「鬼滅の刃」観れない子供
映画公開2週目の土曜日の午前中、劇場版「鬼滅の刃~無限列車編~」を観に映画館へ行った。
20分前に劇場に着いたら、外まで溢れるほどの人でロビーはごったがえしていた。こんなクソ田舎の劇場ですら、3スクリーンで上映するほどの人気ぶりだ。
事前にWEBでチケットを予約していた僕は、余裕の眼差しでこの社会現象ぶりを見つめ時間を待った。
すると、小学生低学年くらいの男の子が「ヤーーダーーーー(号泣)今日観るーーー!!!」と泣き叫びながら、30代くらいの両親に手を引っ張られて、劇場の出口に向かって歩いて行こうとしていた。
その父親は男の子に「チケットが取れなかったから、また来週にしよ!」と言っているのが聞こえた。
周りにいた誰もが、男の子の泣き叫ぶ理由はすぐに理解した。
(正確にはチケットが完売したわけではない。家族で連番の席が取れなかったということだろう)
僕は男の子に同情するとともに、見ず知らずの男の子の両親のリテラシーの低さを代わりに恨んだ。
あれだけ社会現象でどこも混雑していることを知らないはずはない。事前にWEB購入するなり、前日にでも窓口で買っておくなり、いくらでチケットを買う術はあったはずだ。
それなのに、当日の上映時間の30分前くらいに劇場に行って、券売機の列に並んでいるとは、どれだけ先を読めない親なのだろうか?
きっと前の日の夜、「明日、鬼滅の映画行こうか!」とお父さんにいわれて喜んだ男の子は、「水のこきゅー、いちのかた!」と炭治郎になりきってはしゃいでいただろう。
「早く寝なさい」とお母さんにいわれても、なかなか寝付けないでワクワクしていただろう。
それを想像すると、僕は切なくなった。
学校の友達も見に行っただろうし、月曜日の今日、映画の話で盛り上がることも出来ないのだ。
昔と違って、今の時代はITを使えば、先のことを予測し準備をすることが容易だし、こういう無駄な悲しみを味合わせないためにITは発達している。
その親が持っているスマホは何のためのスマホなのか?パズドラをやってYoutubeを観るためではないはずだ。
WEBで予約の仕方がわからない人だとしても、当日劇場で買えるのかどうか?の心配はできるし、そしたら電話をかけて聞いてみるくらいできる。
それすらしないで、子供を悲しませていたわけだ。
親の責務をまっとうしなければ、煉獄さんに怒られる。