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看護師確保の奨学金制度

私が看護師を目指したきっかけは母のすすめです。小学6年生の文集で「将来の夢」について書かなければいけなかったとき、なりたいものもなかった私は、母の「看護師にしたら?」という言葉からなんとなく将来の夢が看護師になりました。看護師なら国家資格であり、給料も雇用も安定していて食いっぱぐれもないためすすめたのだと思います。

次に看護学校は専門学校と大学のどちらに行くかで迷いました。専門学校の方が学費が安く、3年で看護師になれます。大学は学歴もつくし、看護師と保健師、選択すれば助産師の資格もとれます。しかし学費が高いのが引っかかるところです。どうして決めたかというと、母の友達に看護師がおり、その方の「行かせてあげられる環境があるなら大学に行ったほうがいい」という言葉で大学に行くことになりました。

大学の学費は年間約180万でした。学費だけでなく交通費、教材費などもろもろかかってくるので、相当なお金が必要でした。母子家庭であり、親に頼ることもできないため、奨学金制度を利用することにしました。病院には看護師を確保するために学生の間にお金を貸し、看護師になったあとに病院で働いてもらい、契約した期間働くと借りたお金を返さなくてもいい奨学金制度があります。私はそれを利用し4年間、月5万円のお金を借りました。看護師として4年間その病院で働けば返済不要となります。しかし、途中で辞めると一括返済しないといけないという契約でした。契約内容にも色々あるようで、私の同期は働いた期間分は返済されていき、途中で辞める場合は残ったお金を返済するというものでした。

また、病院の奨学金だけでは学費を賄えないため、日本学生支援機構でも4年間、月12万円を借りました。その結果、学生のうちから約816万円の借金を抱えることになりました。

看護学生になったあとは、勉強量の多さと実習の大変さ、多忙さに何度辞めたいと思ったかわかりません。しかし、途中で辞めると無職で多額な借金を抱えることになります。連帯保証人になってくれた親戚にも迷惑がかかると思い、とりあえず看護師になるまでは何がなんでも続けるという思いでやってきました。

前述した通り、自分の意思で看護師になりたいと思ったわけではないため、モチベーションもなかなか保てず、自分は看護師に向いていない、看護がわからないとずっと思ってきました。辞めずに済んだのは奨学金制度のおかげでもあったと思います。

現在は奨学金を借りていた病院で4年の勤務を終え、240万円完済しました。それと同時に退職し、辞められないという重圧から解放されました。

将来の夢に悩んでいる方、誰かに言われて決めたことはなかなか続けるのが難しいです。看護学生時代辞めたいけど辞められないと抱えていた不満は母に向いていました。最終的に決めたのは自分なのに、母が言ったからと責任転嫁していました。今では大変だけれど食いっぱぐれのない看護師になれたことは良かったと思っています。車も買えるし、家のローンも組める、好きな服や食べ物、エステ、化粧品など色々なことにお金が使えるので生活は豊かになったと思います。結果的に言えば、流されるのもそれはそれでなんとかなると思います。しかし、私の経験から自分のやりたいことを見つけ、そこに向かって努力できる方が何倍も伸びると思います。

看護師になろうか考えている方、お金に余裕があるのであれば、奨学金制度を使う必要はないと思います。専門学校か大学か働いて変わることは、給料です。私が働いていた病院では、大学出身の方が月1万円程度給料が高かったです。しかし、学費のことを考えると、私みたいに4年で看護師を辞めてしまうと結果はマイナスですね。長く続けるのであれば、生涯年収は変わってくると思います。大学を出ているからといって師長になれるわけではないので、看護師は実力、上にいきたいという向上心があれば成り上がっていけると思います。大学在学中に大変だったのは、大学のプライドというものがあり、実績をあげないといけないため、看護師に向いていないもの、国家試験に合格できないものは積極的に落としていくため、いつもテストや単位は落とせないと追い詰められていました。働いてから、実習に来る専門学生を見るたび、私の時よりも楽しそうでいいなと思っていました。隣の芝生は青く見えるという現象なのかもしれませんが、、、

奨学金を借りる場合、返済のこともしっかり考えておく必要があります。将来の自分が困るような額は借りない方がいいですね。病院の奨学金を借りる時は契約内容をしっかり確認し、いくつか候補を決めて比べる方がいいと思います。働きたい病院、人間関係が良好なところ、給料がいいなど、難しいかもしれませんが実際に働いてる人から情報を集めるのがいいと思います。人間関係がいいかは実際に働いてる人にしかわからないので、新人でしんどい思いをしないためにも事前の下調べは重要だと思います。

色々と書きましたが、私のしてきた数々の失敗、選択してきたことの後悔などを、少しでも役立てていただければと思います。






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