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歌川国芳展行きました《美術展2025 #1》

鑑賞日 : 2025/02/15
@大阪中之島美術館

江戸末期の浮世絵師、歌川国芳(1797 – 1861)は、それまでの浮世絵の歴史を塗りかえる斬新な作品の数々を世に生み出し、国内外で高い人気を誇ります。その奇抜なアイデアや、現代に通ずるデザインセンスとユーモアは、浮世絵という枠や時代を超えて多くの人々を魅了しています。

本展は国芳展の決定版として、武者絵や戯画をはじめとした幅広い画題の浮世絵版画や貴重な肉筆画など、約400点を展示する大規模な展覧会です。

大阪中之島美術館

友人たちと歌川国芳展に行きました。といっても一緒にいたのは入る時と出る時だけで、ほとんど一人で見て回ることになってしまいました。そういうの許してくれる友達でよかった〜!

昨年の11月に石崎光瑤の特別展に行き、日本画の繊細な表現に感銘を受けました。その頃から徐々に日本画に興味を持ち、偶然にも歌川国芳展の広告を目にして、これは行くしかないなと。この展覧会のパンフレット、めちゃくちゃ目に付くんですよ。なんか見てるだけワクワクするような感じ。


感想です。自分はとにかく「上手い絵」に惹かれるものだと思い込んでいたのですが、その「上手い絵」とは何なのかを考え直す機会となりました。

絵画鑑賞経験の少ない僕が、「上手い絵」として思いつくのは写実主義や印象主義の頃の西洋画です。とにかく描写力すげ〜ってなる絵が好きなんですよ。ええ、短絡的な発想でしょう。国芳の絵を最初に見た印象は、これまでの自分の中の「上手い」からは遠くにあるような絵だな〜という感じ。それなのにどこか惹かれるのはその構図色づかいによる迫力にあるのだと考えました。

まず、「めっちゃ漫画チックだ!」と思いました。なんか普通に集中線とかあってびっくりしちゃった。一枚の絵で完結してる感じとか、登場人物の名前を横に書いてしまう感じとか、同時代の西洋画(ロマン主義や写実主義)には全くない技法で、こんな自由でいいんだ…と呆気に取られてしまいました。

『相馬の古内裏』

本展は説話や人物画に始まり、風景画、そして戯画という構成で展示されているのですが、人物画の時点で既に「戯」のにおいがしてました。僕が知らないだけかもしれないんですけど、絵の中で「ありえないこと」を描くのって、西洋画であんまり見たことないなって。自分の体以上の大きさの鯉を捕まえてる金太郎とか、めちゃくちゃデカい猫がこっちを見てるとか。西洋の宗教画もありえないことを描いているんだけど、それはあくまで現代の日本人としての価値観であって、当時信心していた人たちにとってそれは「ありえないこと」ではなかったはず。ありえないことをありえないこととして描いて、それが受け入れられて人気になってた日本、変ですよ。

そんな「戯」が垣間見えた人物画のコーナーを過ぎて、風景画と肉筆画のコーナーに差し掛かったわけですが…

普通に絵上手いんかい!

いや、描写力もすごいんかよ。めちゃくちゃカッコいい絵がいっぱいあるんですよね。特に肉筆画は、繊細な線と大胆な構図が織りなすパワフルさを感じられて、その意外性に圧倒されてしまいました。思えば、説話画の背景の描写とかもめっちゃ上手かったか。グッズのポストカードに、風景画があんまりなくてとっても残念でした。

さて本展が最大に推している戯画ですが、これもまた面白かったです。戯画に登場するキャラクターたちの個性は、現代の漫画やアニメのキャラクター性にも劣らないなと思いました。いや、少し劣るかも。でも200年近く前の画家がこんなに沢山のキャラクターを生み出してたことには本当に感動しました。

総括ですが、とにかく面白かったです!自分の視野がまた少し広がった気分ですね。北斎や広重なんかの絵も見てみたい。北斎は春画も書いていたということで、非常に興味があります。

と、絵に最近興味を持ったいち大学生による感想でした。まだまだ行きたい美術展が山積みなので、これからも続けていきますね。優しく見守ってください!!

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