ZOOMOの動物たちの医療の現状

 初めての投稿に何を書こうか迷いましたが、動物たちの診療については今後少しずつ報告しようと思います。

 まずは、これまでZOOMOを応援くださり、動物医療にご支援いただいた皆さんへの感謝の気持ちと、動物たちの医療の現状(変化!)についてお伝えしたいと思います。

病院外観

※キリン舎奥にある歴史を感じる動物病院

 動物園の動物たちにお薬を飲ませる場合、キリンやシロサイ、アフリカゾウといった大きな動物では、点滴は1日に10リットル以上とか、とにかくすごい量になったり、人では1回1錠で効くお薬も、1回30錠…なんてことも普通です。大好きなご飯に混ぜてはいるものの、お薬をポリポリ食べている感じでしょうか。若干疑いながらもちゃんとお薬を食べてくれる動物たちには頭が下がります。

画像4

※大型動物の消化器系のお薬は特に消費が激しいです

 動物園の動物たちの治療では一度に沢山の薬が必要になることもあり、動物医療費が膨らみます。しかし、治療の選択ができるほど多くの種類の薬を常備することはできず、効果を見ながら薬を買い足したり、変更したりして治療を進めてきました。しかし、そうこうしているうちに体調も変化して、買った薬が必要でなくなってしまうこともあります。

 治療の選択に迷っている時間はないのですが、余計な消費をすると後々の治療に響き、年度末にはお金がなくて薬が買えない!!なんて事にもなり兼ねません。このような状況だと、現状で何とかしよう…といった消極的な治療になってしまいます。

ヨシくんMRI

※ホンドタヌキの“タヌヨシ”はMRI,CT,造影検査を受けました

 これまでこのような環境で治療をせざるを得なかったのですが、昨年の9月末よりHPやSNSで動物医療費の寄付を募り、募金箱を設置するなどしたところ、多くの方からご支援をいただき状況が変わってきています。

 余裕をもって薬を揃えることができるようになり、治療の選択肢が広がったほか、これまでにホンドタヌキや、グレビーシマウマなどがCT・MRI、内視鏡といった高度医療を受けることができました。

 他にも個人の方や団体からいただいた寄付で血液検査の機械を購入し、動物病院内ですぐに検査ができるようにもなりました。動物たちの医療環境が以前よりも改善した事を実感しています。

血液検査機

※寄付で購入した血液検査機と遠心分離機

 そして、ご支援や応援の言葉を通じて、たくさんの方がZOOMOの動物たちの健康を気にかけ、大切に思って下さっていることを感じとてもうれしく、同時に身が引き締まる思いです。

 まだまだこれから先も動物たちの医療環境を改善していきたいと思います。是非これらも応援をお願いします!

動物病院
獣医師 松原