」に塗り替えられて、なんか悪い気はしなかったよね。
ほんで自分の血が入った注射器を一瞬だけ見たんだけど。
いつもの時よりなんかさ、血がね、鉛みたいな鬱陶しさでもってシリンダーに重たそうに収まってたよね。カロリーを感じた。自分のいのちを見てしまった。限界を精密に、目盛りで示されてしまった。だから明日からなんかさ、レバーとか率先して食べようと思った。
ブラフマン始めます。(始めません)