まだ旅の途中とな。
ある夏の終わり、私は用事があって実家に帰った。ある種、人生の分岐点にいた私。
久しぶりに父と2人。
話すべきことはあるけれど、親子だけど、
話し始めはぎこちなかった。
父と私の氷が溶けるのには時間がかかった。
最近、簡単に答えなんて出ようはずもない問題が頭をよぎる。
普段からあまり話さない娘が
こんなこと急に聞いたら父は驚くだろうか。
率直に言ってみた。
最近、
何のために生きてるんやろう
って思うねん。
守るものも何もないし、
誰かのために何かができる訳でもないし。
「そうやなぁ」と考える父、
生を全うする為に生きてるんちゃうか。
美味しいお寿司が食べたいと思ったら
食べる。それでいいんちゃう?
お寿司食べる為に生きてる訳ちゃうけど。
父は言った。
父親とこんな話することなかった。
父の答えが深いかとかどうかとか、そういうことより、父親とこんな話ができたのが娘の私としては嬉しかった。
この言葉を聞いても私は正直、
すぐには分からなかった。まだ旅の途中とな。