景観にやさしい速度注意看板の設置とその後の効果
奄美大島が世界自然遺産候補地になり、格安航空会社も導入され、メディアの露出も増え賑わいを見せています。すると、困ったことがどうしても起こります。
車の通行量増加と危険運転車の増加です。
私が住む瀬戸内町蘇刈集落内はよく知る車ばかりの、のんびり通行ばかりでした。それが近年は集落外の車が増え、狭い道路を40キロ超えで走り抜けられる事を幾度も目の当たりにしました。このままではいつ集落内で事故が起こるやもしれない、そういう危機感を抱いた私たち集落民は対策を講じようと動き出しました。
よ~りよ~り看板ができるまで
集落内に警告標識をたてよう…はじまりはこの意見からでした。ただ景観美を損なう、雰囲気が悪くなるとの理由から看板デザインの方向性は地元にやさしいとなりました。
・手に入りやすい材料でつくる(コンパネ、水性塗料)
・親しみやすいように島言葉、集落の人をモデルに、道行く動物たちを
・思わず見たくなるようなデザインに
・汎用性の高いデザインに
デザインの使用のススメ
汎用性の高いデザインにしたのは、他集落でも作りやすいようにするためです。交通問題はどこでも抱えているものなので、そのまま使うもよし、アレンジするもよし、のスタンスです。
デザインの元にあるのはフリー素材と有料素材です。こちらを使えばどなたでもデザインすることができます。
・フリー素材「SILHOUETTE DESIGN」から主に人物のシルエットを拝借しています。
https://kage-design.com/category/person/
・有料素材「PIXTA」から主に動物の素材をシルエット化して利用しています。
・看板のベースとなるものはここからダウンロードできます。
※jpgは専門ソフトのない方向け。aiはイラストレーターなどがある方向け。
設置について
設置場所を検討し許可を取り、その場の素材にあった材料調達が必要です。島はブロック塀が多いのでそこを利用するに限るのですが、手でボロボロと崩れる、いつも湿気ているような場所は不適切なので避けるのが無難です。
・見通しが良い
・ブロック塀は手で崩れない、湿気ていないこと
・道路に飛び出さない
・土の上に立てるならあらかじめ草刈りをしておく
・許可は絶対!
といったポイントを参考にしてください。
設置に使用した代表的な材料や道具(うろ覚え)
・桟木
・角材
・ネジ
・コンクリートビス
・防虫ニス
・インパクト
・ノコギリ類
・ハンマー
・水平器
・脚立
・ブロアー
etc
購入店舗(元ある道具は含まず)
・政岡建材店(瀬戸内町古仁屋)
・峯田商事(瀬戸内町古仁屋)
・ニシムタ(奄美市名瀬)
効果について
統計をとっているわけではないので、感覚的な話となりますが、看板設置前よりは速度が落ちている印象です。
プラスアルファ効果としては、集落の方、とくにモデルとなっている方は喜んでくれていました。写真も嫌がるような人達なのでバレたら怒られるかも?と思いながら黙ってモデルにしていたのですが、一安心です。
更に集落外の反応が良いということです。
「ほんわかして癒される」
「うちもやりたい」
との声を頂いています。是非やってください。お手伝いが必要でしたら相談してください。
SNSによる波及効果もあるようで嬉しい限りです。
費用について
集落で何か行う時に使える集落マネー。皆様の集落にはどの程度あるでしょうか。裕福で仕方がないという集落はほんと珍しいと思います。どこも集落運営のやりくりに苦労が絶えないのではないでしょうか。だからといって問題を野放しにしたくない、お金が!という時にもしかしたらあるかもしれない、助成金…。これは試しに探してみると良いです。
私たちは町役場の企画課に相談し結果、町の地域提案型事業に応募し採用される運びとなり費用工面に大いに助かりました。
ただしこの看板だけで事業に採用されるには難しいだろうと判断し「安心できれいな暮らしの蘇刈集落」をテーマとし集落で抱える問題をあわせて応募しました。
終わりに
集落、町内会、自身が住む場所のエリアで困っていることの一つ、交通問題。共通課題かと思うので、何かヒントにでもなれば良いなと思います。
活動費に繋がるサポートをよろしくお願いいたします。イラストやデザインで奄美大島にカワイイと素敵を拡げていく活動をしています。